【水樹奈々 インタビュー】
“CANNONBALL”は弾丸のように
駆け抜けてきた私自身を表す言葉
こつこつ積み重ねていけば、
スポットライトが当たる瞬間が必ず来る
水樹さんはこの他に「Knock U down」でも作詞されているのですが、これはオールディーズの曲調で、ファルセットが特徴的ですね。
新境地開拓になりました。コーラスもたくさん入っていて、コミカルに声色を変えてみたり。いろんな私の音色を感じてもらえると嬉しいです。
歌録りには時間が掛かりました?
メインはスムーズだったのですが、コーラスの量がとても多くて時間が掛かりました。上下ハモの他にメインの1オクターブ下で同じメロディーを歌っていたり、“Uh〜Ah〜”コーラスやクロスしているコーラスもあって、さらにそれをダブルで重ねているんです。コーラス隊になり切って歌いました(笑)。
水樹さんが共作で書いた歌詞は、英語がいっぱい入っていて。
実はワンコーラスがデモで届いた時に、仮歌詞に《Knock U down! Oh yeah!!》や《所詮、嫌なBad boyに捕まって》といったフレーズがあって、それがあまりに印象的だったので活かしつつ、そこからストーリーを広げていきました。ただ、私は英語が不得意なので、ネイティブで話せる友達に“これで合ってる? 大丈夫? おかしくない?”って何度も確認してもらいました(笑)。
そして、水樹さんが作詞作曲した「UPSETTER」。プロデューサーの三嶋章夫さんからお題が出されたそうですね。
私が過去に作曲した「SUPER GENERATION」(2006年1月発表のシングル)や「POP MASTER」(2011年4月発表のシングル)のようなメジャーコードで構成された応援ソングを作ってほしいと言われました。しかもライヴで盛り上がれて、ちょっぴり泣けるやつと。一番難しいお題だ!とアワアワでした(笑)。今の私だからこそ作れるものにしたいと、3週間唸って完成させました(笑)。
“UPSETTER”は“番狂わせ”という意味ですよね。
そうです。なぜこの言葉を選んだのかと言うと、制作期間がラグビーワールドカップと重なっていて(笑)。この曲が降りて来たのが、まさに南アフリカ戦の日で。強豪国を相手にまさか予選を突破するとは思っていなかった世論、でも自分たちを信じて戦い抜いた選手たち…それこそ“大番狂わせ”を実現した選手たちの凜々しい姿に胸が震えて、それをテーマにした歌詞にしたいと思ったんです。
にわかも含めて、日本中を熱くさせましたからね。
こつこつ積み重ねていけば、スポットライトが当たる瞬間が必ず来るし、それが人を笑顔にしたり感動させることにつながる。私自身もすごく勇気をもらいました。心が折れそうになった時、自分を奮い立たせたいと思った時、背中を押せる曲になったらいいなと思っています。
ちなみにアルバム制作で、何か番狂わせはありました?
最後の最後に曲数が増えたことですね(笑)。当初は15曲の予定だったんですけど、「Light Births Shadow」と「Higher Dimension」が追加されました。「Higher Dimension」はアルバムの序曲でもあり、来年の歌手デビュー20周年に向けてのセレブレーション的な要素を含んだ曲を作りたいという思いから生まれました。そして、「Light Births Shadow」は三嶋さんが“アイドル的な要素のあるキュートな曲を入れたい”と。2年前から温めていたこの曲を収録することになりました。
「Light Births Shadow」は作詞が松井五郎さんなんですよね。
ストレートなのに深い、素晴らしい歌詞です。歌詞のテーマは“初々しい恋心”。両想いになったはずなのに募っていく不安…好きになればなるほど芽生える苦悩や不安を歌詞にしてほしいとお願いしました。
今っぽいEDMと80年代アイドルソングが融合したような雰囲気で、松田聖子さんを彷彿しました。
三嶋さん曰く“おじさんホイホイ曲”です(笑)。アイドルのようなかわいい振り付けで、踊りながら歌いたいですね。
「ALL FOR LOVE」は温かく包み込むバラードで。
この曲は「METANOIA」制作中に出会った曲で、ピアノのイントロで心を鷲掴みにされました。特別なタイミングで発表したいと思い、半年温めていたものです。今作のリリースが12月に決まって、冬に似合うバラードを収録したいと思った時、この曲しかない!と全会一致でした。
情熱的でだし、《遠雷が響く雲は翳りゆく》という歌詞もあって、名曲「愛の賛歌」のようなスケールの大きさを感じました。
ただひとりの大切な人への真っ直ぐな気持ちを綴った歌詞ですが、地球全体が愛で包まれているような景色も見えてきます。いろいろな経験を経て大人になった女性がようやく運命の相手に出会えた時の気持ちが歌えたらと、作詞家の岩里祐穂さんにお願いしました。
ライヴのラストのほうで、この愛をファンに向けて歌われている絵が浮かびますね。
私もレコーディング中、そんなイメージが頭に浮かびました。次回のツアーのMCでもお話させていただきましたが、今回のツアーは初日が愛媛でファイナルが愛知ということで、まさに“愛”に始まり“愛”で終わるツアー。全力でこの曲を歌いたいです。
では、ツアー『NANA MIZUKI LIVE RUNNER 2020』はどんなものになりそうですか?
自身最長のツアーになるので、とにかく体力勝負です。地元で幕を開けるのが嬉しいし、ファイナルの愛知は私が初めてメインパーソナリティーの番組を持たせていただいた東海ラジオさんがある場所で、自分の第2の出発点地点なんです。その愛知で締め括り、さらに名古屋ドームというチャレンジをさせていただけるのが、本当に幸せです。20周年イヤーのツアーなので、スペシャルなものにしたいと、今から準備をしています。ぜひ楽しみにしていてください!
取材:榑林史章
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アルバム『CANNONBALL RUNNING』2019年12月11日発売
KING RECORDS
- 【初回限定盤(Blu-ray付)】
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『NANA MIZUKI LIVE RUNNER 2020』
3/28(土) 愛媛・愛媛県武道館
4/11(土) 栃木・宇都宮市文化会館 大ホール
4/12(日) 福島・けんしん郡山文化センター(郡山市民文化センター) 大ホール
4/26(日) 山梨・YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール) 大ホール
5/02(土) 福岡・福岡サンパレス
5/03(日) 福岡・福岡サンパレス
5/09(土) 石川・金沢歌劇座
5/10(日) 富山・オーバード・ホール(富山市芸術文化ホール)
5/16(土) 神奈川・ぴあアリーナMM
5/17(日) 神奈川・ぴあアリーナMM
5/30(土) 宮城・ゼビオアリーナ仙台
5/31(日) 宮城・ゼビオアリーナ仙台
6/21(日) 山形・山形県総合文化芸術館 大ホール
6/27(土) 広島・ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ 大ホール
7/11(土) 大阪・大阪城ホール
7/12(日) 大阪・大阪城ホール
8/16(日) 愛知・ナゴヤドーム
ミズキナナ:声優、歌手として高い人気を誇る。声優としてのデビュー作は1997年のプレイステーション用ゲーム『NOёL〜La neige〜』門倉千紗都役。歌手としては2000年12月にシングル「想い」でデビュー。09年6月に発売された7枚目のオリジナルアルバム『ULTIMATE DIAMOND』で声優として初のオリコンチャート1位を獲得し、11年12月と16年4月には東京ドーム2デイズライヴも大成功に収めた。水樹奈々 オフィシャルHP
「Knock U down」
MUSIC CLIP
アルバム『CANNONBALL RUNNING』
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