大森南朋から熱烈オファー!長澤まさ
み「生の舞台で生の温度を感じたい」
コムレイドプロデュース公演 『神の
子』開幕

田中哲司、大森南朋、赤堀雅秋による演劇ユニット「コムレイドプロデュース」による舞台『神の子』が、2019年12月15日(日)、東京・本多劇場にて、本日開幕した。初日目前のこの日、同劇場にて囲み会見とゲネプロ(通し稽古)が公開された。
囲み会見には、大森、田中、赤堀のほか、長澤まさみ、石橋静河、でんでん、江口のりこが登壇し、今の心境を語った。
赤堀雅秋
まずは作・演出を務めた赤堀から挨拶。「下北沢の本多劇場という大好きな劇場で、素敵なキャストで公演を打てるということは、贅沢だなという気持ちとこの上ない幸せを痛感しています」と語る赤堀は、続けて作品に関して「終始どうでもいい些末なエピソードの連続なんですけど、その中で何となく世の中に漂っているような虚無感だったり、やるせなさみたいなものがにじみ出ていたら嬉しいなと思います」と照れくさそうに語った。
大森南朋
警備員の池田守役を演じる大森は、自身の役を「どうしようもない身で、人として情けないというか、そういう男を演じています」と説明。そして初日を目前にした心境について「妙な緊張感を持ちながら今日一日を過ごすのかと思うとソワソワしております」と口にした。
長澤まさみ
池田がひょんなことで出会う田畑美咲役の長澤は「今、自分が居る場所でそこに居ていいのかと迷っている役」と美咲について語り、「池田さんと出会う事で、自分の求めているものに出会えるのかというところが見どころかな。稽古で積み重ねてきたものを丁寧に演じられたらな」と意気込んだ。
田中哲司
五十嵐健役の田中は、「でんでんさんと大森さんと一緒に働く警備員仲間というか、恐らく僕の役がこの登場人物の中で一番最低だと思います」と不敵に笑いながらも「初日をずっと待っていたので、今日が本当に楽しみで思う存分やろうと思います」と喜びを口にした。
でんでん
でんでんが演じるのは最年長の土井春彦役。「初日があと1週間後だったら嬉しいんですけど、今日は今日で楽しみにしております。(土井は)最低の人間なんですけど、それが自分であるというものを、何となく自分で支えているような弱い人間なんですけど、そういうところを上手く演じていければいいな」と顔をクシャクシャにしていた。
江口のりこ
江口は警備員の3人組が通うスナックのママ・林田美保を演じる。「先輩たちがすごい頼もしいので安心感がありつつ、初日の不安もありつつ(笑)。今日は楽しもうと思います」と笑う。
石橋静河
そして石橋は斎藤真理子役。「長澤さん演じる田畑さんと似た境遇で田畑さんに憧れを頂いているような人です。こんな先輩方と舞台に立てることはなかなか無いんじゃないかなと。今日(初日)は不安はあるんですけど、それよりも楽しみな気持ちの方が大きいので、観ていただくお客さんに楽しんでもらえたら良いなと思います」と笑顔を見せていた。
豪華なキャストが集まった事について話が振られると「それは赤堀くんの人望の厚さ、田中さんの人望の厚さじゃないでしょうか」と大森がニヤリ。とりわけ長澤をキャスティング出来た事については、「僕がラブコールを送った。ファンだったので」と大森。「まさか出てもらえるとは思わなかったんです、あの時は。意外と赤堀さんの作品に興味を持たれていたようなので、これはいいんじゃないかなと思いまして、そんなにゴリゴリは押さないでジワジワといきましたね」と長澤包囲網の舞台裏を語った。
とはいえ、田中は「(長澤のキャスティングは)僕は無理だなと思いました。3人(赤堀、大森、田中)で飲みながらメールを送ったりしてたんですけど『いや、ムリムリムリ』って(笑)。大分時間が経ってから返事が来たよね」と振り返る。
そんなやり取りを聴きながら当の長澤は、「(大森に)15~16歳頃から可愛がってもらっていたので、これまでなかなかご一緒に芝居をする機会が無かったので、すごく嬉しいなって。また、赤堀さんの作品に出てみたいって思いもあったので、ラッキーって感じ」と素直な心境を口にするが、舞台に出る事について聴かれると「やっぱりすごく緊張するし、難しいものだなというのは毎回舞台に立つたびに思うのですが、でも楽をしてはいけないなと思うので、楽しむために楽をしないで、生の舞台で生の温度を感じて自分も苦しみながら楽しくお芝居が出来たらなと思っています」と真摯に臨む姿勢を見せていた。
石橋凌と原田美枝子の娘でもある石橋は、舞台は今回で7本目。「始まる前は怖くて怖くてしょうがなかったんですけど、昨日も自分が出ていないシーンを客席から見ていて、こんなに面白いお芝居の中で自分も一緒にやらせてもらえるんだ!と改めて思うと楽しみになった」と愛くるしい笑顔を見せていた。
最後に皆を代表して、大森が「キャスト全員ここまで頑張って初日を迎えることが出来たので、最後まで全力で突っ走れたら」と意気込んで会見を締めていた。
ゲネプロの模様もレポートしよう。
撮影:引地信彦
撮影:引地信彦

【あらすじ】
池田、五十嵐、土井。
路上で警備員として働く3人は、職場はもちろん行きつけのスナック、趣味のパチンコまで常に一緒にいる。
3人そろって独身で貧乏。
目的も展望もない生活にウンザリしつつも、抜け出すほどのヤル気はなく、漠然とした不安の中で、ただ日々をやり過ごしていた。
ある日、池田に若くきれいな田畑と斎藤という二人の女が声をかけてくる。
彼女らの誘いを受け、 池田は街頭でのゴミ拾いボランティアに参加することに。
呆れるほど単調な日常の中に小さな変化が兆す。
田畑との出会いにほのかな夢を見る池田。
それは、男たちにとって幸か不幸か…。

撮影:引地信彦
撮影:引地信彦
会見で「最低な男」と自身の役どころを語っていた大森たちだったが、確かにどうしようもない男たちであり、またこういった人たちが日本の至るところに存在している現実を開始10分で自然に感じさせていた。その一方で誰に対しても笑顔を絶やさない田畑と斎藤からも何かが欠落しているような不安定さが匂っていた。この予感が果たして後半どう転ぶのか。是非劇場でご確認いただきたい。
舞台『神の子』は、2019年12月30日(月)まで本多劇場にて、その後、2020年1月7日(火)~1月26日(日)まで愛知・福岡・広島・大阪・長野・静岡にて上演される。
取材・文・会見撮影=こむらさき

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