歌謡界のスーパースターと称される人物を取り上げ、様々な資料から、その人物の”すごさ”を浮き彫りにする証言集。今回は、ジャンルを越えて国宝級の声を披露し続けてきた日本最高峰のボーカリスト五木ひろし。そのプロ意識の源を垣間見る!
五木ひろし
イツキヒロシ:1948年3月14日生まれ、福井県三方郡出身。歌手、作曲家、俳優。1971年、五木ひろしの名で「よこはま・たそがれ」を発表。この曲の大ヒットで、一躍スターダムにのし上がる。2004年、第54回芸術選奨文部科学大臣賞(大衆芸能部門)を受賞。2007年、紫綬褒章を受章。

五木さんの凄い話が、昔10週連続で勝ち抜いたら歌手になれる『決定!全日本歌謡選抜』という番組に出演した際に、五木さんは『落ちたら歌手やめよう』と思って出演したんですって。でも、5週目くらいに、『五木があまりにも凄い』と審査員も納得したようで、まだ優勝もしてないのに、審査員全員で曲を作り始めていたそうです。だから10週経った時には曲ができているんですよ(笑)! 漫画家・杉作J太郎 『DI:GA ONLINE』(杉作J太郎の音楽電気風呂 第1回/2016.04.23)より

やっぱり僕はテレビでいつも五木さんを拝見してる立場ですから。だから、遠い人で。なんか楽しそうにお歌いになってて。僕なんか苦痛に歪んでる顔で歌ってるんですけど五木さんは楽しそうで。ああいう形って好きだなっていう。よくほらテレビとか見てると、五木さんの物真似する人多いじゃないですか ミュージシャン・吉田拓郎 『LOVE LOVE 愛してる』(ゲストとのLOVE LOVEなトーク#177/HomePageだけの特別編集版 五木ひろし編/2017.2.23)より

(糸井重里に『”あいつはうまいな”と思うことは?』と聞かれて)そうですね、たとえば五木ひろしくんです。どんな状況でもCDのようなクオリティで生で歌うことのできる人です。だけど、ぼくなんて、CDのままには、決して歌えないです。だいいち、日によって歌い方が違います。五木くんはすごい 歌手・前川清 『ほぼ日刊イトイ新聞』(前川清の歌が聴きたい。 4人が集まる九州鉄道の旅/第3回 歌のうまい人。/2018.4.16)より

美空ひばりはスタジオに向かう五木ひろしを見送って私に言った。『五木ひろしが男でほんとによかったわよ』 天才は天才が判る。五木ひろしを誰よりも認めていたのだ。ひばりはニッと笑って首をすくめた プロデューサー・嶋田親一 『MIN-ON』(History of MIN-ON/VOL.04 民音の誕生~日本の音楽界に、新しい風が吹いた~/嶋田親一氏 特別寄稿/2013.12.7)より

五木さんは、とにかく毎日全力投球なので、私は『千秋楽までペース配分とかお考えにならないんですか?』とうかがったんです。そうしたら、『1日1回全力投球。毎日出し切って、また新たな気持ちで臨めば、自然とエネルギーが沸いてくるんだよ』と。その言葉を聞いてから、私もとにかく出し切ることを意識するようになりました 歌手・坂本冬美 『うたびと』(坂本冬美独占インタビュー『どんなことをやっても、最後は和服で演歌のスタイルは変えません』/2019.6.20)より

ある情報では、松方さんが歌手になるために上京して、作曲家の上原先生の内弟子になったが、後から内弟子になった五木ひろしさんの歌があまりにも上手だったため、歌手になるのを諦めて俳優になったという話があるんです 作曲家・京建輔 『京建輔 FanSite』(第12回インタビュー 「遠山の金さん」五木ひろし「流れのままに」松方弘樹「華のうちに」/2017.11.21)より

出合った時から光るもの、自分にないものを持っていた。芸の道には『これでいい』ということはないが、彼は彼の道を歩んでいる。すばらしい 歌手・北島三郎 『日刊スポーツ』(五木ひろし55周年に北島三郎「光るものあった」/2019年09月05日)より

食事でもしようとレストランに行くと満員で、『相席なら』と言われ、先のカメラテストを受けていた青年と一緒の席になった。『あっ、平尾さん、僕、三谷謙と申します。これでも、プロ歌手なんです。今日、審査、よろしくお願いします』 この礼儀正しい青年が、のちの五木ひろし君である 作曲家・平尾昌晃 『昭和歌謡 1945〜1989 歌謡曲黄金期のラブソングと日本人』(著・平尾昌晃/廣済堂新書/2013年11月1日発行)より

