D-51 沖縄の路上で産まれたストリートミュージックが、洗練されたスウィートソウルミュージックに脱皮した夜

D-51 沖縄の路上で産まれたストリートミュージックが、洗練されたスウィートソウルミュージックに脱皮した夜

D-51 沖縄の路上で産まれたストリー
トミュージックが、洗練されたスウィ
ートソウルミュージックに脱皮した夜

15周年ツアーの最終公演が沖縄で

11月の横浜からスタートし、全国6都市を回るD-51のデビュー15周年ツアー「僕たちの歌を聴いてください」の最終公演が沖縄の宜野湾ヒューマンステージで行われた。
沖縄以外の公演はアコースティックセットでじっくり歌を聴かせる構成だったが、ファイナル公演はバンドセットでグルーヴ重視のステージ。ドラム、ベース、ギター、キーボードにトランペット、サックス、トロンボーンのホーンセクションとコーラスが加わった豪華編成だ。
都心から離れた街道沿いに立つライブハウス ヒューマンステージはエントランス脇の屋台の幻の焼き鳥屋も有名。200名キャパのフロアは、古くからの地元のファンはもとより全国から駆けつけたファンですし詰め状態になった。
「DANCE AROUND」よりスタート
ライブは、2007年の「DANCE AROUND」よりスタートし、うねるグルーヴを保ちながら2010年発表の「GOLDEN TIME」へと続く。
2003年より、沖縄県北谷町でストリートライブをスタート。ひとり、またひとりといつしか多くの人が彼らの歌声に足を止めて耳を傾け噂が拡まっていった。
2004年にメジャーデビューし、翌年発売のシングル「NO MORE CRY」がTVドラマ「ごくせん」の主題歌に抜擢され大ヒットを記録。一躍スターダムにのし上がった。
ストリートから生まれたヒップホップ世代のボーカルデュオと捉えられることの多い2人。ツアーの他公演とはセットリストも変えて望んだ地元沖縄公演は、バンドの生み出す見事なグルーヴに乗って、時に力強く時に優しい2人の声が優雅に駆け回る。
まるでニューヨークのマンハッタンのクラブで観るソウルボーカルグループのようなしなやかさだ。
イクマあきらが登場
中盤、ゲストとしてイクマあきらをステージに迎えた。
イクマはファンクバンドe-zee bandのメンバーとして1991年にデビュー。D-51のデビュー当時からサウンドプロデューサーでもある。高校野球の応援歌として歌われている「ダイナミック琉球」の作者、歌手としても有名である。
イクマのファンキーなギターカッティングが印象的な「シェイクアップマイハート」を披露。続いてD-51としての初めてのオリジナル曲「LET's TRY」もイクマと一緒に披露した。
子供抱く母親客の眼に涙
「今日、家族で会場に来ている人達に捧げます。家族で来てない人も自分の両親のことを想いながら聴いてください」と、NHKみんなのうたで2019年流れた「忘れないよ」を披露。子供を抱きながら観ていた母親客の眼にたまった涙が印象的だった。
D-51 「忘れないよ(Tropical Beach Ver.)」のハートウォーミングなMVが公開!
https://utaten.com/news/index/17979
ファンの間でも人気曲のミディアムバラード「ハイビスカス」をアップテンポのスカバージョンで歌い盛り上げ、本編終盤、大ヒット曲「NO MORE CRY」そして「BRAND NEW WORLD」での会場とステージの大合唱で熱気は最高潮に。
アンコールは、「売れてる時に近づいてきて、売れなくなると踵を返していなくなる人も多くてショックを受けたりもしたんですが、どんな時も僕らを愛してくれてる人達に捧げます」と2017年の名曲「Treasure」をギターだけの伴奏で歌い、全17曲の幕を閉じた。
実力を見せつけたライブに
終演後、火照ったまま宜野湾の街道に出てきた観客達の顔に浮かんでいる笑顔が、少し寒くなった沖縄の夜を暖めていた。
15周年という区切りをきっかけにして、その楽曲のクオリティの高さと力強くも美しいハーモニーに定評があるD-51の再評価が高まる中、その実力を見せつけたライブとなった。
16年目以降も、沖縄だけでなく全国にこのスウィートソウルを届け続けて欲しいものだ。
文: 星野広繁
写真:嘉陽田 朝彦
▲D-51「忘れないよTropical Beach Ver.」

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