THE BEAT GARDEN 大きな飛躍を前に
たっぷりパワーをため込んだ2019年総
括、乗ってる4人の最新トーク

THE BEAT GARDENにとって2019年は、大きな飛躍を前にたっぷりとパワーをため込む1年になった。アルバム『Message』とシングル「ぬくもり」のヒット、そして全国ツアーと活発なイベント出演。特にライブの充実ぶりは目覚ましく、華やかな個性を振りまく3ボーカル+1DJというスタイル、J-POPとダンスミュージックの合間を絶妙に突くカラフルなパフォーマンスで、一気に知名度を上げた。そんな4人の次のターゲットは、クリスマス感満載のウィンターラブソング「Snow White Girl」のヒットと、1月26日に控えた東京・新木場STUDIO COASTでの大規模なワンマンライブの大成功。マジで飛躍の5秒前、乗ってる4人の最新トーク!
――今年もそろそろ終わりですよ。どうですか、THE BEAT GARDENの2019年は。
U:まず『move on!!!!』という、1年半ぶりのワンマンライブが2月にありましたね。それから『Message』ツアーで全国7か所を回って、リリースイベントもあって。
MASATO:そしてこの間の、名古屋のワンマンライブ『THE NEST』。
U:リリースでは、「ぬくもり」がドラマの主題歌になって、「スタートボタン」では初めて映画の挿入歌を書かせてもらって。振り返ると、いろいろありましたね。リリイベと制作が重なったのは初めてで、大変だったけど楽しかったです。忙しくなるのはもちろん嬉しいことだし、いろいろ勉強になった1年でした。
REI:ツアーやリリイベで、遠く離れている人たちのところに行って、「来てくれてありがとう」と言われたことがすごく嬉しかったです。今までなかなかできなかったことなので、進歩した年だったと思います。
U:MASATOは、自分のメロディが使われたことが大きいんじゃない?
MASATO:そうですね。『Message』に入っている「横顔」という曲が、自分の作曲の1作目なので。2019年は、けっこう曲を作りました。「横顔」、「スタートボタン」、そして今回も。それは僕にとって大きな変化でした。
U:MASATOの年ですよ。“MASATO 2019”。
MASATO:ありがとうございます。でも“MASATO 2020”もすでにいい曲ができてるので、お楽しみに。

――そのMASATOくんも作曲に関わった、新曲「Snow White Girl」。過去に何曲かあった、THE BEAT GARDENのウィンターソングの、これが一番新しい形。
U:「Konayuki」「そんな日々が続いていくこと」とか、ウィンターソングはあったんですけど、こういう明るい感じの曲は初めてです。映像や衣装のチームが変わったので、ミュージックビデオも新しい雰囲気になってるし、新たなTHE BEAT GARDENを見せられる曲だなと思ってます。
――MASATO&Uの共作というのは、どういうふうに?
U:最初は僕のメロディで完成したと思っていたんですけど、REIから「サビのメロディ、MASATOさんのデモで聴いたことある」って。それで共作にして、ブラッシュアップしていきました。
――それってつまり、無意識にメロディをいただいちゃったってこと?