吉本じゃなく、五木プロモーションに移籍します。気持ちは五木プロモーションです 漫才師・岡本隆史 『スポーツ報知』(岡村隆史、五木ひろしに忠誠「気持ちは五木プロモーションです」/2019年9月30日)より

紫綬褒賞は歌唱力はもちろん、人間性など全てを兼ね揃えた結果。今後も五木さんの背中を追っていきたいね。まぁ、最終的に私は人間国宝だけどね シンガーソングライター・松山千春 『ORICON MUSIC』(松山千春、五木の紫綬褒賞に「オレは人間国宝を狙う」とライバル心/2008.3.12)より

楽屋やスタジオではいつも、五木さんや布施(明)さんら先輩のそばでにいて、音楽の話を聴いたり、みなさんの歌を聴いて節回しをまねしたり、一生懸命勉強しました。全部、反骨精神ゆえです 歌手・野口五郎 『婦人画報.com』(インタビュー・レポート/野口五郎さんが明かした胸の内「あの頃も今も、僕はあなたのために歌う」/2018.12.20)より

山口洋子の悲願は、ことごとく叶い、日本レコード大賞は、歌唱賞の連続受賞をはじめとして、グランプリはニ回、日本演歌大賞、日本歌謡大賞など、あらゆる賞を受賞しているほか、正月興業を大劇場で明けることはあたり前となり、紅白の大トリは昭和五十ニ年に七回目の出場で『灯りがほしい』で達成し、昭和六十二年、十七回目出場の『追憶』、平成九年、ニ十七回目で『千曲川』、平成十四年、三十二回目の出場で『おふくろの子守唄』、さらに平成十九年、三十七回目に『契り』で四回も務める大記録を達成させたのだった ノンフィクション作家・塩澤実信 『昭和の歌手 100列伝』(著・塩澤実信/北辰堂出版/平成26年9月20日発行)より

五木さんは10代の頃から、同じ銀座のクラブで歌っていた仲間ですから、私自身はライバルという気持ちはなかったんですよ。ただ賞レースが話題になり始めた秋口から、メディアで”五八戦争”といわれるようになって 歌手・八代亜紀 『輝く! 日本レコード大賞 公式インタビューブック 放送60回記念 TBS公認』(シンコーミュージック・エンタテイメント/2019年5月14日発行)より

五木ひろし ニューアルバム『五木ひろ
し 全曲集2020』

2019年12月11日発売
FKCX-5096 / 3,000円+税
[ 収録楽曲 ]
1. 麗しきボサノヴァ
2. 逢いたいなぁ
3. 倖せさがして
4. 愛のバラードを・・・となりで
5. 女の酒場
6. 人生かくれんぼ
7. ふたりのラブソング
8. ふたりの旅路(ニューバージョン)
9. 倖せの隠れ場所
10. おしどり
11. ほとめきの風
12. 愛の始発(ニューバージョン)
13. 酒ひとり
14. 最愛のひと
15. 和み酒

五木ひろし ニューシングル『麗しきボ
サノヴァ』

2020年1月8日発売
FKCM-43 / 1,500円(税込)
[ 収録楽曲 ]
1. 麗しきボサノヴァ
2. 倖せの隠れ場所
3. グラスの氷がとけるまで デュエット:坂本冬美
4. 麗しきボサノヴァ (オリジナルカラオケ)
5. 倖せの隠れ場所 (オリジナルカラオケ)
6. グラスの氷がとけるまで (オリジナルカラオケ)
仲村 瞳(なかむらひとみ)
編集者・ライター。2003年、『週刊SPA!』(扶桑社)でライターデビュー後、『TOKYO1週間』(講談社)、『Hot-Dog PRESS』(講談社)などの情報誌で雑誌制作に従事する。2009年、『のせすぎ! 中野ブロードウェイ』(辰巳出版)の制作をきっかけに中野ブロードウェイ研究家として活動を開始。ゾンビ漫画『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ~童貞SOS~』(著・すぎむらしんいち/講談社)の単行本巻末記事を担当。2012年から絵馬研究本『えまにあん』(自主制作)を発行し、絵馬研究家としても活動を続ける。2014年にライフワークでもある昭和歌謡研究をテーマとした『昭和歌謡文化継承委員会』を発足し会長として活動中。

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