鈴木拡樹&三浦宏規「シーモアはどこ
か自分に似ている」 ミュージカル『
リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』
会見レポート

2020年3月より行われる、ミュージカル『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』の合同取材が、都内のホテルにて行われた。
本公演は、1960年にハリウッドで公開された同名映画「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」を、名作ミュージカル映画「リトルマーメイド」「美女と野獣」などの作品を手掛けたことで知られる作詞家ハワード・アシュマン、作曲アラン・メンケンがミュージカル化。日本では、1984年にミュージカルが初公演され、幾度となく再演されている。
ストーリーは、さえない青年シーモアが拾った謎の花“オードリーII”を中心とした「かなりポップな音楽とちょっとブラックな物語」だ。
今回は満を持して、シアタークリエに登場。今回の合同取材では、主人公シーモア役でW主演かつ初競演が決まった鈴木拡樹・三浦宏規の両名が参加した。多くの取材陣もかけつけ、注目度の高さがうかがえた。
まず、冒頭に主演ふたりから挨拶があった。
鈴木拡樹
三浦宏規
鈴木:本日はお足元の悪い中、お集まりいただきましてありがとうございます。シーモア役のWヒロキの鈴木の方です、よろしくお願いいたします。「楽しく」をテーマにやって行きたいと思っておりますので、本日も本番同様楽しい時間で、みなさまに注目のポイントなどをお伝えできればと思います。
三浦:本日はありがとうございます、『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』でシーモア役をやらせていただきます。三浦の方のヒロキです。えーと……そうですね、なんだか想像していた取材の感じと違いまして(笑)、少々緊張しておりますが、本日はよろしくお願いいたします。
鈴木:すごい緊張感ですね、久しぶりに本番くらい緊張しています。複雑な緊張感がありますね。
三浦:はい(笑)
続き、取材陣からの質疑応答。
ーー初演以来、日本でもかなり再演が重ねられている作品ですが、これだけ長く上演され、愛される作品の魅力は何だと思われますか?
鈴木:この作品、お話しをいただいてからはじめて知ったんですけども、そこから、色々調べてみると、魅力って何だろうってすごく僕も考えたんです。すごく怖い作品なのかなぁってタイトルから感じるんですが、見てみるといい意味で裏切られるんですよね。そういうところも魅力なんじゃないかなぁと感じています。
あとは、自分が演じるキャラクターで恐縮なのですが、シーモアの純粋さとか、そういう部分が見ていてもとても心地がいいなぁと感じていたので、きっとそういう人柄も魅力のひとつではないかなぁと思いました。
三浦:僕は『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』を初めて見た時に、結構耳に残る曲があって、気付いたら口ずさんでいるような、楽曲が素晴らしいなぁと感じました。そして、登場するキャラクターの個性もあまりにも強いじゃないですか、そこは見ていてとても面白いし、なんだろう……オリン(ヒロインの恋人)もすごい人で……(取材陣笑う)すごい人じゃないですか(笑)、個性が際立っていて、見ていて飽きないということがあるのかなと思いました。
鈴木:オリンの登場シーンで笑ってしまったことを思い出しました(笑)。すごいインパクトですよね。
鈴木拡樹
ーーおふたりは今まで2.5次元の舞台で、例えば自転車に乗られたりとか、ラケットや刀を使ったり、華やかな役どころが多かったかと思います。今回のシーモアは自分に自信がなく冴えない青年役ということですが。
鈴木:自転車に乗っていた方のヒロキなんですけども、シーモアの役って気持ち楽ですね(笑)格好良くしなくてはいけないという壁がないですし、シーモアは噛みしめて味わえるようなキャラクターだと思うので、ゆっくり楽しんでいただけるように演じたいです。
三浦:そうですね、ラケットを振っていた方です。僕ははじめての役どころなんですよ、頼りない・情けない・メガネって僕はやったことのない役で、いつもはキメキメな俺様が多いとか、物忘れが何故か激しいとか……両極端なんですけど(笑)。ただ、シーモアの方が僕自身に近いんですよ、情けなくて、勇気もなくて……(笑)はじめての役どころなので、新しい自分を見つけられるようにしたいと考えています。
ーー鈴木さんもシーモアに近いところがあるとおっしゃっていましたが。
鈴木:近いところはあると思いますねぇ。結構シーモアって周りに振り回されたりするじゃないですか、僕も周りの意見に左右されやすいので。オードリーIIにそそのかされたら同じ結末を迎えるかもしれないなぁと容易に想像できますね……。
ーー鈴木さんにお伺いさせていただきます。今回本格的なミュージカルへ初挑戦・初主演となりますが、お気持ちをお聞かせいただけますでしょうか?