U:そうです(笑)。すごく良い言い方をすると、それだけ頭に残るメロディだった。
MASATO:すごく良く言いましたね(笑)。
U:でも、それをちゃんとMASATOに言うところが、僕は偉いですね。MASATOは全然気づいてなかったんで(笑)。
MASATO:気づかなかったですね(笑)。
U:今回、リファレンス(参考)がしっかりあって、ブルーノ・マーズの「ジャスト・ザ・ウェイ・ユー・アー」を、THE BEAT GARDENでやろうと思ったんですよ。J-POPに寄って行きつつ、洋楽のエッセンスをもらいながらやっていく、THE BEAT GARDENらしい作り方ですね。最初はクリスマス感が薄くて、“シャンシャン”っていうグロッケンの音も入れてなくて、オシャレに音数少なくやってたんですけど、季節感もあるし、もっと素直にクリスマス感を出そうということで、こうなりました。パッと聴いた時に楽しくなってほしかったので、思っていたところに着地したと思います。
REI:アレンジは、同世代のレオさん(*注・表記確認)という方にお願いしたんですけど、デモの段階でイメージが固まっていたので、想像しやすかったです。僕らの場合、アレンジャーの方に曲を投げっぱなしにすることはなくて、ディスカッションする場を作って、一緒に形作っていきたいので、それができた1曲だと思います。いろいろ勉強になりました。
THE BEAT GARDEN/U 撮影=森 好弘
僕らはコーラスグループでもないし、ダンスも踊りそうで踊らない(笑)。でもそのスタイルが馴染んできて、今は迷いなく出せてると思います。
――ずっとエレクトリック・ダンス・ミュージックと言ってきて、でもこういう歌もののメロディアスな曲を聴くと、そこから、かなり自由になってきてる感じもしていて。
REI:そういう時代を経て、今があるという感じですね。
U:僕らはコーラスグループでもないし、ダンスも踊りそうで踊らない(笑)。けっこう不思議だなと自分たちでも思います。でもそのスタイルが馴染んできて、今は迷いなく“THE BEAT GARDENはこういうものです”ということを、そのまま出せてると思います。前は、ダンスのイベントだったらダンス寄りの曲を多めにしたり、逆に歌ものを多くすることもあったんですけど、今はそのままのTHE BEAT GARDENでどのライブにも挑めてるので、すごく心地いいですね。エレクトリック・ダンス・ミュージックも、J-POPも、いろいろ経たからだと思います。
SATORU:この曲、ピアノとギターを生で入れていて、生でしか出せない質感をすごく感じてます。トラックだけ聴いてもすごく気持ちいい。
U:曲の最後のパートは、ピアニストの方と同時レコーディングしたんですよ。アイコンタクトしながら、一発目に録ったテイクがそのまま使われていて、すごくライブ感のあるフレーズになったと思います。その人、REIのピアノの先生なんだよね?
REI:そうそう。僕は聞かされてなかったんですけど、ドキュメント映像も撮っていたので、僕をドッキリにハメる仕掛けもあったみたいで(笑)。
U:めっちゃ驚いてた。「なんでいるんですか!?」って(笑)。
THE BEAT GARDEN/REI 撮影=森 好弘
僕らのスタイル的にも、会場が広くなればなるほどパフォーマンスがしやすいですし、表現の幅も広がると思うので。新しいことにチャレンジしたいです。
――そのへんは初回限定盤のDVDをお楽しみに。そして歌詞ですよ。ファンタジーというテーマは最初からあった?
U:はい。メロディができて、“冬を楽しくあたたかく過ごしてほしい”という気持ちになったころから、すごくリアルすぎる歌詞も違うし、想像の世界をわかりやすく表現しようと思ったのがきっかけです。本屋さんの絵本コーナーに行って、「白雪姫」はいいなと思って、みんなにLINEして「白雪姫と言えば?」って聞いたら、MASATOが「黒雪姫」というワードを出してくれて、それ面白いかもと思って書いていきましたね。
MASATO:大喜利みたいな振られ方をしたので、「白雪姫」があるなら「黒雪姫」があってもいいな、みたいな、とっさのひらめきでした。そしたらUさんが“それだ!”って食いついてくれた。
