オーガニックでカルチュアル…世界で
も話題の「WONDER FRUITS」とは?

タイのビーチリゾート・パタヤ近郊の広大な敷地で開催されている音楽、アート、自然、ライフスタイルがテーマのオーガニックなフェス「WONDER FRUITS」。世界中でフェスが乱立するなか、他にはない空間と雰囲気で注目を集めている。

エコでクール、さらにはハイプでカルチ
ュアル

会場内はとにかくハッピーでオンリーワン。その世界観は東洋の「Burning Man」と言われるほど。様々なコンテンツが展開され、音楽面も開催地タイのアーティストに加え、世界の一線級も続々登場。それこそ過去にはテクノ界の雄Richie Hawtin(リッチー・ホウティン)やドラムンベース界の王Goldie(ゴールディ)などカッティングエッジなアーティストが多々出演。
そして、そんな「WONDER FRUITS」には、「Rainbow Disco Club」やJazy Sportsをはじめ、様々な日本人アーティストが出演予定。そこで今回はアジアを飛び越え、世界でも話題のこの「WONDER FRUITS」について、主催者のPeteと一昨年に続き、今年も出演するNaoki Serizawaに聞いてみた。既存のフェスとは違うバイブス満点の「WONDER FRUITS」、今年の開催は12月12日〜16日。まだまだ間に合うだけに、世界が注目する「WONDER FRUITS」にぜひ!
―まずは「WONDER FRUITS」を始めたきっかけを教えてもらえますか?
Pete:6年前に始めたんだけど、僕らは目の前にある環境危機について何か行動を起こしたかった。面白いコンテンツでこの問題に注目を集めたくてね。そこから『WONDER FRUITS』のスピリッツはスタートしたんだ

―立ち上げの際に影響を受けたものがあれば教えてください。
Pete:僕は1990年代のアンダーグラウンドなレイブカルチャーで育ったから、その影響は大きいね。そこでサブカルチャーの力強さを知ったよ。でも、パーティーだけじゃなく、文化や旅、そして自然の影響もある

―最初はどんなフェスにしようと思っていました?
Pete:当時は小さなフェスで良いと思っていたんだけど……盛り上がりすぎちゃったんだよね(笑)
―Naokiさんに伺います。もともとWONDER FRUITSは知っていたんですか?
Naoki Serizawa:タイに『Burning Man』のような素晴らしいフェスがあるということは聞いてました。会場内にアートが点在していて、いろいろな場所にステージがあって……1つの村みたいになっているって

Pete:『WONDER FRUITS』はギミックになってはいけない、コンテンツを作るにあたってもそれを大切にしてる。常にエートス(精神・原点)に従う必要がある、それがコンセプトだね

―Naokiさんが出演することになったきっかけは?
Naoki Serizawa:NYのアーティストコレクティブCREW LOVEのレーベルオーナーのWOLF+LAMBのZEVからアジアのフェスでレーベルショーケースがあるからジョインしないかって誘われて。それが『WONDER FRUITS』でした

―実際に参加してみてどうでした?
Naoki Serizawa:ゴルフ場が会場なんですけど、芝生が広がる広大な敷地には大きなアートやモニュメントがたくさんあって、まるでオープンエアのミュージアムのようでした。それが『Burning Man』のようと言われる理由なんでしょうが、それだけなく、会場内には大小9個ぐらいのステージがあって、その全てのキャラクターが違う。モニュメントを手掛けたクリエイターは世界中の人が参加しているようだけど、どういうふうに選んでるの?

Pete:何人かは知り合いなんだけど、彼らには本当に感謝と尊敬の念を抱いてる。選ぶ基準としては、彼らの作品と僕らの精神がお互いにどう合わさり、インパクトを生むかだね
―たくさんのステージがあるそうですが、どんなものがあるんですか?
Naoki Serizawa:お気に入りはSolar Stageなんですけど、あの舞台は『Burning Man』でもステージを手掛けているGregg Fleishmanによるものなんだよね?

Pete:そう、いかにもGreggらしい、クレバーでユニークな作品だよね。まさに僕らが考えるステージを体現していると思ってる。建築技術、遊び心、社会性、共存……それら全ての可能性を現していて僕も大好きだよ

Naoki Serizawa:あとは全体的に木や藁など自然の素材を使っているけど、あれはやっぱり地球環境に配慮してのこと?