鈴木:はじめて挑戦することには不安も心配もありますが、決まった時には事務所の人間もそうですし、制作して下さっているみなさまから「全力でサポートします」とおっしゃっていただきました。その中で挑戦させていただけるのなら、僕も精一杯頑張りますとお話を受けました。「やるぞ!」という気持ちです。意志としては戦う気持ちでいるんですけれども、「楽しい」をテーマにしたいと思っていますので、本番に向けては「楽しい」という気持ちだけで舞台に立てるように頑張ります。
ーー三浦さんにお伺いさせていただきます。『レ・ミゼラブル』の印象が強いのですが、今回シアタークリエで初出演を務められるということで、お気持ちをお聞かせください。
三浦:シアタークリエに立つのははじめてですが、よく観劇させていただいている劇場です。まさか自分がそこで主演という形で立てるとは考えていませんでしたが、嬉しいことです。主演ということでプレッシャーがありますが、鈴木さんの背中を見て、がんばっていきたいという気持ちがあります。
三浦宏規
鈴木:今回僕が(背中を)見てることが多いと思いますけど(笑)
ーーおふたりともシーモアを演じたことのある方との共演経験があるかと思います。今回、何かお話されましたか?
鈴木:発表された直後に山本耕史(2005年青山劇場版シーモア)さんから、「出るんだって?」と言ってくださって嬉しかったです。普段はあまりこういう風に考えることはないのですが、山本さんに「全力でやり切りました」と胸を張れるようにやろうと考えました。そういう風に感じるというのも、はじめての作品です。
三浦:相葉裕樹(2012年本多劇場版シーモア)さんとは普段から仲良くさせていただいていて、この情報解禁の時は丁度『レ・ミゼラブル』で全国を回っていた頃でした。なんだか、「へ~ヒロキ出るんだぁ(声真似をして)」と嬉しそうに、すっごいニヤニヤしながら言ってくれて(笑)、僕も「どんな舞台でしたか?」と色々質問させていただいたんですけど、「ここはこうだった」「ここはこうで、ここが大変かな~?」と細かく教えてくれてありがたかったですし、なんだかニヤニヤしながら言ってくれたので、がんばらなきゃなぁと感じました。
ーー今回の共演されるメンバーのみなさまの印象や、シーモア以外で気になっているキャラクターがいれば教えてください。
三浦:僕、ほとんどみんなはじめましてなんですね。僕が勝手に知っているだけで、全然お会いもしてないんです。ビジュアル撮影の時に、何人かとご挨拶させていただいただけで。色んな作品に参加されてきた方がたくさんいるので、その中で恥じないように覚悟を持って、真ん中に立たないとなって身が引き締まる思いでした。
鈴木:僕も同じくはじめましての方ばかりなので、想像するだけでも楽しいお兄様だったりとか、女性陣も明るい方なのかなっていう印象なので、今から楽しみです。
あと、気になっているキャラクターはみなさんもそうかと思いますが、オードリーIIがどうなるのか、どう表現もされるのかっていうのが楽しみです。デーモン閣下が担当されるということで、どんな悪魔が飛び出してくるのかな(笑)ってすごく楽しみです。
三浦宏規
三浦:どうでしょうね~? オードリーIIがどうなるかって想像つかないじゃないですか。どうやって食べられちゃうんだろうなぁ? どうなっちゃうのかなぁと気になっています。
ーーアラン・メンケンさんの作中の楽曲の印象や、お気に入りの楽曲を教えてください。
鈴木:ディズニー映画で一度は絶対に聞いた事があるだろうなぁっていうふたりなので、この作品の曲って一度聞くと離れないんですね。全部微々たる差なんですよ、名曲ぞろいで。その中でも一番っていうと……「グロー・フォー・ミー」っていうオードリーIIがどうやったら大きく成長してくれるかなぁって考えていると、自然と歌になるというナンバーなんですが、シーモアの苦悩も含め楽しんでいただける曲かなと思っています。
三浦:どの曲もすごく素敵なんですが、その世界の中で歌えることが幸せです。オードリーIIと掛け合う「サパータイム」が好きで、植物と人間の掛け合いという珍しい曲で、最後のハモリも素敵で、僕は大好きです。
鈴木:閣下とのデュエットは、もうぶつかって行くしかないと思いますし、見所になるかなって感じています。
ーー鈴木さんにお伺いします。先行して歌稽古されているそうですが、いかがですか?