U:助けてもらいました。
――タイトルは、「白雪姫」=「Snow White」から。
U:サビの頭の3音を英語で歌う時に、「Girl」を付け加えました。小悪魔な少女、というイメージで。
――ファンタジーでありつつ、けっこうリアルな日常を描いてるでしょう。バイト頑張って、小悪魔的な彼女をなんとか振り向かせようとする物語。
U:みんなにもあると思うんですけど。実体験も入ってます。“バイト掛け持ち”とか。……REIはしてないか。
REI:掛け持ちはしたことないです。
U:REIはコンビニのバイトを3日でやめてるんですよ。
――あらら。どうして。
REI:いや、人に応対する仕事が、自分に向いてないなと思って。
U:気づくのが遅いよ(笑)。漫喫なら良かったんじゃない? 裏側は忙しいけど。
――そのへんのリアルさも、感じ取ってもらえたら。
U:男の子に共感してもらえたら嬉しいです。カラオケで歌ってほしい。それと、この曲だけじゃなく、3曲とも“バイト”“シフト”“時給”とかいう言葉が出て来るから、“THE BEAT GARDENはよっぽどお金がないのか”ってSNSで書かれてましたね(笑)。
――あはは。言われてみれば。
U:本当に無意識だったんですけど、それも等身大だなと思ってます。言われてみれば、「ぬくもり」の時からお金がないんですよ。“夢も金もない”って歌っていて、“金がないのはいいけど、夢は持っててくれよ”って書かれたり(笑)。でも「ぬくもり」はドラマ『都立水商!~令和~』の主題歌だから、“いや、それはドラマに寄り添って……”とか、いちいちタイアップの説明をしなきゃいけない。この場を借りて言っておきますけど、THE BEAT GARDENには夢はあります! 金はどうかわからないですけど(笑)。
――面白いなあ。曲調は違うけど、意外にトータリティのあるシングル。
U:元々3曲のパッケージで考えていて、最初はクリスマスの3曲にしようと思ったんですけど、「Snow White Girl」ができて、その時点でほかの2曲もできてたので、メロディの統一感はあると思いますし、通して聴いて、もう一回1曲目に戻ってもらえるような3曲になったと思います。
THE BEAT GARDEN/MASATO 撮影=森 好弘
ステージで使うお立ち台を手作りしてたんですけど、ビールケースを近所の酒屋さんからお借りしてて。武道館に立ったら返しに行きます!
――2曲目「エピソード」はTHE BEAT GARDENの自伝でしょう。昔の思い出がたっぷり盛り込まれてる。
U:そうですね。この歌詞の内容って、今の僕らにはちょっと前の思い出なので、今から歌い続けるのが大事なのかなと思います。いつか武道館に立つ時も、この歌詞を素直に歌い続けられる4人でいられることが大切だと思ってます。
SATORU:これは、相当リアルですね。嫌な思い出も入ってるんですけど(笑)。二番の“図書館のガラスの前で”というのが、僕が3人と一緒に初めてリハーサルした場所なんですよ。夜9時くらいに集まって、朝5時くらいまで。2曲しかないのに、ずーっと練習してた。
U:曲もないし、DJの機材もない。自転車をDJ台の代わりにして、横に立ってるだけ。それを毎日やらせてました。
SATORU:しかも真冬ですよ。こんなあったかい歌詞ができるはずがないというエピソードです(笑)。“これいつまでやるの?”って、何回も思いましたね。
MASATO:路駐してた車を見張ってもらったり。
SATORU:やったね(笑)。切符切られないように。懐かしい。
U:いろんな思い出あるよね。まだ話してないこと、あったかな。
MASATO:これは書けるかどうかわからないですけど。僕らがステージで使うお立ち台があるんですけど、THE BEAT GARDENになる前から手作りして使ってたんですよ。ビール瓶を入れるケースを4つ繋げて、ホームセンターで買ってきたマキタのインパクトで穴を開けて、ベニヤ板を貼って。そのケースを近所の酒屋さんからお借りして。
――お借りした(笑)。
MASATO:お借りしました(笑)。だから、武道館に立ったら返しに行きます!
