徳井青空、初の生誕ライブは「CV:私
」のキャラソンフェス “声優として
の歌”を届けたい

 12月30日に大宮ソニックシティで行われる「Birthday LIVE “10&30”」は、徳井青空のデビュー10周年、30歳を迎えるダブルアニバーサリーライブ。「ラブライブ!」「探偵オペラ ミルキィホームズ」など、これまで徳井が演じてきた作品への思いをこめて、「CV:徳井青空」のキャラクターソングが一挙に披露される。意外にもアーティストデビューをしていない徳井は自身の持ち歌がなく、今はキャラクターに寄りそって歌うことが楽しいという。節目となるライブへの思いを聞いた。(取材・構成:五所光太郎/アニメハック編集部)
――2019年を振り返られて、いかがですか。ブログを拝見すると幅広く活動されていて、絵本を出されたり朗読劇をされたり、ハマカーン浜谷(健司)さんと漫才もされていました(https://lineblog.me/tokuisora/archives/1815846.html )。
徳井:漫才は昔からやってみたくて、芸人を目指していた時期もあったんです。今年漫才に挑戦できたことは大きな一歩で、また新たな夢がかなったなという気持ちがありました。声優としては、4月から「キラッとプリ☆チャン」で、黒川すずちゃんとして仲間入りをさせてもらいました。これまでは「バディファイト」シリーズなど男の子向けの番組を担当することが多かったので、女の子が見てワクワクする作品に携われたのはうれしかったです。
――お笑い芸人を目指していたこともあるんですね。差し支えなければ、どのように目指していたのか聞かせてください。
徳井:小学校のときに目指していたんです。相方をネットで探して、文通をしていました。当時はまだ文通の時代で、その子とはメル友のようにメールをしたり文通したりの仲でした。
――小学校の頃にですか。当時、どんなお笑い番組などを見ていたのでしょう。
徳井:小学校から中学校ぐらいだと「爆笑オンエアバトル」や「笑う犬の生活」が好きでした。「笑う犬」には「ALIVE」(※「笑う子犬の生活 ALIVE」)というネタ見せ番組もあって、そういうのも大好きでした。深夜のお笑い番組を見たり、お笑いライブに足を運んだりして、それで芸人になりたいなと強く思っていました。
――文通相手とはコンビを組むところまでいったのでしょうか。
徳井:私はいつ組むのかなあと思っていたんですけど、その子がある日送ってくれたプリクラが女の子ふたりで写っていて、そこに「相方です」と書いてあったんです。「相方を募集している掲示板なのに、相方いるんかい!」とショックを受けました(笑)。今思うと、お笑い友達だったのかもしれないです。
――もしそこで本格的に活動をはじめていたら、声優ではない別のルートがあったかもしれませんね。
徳井:そうですね(笑)。もしかしたら声優ではなく、お笑いの養成所に入っていた可能性もゼロではないと思います。実際、当時は声優さんのことはあまり分かっていなくて、芸人さんのことのほうが詳しかった気がします。とはいえアニメもずっと好きで、だんだんとお芝居に興味がでてきた頃に、宮村優子さんが出演するイベントを見にいったんです。そこで「私、声優を目指しているんです」と伝えたら、「頑張ってください」とおっしゃってくださったので、「これはもうやるしかないな」と思い、絶対に声優になろうと決めました。宮村さんとはその後、雑誌のインタビューなどでご一緒できて、当時のことをお伝えしたらすごく喜んでくださいました。
――アニメハックでは1年前、「探偵オペラ ミルキィホームズ」の年末特番の取材で、「ミルキィホームズ」の一員として徳井さんにもお話をうかがいました(https://anime.eiga.com/news/107707/ )。その後、1月には武道館でファイナルライブも行われましたが、心境の変化などありましたか。