鈴木:手ごたえと言う意味では、意識の上の話になるんですが、歌うということがとても楽しくなってきています。このまま稽古に入るにあたり、自分でイメージしていた一番いい状態に持っていけたかなと感じています。「楽しんで」いる気持ちのまま、稽古で共演者の方たちから吸収させていただけたらなと思います。
(左から)鈴木拡樹、三浦宏規
ーーポスターのビジュアル撮影はいかがでしたか?
鈴木:まず衣装を着て、立ち位置について「はい、今からオードリーIIが服を引っ張るんで引っ張られて下さい」という指示を受けました。突然のことだったので、はじめは動揺したんですけど(笑)、そうですね、カットもたくさん撮りました。その中の1枚ですね。
三浦:シーモアはベストの丈が短いんですよね(笑)、こういう衣装ってあんまりないじゃないですか、だから「あ~、丈が短~~い」ってまず思っていました。撮影は苦戦して、自分では情けなくしているつもりだったんですが、「あんまり情けなくないんだよね~」と言われてしまって。たくさん撮った中での1枚ですね……。
鈴木:じゃあ、完璧なベストショットだ!
三浦:なのかもしれません(笑)
ーー8年ぶりの再演となる今回は上田一豪さんを演出に、そしてWヒロキのおふたりで作る新しい『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』になるかと思います。過去の作品にここは負けない! というポイントがあればお願いします。
三浦:ここだけは負けないか……なんでしょうかぁ……。でも演出もきっと全然変わってくると思うんですよね……。僕は普段だらしないのが取り柄……取り柄じゃないですけど(笑)、シーモアみたいに情けないタイプなので……あっ! 昔から「おっちょこちょいだ」ってよく言われてきたんですよ! だから、花瓶を割るシーンとかうまくできると思います、おっちょこちょいを生かして!(笑)
鈴木:テーマは「楽しい」ですので、僕は全力で「楽しい」に満ち溢れた劇場にしたいと考えています。その目標の先になるんですけど、観劇のあとって、みなさんまだお時間あるじゃないですか。その観劇し終わった後に、どんな時間を過ごしていただけるのかってことを重視してやって行きたいと考えています。僕の中でミュージカルはそういう贅沢な時間を過ごせるものだと思っているので、今回参加できるにあたって、そういうお時間を届けられるような舞台にしたいと考えています。
ーーWヒロキがこうして揃われるのは初のことだとお伺いしております。実際に会ってみてどうでしょうか?
鈴木:三浦くんはミュージカルのステージを踏んでいるということで、先輩・後輩、年齢関係なく、自分が疑問に思ったことは、三浦くんに聞こうと思っていました。たくさん質問すると思いますし、質問されるような先輩でいたいなと思います(笑)
三浦:今の言葉を受けてなんですが、僕、直接は面識がなかったんですけど、周りにはとても共演経験がある方が多くて、その方たちからは「本当に仏だよ」って(会場笑い)、「どんな方ですか?」って聞いても「仏だよ」、聞かなくても「仏だよ」って言われるし、今の言葉を聞いていても「あ、仏なんだな」って思いました(笑)
ーーそれでは最後に、しめの御挨拶をお願いいたします。
三浦:本番はまだ先ですが、はじめてシアタークリエに立てる、W主演をやらせてもらうということで、素敵な作品に携われるので覚悟を決めて頑張ります。とにかく「楽しく」みなさんに届けられますように頑張ります。
鈴木:たくさんのファンがいる作品で、実際に見て、どう感じていただいたのかということを大事にしていきたいと思います。ミュージカルは僕自身も初挑戦です。ミュージカルに興味はあるけど一歩を踏み出せなかったという方と、僕は恐らく近い立場にいます。だからこそ、届く言葉があると思っています。『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』をまだ観てないという方にも、「とても面白い作品だよ」と伝えられるように頑張ります。劇場でお待ちしております。
(左から)鈴木拡樹、三浦宏規
本公演は、2020年3月13日(金)から4月1日(水)まで東京・シアタークリエでの上演を皮切りに、山形、愛知、静岡、大阪を巡演する。
取材・文=森 きいこ 撮影=荒川 潤

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