U:“中古で買った車”というのは、僕の親友の焼き団子屋の息子の、お父さんの同級生が軽バンを持っていて、8万円ぐらいで安く売ってくれた。アクセルベタ踏みで80キロしか出ないんですけど、それで大阪や名古屋に路上ライブしに行ってたんですよ。
SATORU:青いハイゼットね。
U:ブルーだからブルちゃんって呼んでた。「ブルちゃんで武道館まで行こうぜ!」と言ってたんですけど、半年で事務所が決まって、会社の人がエスティマを使わせてくれたので、ブルちゃんはすぐ売りました(笑)。でもMASATOは……。
MASATO:めっちゃ悲しかった! 「ブルちゃんで武道館行きましょうよ」「いや、エスティマのほうが楽だから」って、みんな薄情だなあって。どうにかしたくて、知り合いに頼んで、8万で買ったやつを……10万で売りました。
――おい! そのほうが薄情だ(笑)。
SATORU:めっちゃ悲しんでた奴が、高値で売ってますからね。ひどいですよ(笑)。
U:よくやった!って(笑)。でも感謝してますよ、ブルちゃんには。青のハイゼットを見かけるたびに、“ブルちゃんかな”って思います。
――この曲、話がふくらむなあ(笑)。カップリングなのにいっぱいしゃべっちゃった。
SATORU:“ピー”ばっかりですけどね(笑)。
U:「エ“ピー”ソード」ですね。
SATORU:またうまいこと言って。
――「エピソード2」作ろう。『スターウォーズ』ばりに。
U:これをドームで歌ったらヤバいです。その日を目指して頑張ります。
THE BEAT GARDEN/SATORU 撮影=森 好弘
1月26日、ギャフンと言わせます! 終わって、新木場駅まで歩いて行く時に、みんなが“ギャフン”と言ってる姿が浮かびます。
――そして3曲目「Everyday」。これも仕事してる人が主人公で、しんどくても夢をつかむために頑張ろうという応援歌。
SATORU:いい曲ですよね。
U:THE BEAT GARDENのファンのBeemerたちが、朝の1曲目にけっこう激しい曲を聴いてることを、SNSで知ったんですよ。“今日の始まりは『Don't think, feel.』でした”とか、そういう書き込みを目にして、ああいうゴリゴリな曲もいいけど、もっと気楽に聴ける曲があったらいいなと思って書いた曲です。Beemerには看護師さんが結構いたり、管理職についていたり、しっかりと仕事をしてる人が多くて、仕事の愚痴を言うのも、みんなに見えないDMとかで言ってくれたりする。そういう人たちのことを思って書きました。
SATORU:こんな速いテンポ、初めてじゃないですか?
U:速めだね。あと、この曲にはDJセクションがあって、リリイベでもすごく沸いてる。
SATORU:今までなかったことをやらせてもらってます。
U:スクラッチをしたり、今までは“後ろにいる人”だったのが、この曲のおかげでSATORUの存在も知ってもらえるし。THE BEAT GARDENのことを視覚でも聴覚でもわかってもらえる曲だと思います。
THE BEAT GARDEN 撮影=森 好弘
――そしてもうすぐ新年ですよ。2020年は、まずライブから。10月の名古屋でのワンマンライブ『THE NEST』に続いて、1月26日に東京・新木場STUDIO COASTで、ワンマンライブ『THE NEST 2020』。
U:2019年にワンマンライブをたくさんやらせてもらって、まだ規模は小さいですけど、僕たちにとっては大きな全国ツアーというものができて、10月の名古屋では、ずっとやりたいと思っていたダイアモンドホールという大きな場所でやることができました。曲もたくさん書かせてもらいましたし、今の自分たちの作る曲に自信が持てたからこそ、昔の曲も素直に愛することができるようになって、今の自分たちとして嘘なく歌えた2019年だったので。2020年はTHE BEAT GARDENをもっとたくさんの人に知ってもらえる1年になると思いますし、“私はTHE BEAT GARDENの初めての新木場STUDIO COASTに行ったんだ”って、あとで自慢してもらえるような1日に、必ずしますので。ぜひ来てほしいと思います。
REI:僕らのスタイル的にも、会場が広くなればなるほどパフォーマンスがしやすいですし、表現の幅も広がると思うので。新しいことにチャレンジしたいですし、THE BEAT GARDENのライブとして、新たな一面を見せることができたらいいなと思います。
MASATO:今回、新木場STUDIO COASTでやることしたのも、『Message』ツアーや、名古屋ダイアモンドホールもソールドアウトにさせてもらって、来れなかったBeemerのみなさんもたくさんいますし、最近出会った方もたくさんいると思うので。みんなに見てもらえる場所になればいいなと思って、キャパの大きい場所でやらせてもらうことにしました。あまり曲を知らなくても、来てくれたら絶対楽しめる時間にすることを約束するので、ぜひ来てください。と書いておいてください。
SATORU:3人が言ってくれたことを総括すると、この1月26日、ギャフンと言わせます!
U:ギャフンとね。
SATORU:終わって、新木場駅まで歩いて行く時に、みんなが“ギャフン”と言ってる姿が浮かびます。ぜひ来てほしいです。
取材・文=宮本英夫 撮影=森 好弘

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