Pete:『WONDER FRUITS』は全て環境に配慮してる。素材は再利用した合板を使っていて、モジュール式になっているからいろいろ組み合わせることができるんだ
―その他にも特徴的なステージはありますか?
Naoki Serizawa:特徴的と言えば、古いバスをギャラリーに改造したMolam Busというのがあって、そこではラオスの伝統音楽モーラムの歴史を振り返ることができたり……

Pete:タイの伝統音楽でもあるモーラムは、かつてプロパガンダ音楽としても使われていたんだけど、それをそのまま流し、展示してる。それが人々にとってどんなものであるかを伝えたかったんだ

―Naokiさんは今年も出演されるんですよね?
Naoki Serizawa:そうですね。今回はHAMLET STAGEでプレイするんですが……そこはどんなステージ?

Pete:HAMLET STAGEは今回からOmeletteというステージに生まれ変わるんだけど、とにかく楽しいよ。昼夜を問わず予想外のバイブスが漂ってる
―今年はどんなアーティストが出演するんですか?
Naoki Serizawa:僕が楽しみにしているのは、Acid Pauli(アシッド・パウリ)、Floating Points(フローティング・ポインツ)、Four Tet(フォー・テット)、Antal(アンタル)、Nick The Record(ニック・ザ・レコード)ですね

Pete:その他にもたくさんいますが、僕がオススメしたいのはErased Tapes(イレイズド・テープス)とともに行なうMusicityのコンサートだね。あとはCraig Richards(クレイグ・リチャーズ)もいつもフレッシュで面白いし、地元のアーティストも素晴らしいよ! 日本の方には、ぜひまだ見たことのないアーティストを見てほしい。『WONDER FRUITS』は誰もが冒険し、楽しめるプログラムがたくさんあるので楽しんでほしいな

―Naokiさんの他にも様々な日本人が出演されているんですよね?
Pete:そうですね。いろいろいますけど、例えばMIDORI HIRANOさん。彼女はMusicityの一員でもあって、サウンドスケープコンポジションが美しいアーティストだよ
―フェスと言えば、食も楽しみの1つ。それはWONDER FRUITSも同じ?
Pete:もちろん。食は人間、社会について考える上でも大事だからね。僕らが何を食べるか、そしてどこからそれを得て、生産するか。さらには、それが地球環境、社会、文化にどのような影響を与えるのか……僕らはそれを考える必要があると思ってる

Naoki Serizawa:素晴らしい精神だよね。あのピースでフリーダムな空気感はそういった思想からきているんだろうね……。食に関しては日替わりでアジアを代表するトップシェフがコース料理を提供する“Theater of Feasts”というのもあって、個人的にはこれがすごく気になるんだけど……

Pete:Theater of Feastsは200席、今年は4つのメニューを用意してる。シェフもみんな僕らの精神を共有しているよ

Naoki Serizawa:あとは“Thailand Young Farmars”。薬用酒ヤードンや昆虫のスナックだったり、タイならではの珍味が楽しめるんだけど、ちなみにオススメは何かある?

Pete:全部だよ。お酒も興味深いものがたくさんあるからぜひ試してほしいね
―音楽、食以外のコンテンツはどうでしょう?
Naoki Serizawa:ヨガやいろいろなワークショップ、それこそ普通の音楽フェスでは体験できないものがたくさんありましたね

Pete:『WONDER FRUITS』では、僕らが“ワンダーネス”と呼ぶウエルネス(健康)への取り組みを行なってる。これは内面への旅でもあって、すごく刺激的なものになると思うよ

Naoki Serizawa:健康や精神にフォーカスする一方で、便利なキャッシュレスシステムを導入していたりするけど、『WONDER FRUITS』は最終的には何を目指してるの?

Pete:シンプルに言えば、創造性をコレクティブな形でインパクトを与え、それを活用すること。そして、その楽しさと感動をみんなに伝えることかな
―最後にPeteさんが考える、WONDER FRUITSの楽しみ方を教えてもらえますか?
Pete:今回は特に、ほぼ全てが新しいことだらけでとても興奮してる。僕らの精神を体験してもらえるようにいろいろな工夫を凝らし、その結果生まれるエンターテインメントの先にあるようなものをぜひその目で感じ、体験してほしい。一緒に『WONDER FRUITS』という街を冒険しよう!
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