徳井:今年の初めにファイナルライブをしたことは、かなり大きかったです。ミルキィホームズは、おばあちゃんになるまで永遠に活動していくものだと思っていたので、“ファイナル”としていったん大きな区切りがつけるまでには、気持ちの整理に時間がかかりました。でもやっぱり、ライブ当日はみんなで笑って泣いて、楽しく迎えることができてよかったです。このお仕事をはじめる全てのきっかけになったのがミルキィホームズだったので、ファイナルライブの記憶は昨日のことにもずっと昔のようにも感じるような不思議な感覚が今でもあります。
――年末に大宮ソニックシティで行うバースデーライブは、いつ頃から計画していたのでしょうか。
徳井:1年ぐらい前からです。2019年はデビュー10周年で、しかも30歳になる記念の年だという話をしはじめた頃からだったと思います。私自身は最初、ファンの方に言われて「ああ、10周年なんだ」と気づいたぐらいでした。大宮ソニックシティは、ミルキィホームズとして立ったことのある会場ですが、ここでひとりでやるんだという心細さを今感じています(笑)。
――デビュー10周年を迎えて、どんなことを感じられていますか。
徳井:この10年間は本当にあっという間で、おかげさまで充実した時間をすごせたと思っています。声優としても一人前といっていいぐらいにはなれたのかなと思いますし、人としてもちゃんと成長できた期間だったように感じています。
――バースデーライブのコンセプトは、どのように決めていったのでしょう。
徳井:30歳のお誕生日をお祝いしつつ、10年間応援してくださった皆さんに感謝の気持ちを伝えられたらと考えました。そのなかで私がこれまで歌ってきたキャラクターソングをたっぷりと歌うプランがでてきまして。というのも、私はアーティスト活動をソロでやっていないんですよね。
――これまで歌手活動をされていないのですね。ちょっと意外な気がします。
徳井:よく言われます(笑)。ミルキィホームズや「ラブライブ!」などのグループとして、ありがたいことにライブをしない年はないぐらいでしたが、実は自分の持ち歌がひとつもないんです。なのでソロでライブをしようと考えたとき、演者として歌う機会に恵まれたたくさんキャラクターソングを歌い、キャラクターを通して自分の“声優としての歌”を届けられたらなと思ったんです。
――キャラソンを歌うことで、徳井さんの声優としての歴史をたどれるわけですね。
徳井:たぶん9割ぐらいの方が、何かしらのキャラクターから私を知ってくれたと思います。たまに、「ファイヤーレオン」という実写ドラマにでている私(※もとみ役)を見てファンになりましたという方もいらっしゃるんですけれど(笑)。皆さんが出会って好きになってくれたキャラクターや作品を背負って、お祝いができたらなと思いました。
――絞るのは難しいと思いますが、ご自身が歌ったキャラクターソングのなかで、特に印象的なものを聞かせてください。
徳井:やっぱりミルキィホームズの「正解はひとつ!じゃない!!」(2010年)は、ほんとに大好きで鉄板の1曲です。今まで何百回と歌ってきましたし、ファイナルライブでもみんなで歌いました。すごく思い出深い曲で、今回のライブでも絶対に歌いたいです。この曲はミルキィホームズ4人の曲ですが、私とお客さんで一緒に歌う機会があってもいいんじゃないかなと思っています。
 あと、「ラブライブ!」の「にこぷり・女子道」(※「ラブライブ!」第1期ブルーレイ5巻特典「μ's オリジナルソングCD/13年)は、矢澤にこちゃんのかわいさが詰まっていてお気に入りです。にこちゃんの決めセリフの「にっこにっこにー」も入っている、ぴょんぴょんしたすごくかわいい曲で、彼女の世界が詰まっている1曲だなあと。この曲もぜひ歌いたいと思っています。
 キャラソンを歌わせていただくにあたって、各作品の製作委員会の皆様が快く「いいですよ」と言ってくださり、とてもありがたく思っています。
――たくさんの作品やキャラクターが勢ぞろいする内容になりそうですね。
徳井:「CV:私」縛りのアニソンフェスみたいな感じです(笑)。「ミルキィホームズ」「ラブライブ!」「ご注文はうさぎですか?」など、たくさんの作品のキャラクターが勢ぞろいする予定で、私にとっても夢のライブになりました。来た方にも絶対に楽しんでもらえると思います。

新着