平井堅 5000人のファンが集結、『K
en’s Bar』クリスマス公演を初の上
海で開催

平井堅がトータル・プロデュースを務める年末恒例の『Ken’ s Bar』がクリスマスイブの夜、上海で行われた。全曲アコースティック編成によるコンセプトライブの海外公演は、2002年9月の台湾、2010年8月と2018年8月のニューヨークに続いて4度目となるが、クリスマスシーズン、そして中国での開催は今回が初めて。会場の上海National Exhibition & Convention Center Hong Arena(国家会展中心虹館EH)には5000人の観客が集結した。
その1曲目は「僕は君に恋をする」。離ればなれになってしまった人に対する強い想いを綴った楽曲で、続いて、これまたラブソングでありバラードでもある「魔法って言っていいかな?」を披露。『KEN HIRAI Ken’ s Bar Special!! in SHANGHAI』は、クリスマスイブの夜をロマンティックなムードへと徐々に変えていく演出でスタートした。
平井堅
2曲を歌い終えると「ダージャーハオ! ウォーシーピンジンジェン(こんにちは! 私は平井堅です)」と、まずは中国語で挨拶。今度は日本語で「初めての上海。プライベートでも来たことがないので楽しみにしておりました。みなさんにお会いできてほんとうにうれしいです」とお礼を述べた。
また、現地入りしたライブ前日に「小籠包を食べました。上海エナジーをいただいて今日は万全です!」と、再び観客を喜ばせると、オープニングとはまったく異なるタイプの楽曲で会場の空気を一変させた。
その3曲目は、人間が持つ闇にフォーカスした「告白」で、しかし続く「キミはともだち」では人間の心の温かさをほのぼのと歌った。すると今度は、巨大な記号としての平井堅が浮かび上がる2曲が続いた。大ブレイクのきっかけとなった2000年発表の「楽園」と、ミリオンセラーを記録した2004年発表の「瞳をとじて」。平井堅自身のキャリアとしてはもちろん、J-POPシーンの歴史においても重要な2曲を、リリース当時よりもさらに力強い声で熱唱し、観客を驚かせた。
平井堅
そしてライブは後半に突入。その1曲目は2000年にCDリリースされる前、このコンセプトライブがスタートした1998年から披露されていた『Ken’ s Bar』のテーマソングともいうべき「even if」。バーを舞台に、恋人がいる人を好きになってしまった「僕」のせつない気持ちを綴ったバラードで、平井堅の歌声同様、そのバックに響くピアノの音色も美しいものだった。
このように、平井堅の歌と楽器ひとつの演奏というミニマムな編成でしっとり展開していくのが『Ken’ s Bar』の特徴で、ここまではピアノだけ、もしくはアコースティックギターだけだったが、8曲目はウッドベースだけをバックにした「哀歌(エレジー)」。
平井堅
退廃的な恋愛関係を歌ったこの楽曲を演出するウッドベース独特の音色がじつに不気味で、このように、オリジナルとは違う意外なアレンジが楽しめることも『Ken’ s Bar』の特徴でもあるのだ。
続いてエレクトリックギターだけをバックにした「トドカナイカラ」を終えると、ギター、ベース、ピアノ、パーカッションと、「Ken’ s Bar」におけるマックスの編成となり、「君の好きなとこ」「KISS OF LIFE」と、ライブの終盤でお馴染みのアップテンポなナンバーが披露された。
照明も徐々に華やかなものとなり、そして二部構成の後半ラスト・ナンバーは「POP STAR」。この楽曲のパフォーマンスでは欠かせないあらいぐまともぐらの着ぐるみダンサー、いつもはどちらもグリーンの服だがこの日はもぐらがレッドのサンタクロース仕様のクリスマスカラーでステージに現れたものだから観客は大喜び。
平井堅

平井堅

アンコールは再びシンプルな編成となり、歌われたのはアコースティックギターだけをバックにした「ノンフィクション」と、12月4日にリリースされたばかりの最新ナンバー「#302」の2曲で、ここまで全14曲。
『Ken’ s Bar』では初めての試みとなるオリジナルのみで構成したセットリストだった。初めての中国公演、ストレートかつシンプルに平井堅を伝えたかったということなのだろう。
しかもその14曲はすべてシングル曲、ベストアルバムのようなライブだった。もっというと、平井堅がいかにポップメイカーでありヒットメイカーであることをあらためて思い知る強烈なライブでもあった。
平井堅
しかしアンコールの最後を締め括ったのはシングル曲ではなかった。「僕の、もうずいぶんと前の、しかもアルバムの中の1曲なんですけれど、F4という方々がカバーしてくださって」と平井堅が言ったところで、一部の観客から歓声が上がった。すぐにピンときた人がいたのだ。台湾の男性アイドルグループが「流星雨」というタイトルで発表した楽曲のことで、その原曲は「Gaining Through Losing」。「すごく中国の方々が聴いてくださっているということで、すごくうれしくて」という、感謝の意を込めたラスト・ナンバーだった。
そして歌い終えるといつものようにマイクを使わず、「今日はどうもありがとうございました。シェイシェイ!(ありがとう!)」と地声で挨拶をすると、今度は観客が平井堅に対して大きな声援と惜しみない拍手で感謝の意を表し、上海で初めての『Ken’ s Bar』は閉店となった。

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