【大会直前見どころコラム】『ザ・デ
ストロイヤー メモリアル・ナイト』
が11月15日、東京・大田区総合体育館
で開催 デストロイヤーゆかりのレス
ラーから新世代まで、オールスターが
大集結!

日本でプロレスが始まって以来、もっとも有名な外国人レスラーの筆頭が“白覆面の魔王”と呼ばれたザ・デストロイヤーだ。プロレスはもちろん、テレビのバラエティー番組でも活躍し、全国区の人気を得た国民的レスラー。そのデストロイヤーが今年3月7日、享年88歳で永眠した。そしてその偉業を称える興行が11月15日、東京・大田区総合体育館で大々的に開催される。
デストロイヤーは1963年5月、日本プロレスに初来日。WWA世界ヘビー級王座を懸け、日本プロレス界の祖・力道山の挑戦を受けた。初対戦の試合は壮絶を極め、デストロイヤーに足4の字固めを決められた力道山がギブアップせずにこらえ執念のドロー。テレビの視聴率が64%という驚異的な数字を記録した。12月の再戦は、ところも同じ東京体育館でおこなわれ、こんどは力道山が保持するインターナショナル王座を懸けての3本勝負。こちらは2-1のスコアで力道山が防衛に成功。その13日後、力道山が死去したため両者の対戦はこの2回、ということになってしまった。
その後、デストロイヤーはジャイアント馬場、アントニオ猪木とも対戦。72年に全日本プロレスが旗揚げされると、日本陣営側で闘うようになった。また、日本テレビの人気バラエティー番組「金曜10時! うわさのチャンネル!!」にレギュラー出演。覆面レスラーがボケるというギャップが大受けし、一般家庭へのプロレス人気の波及という効果をもたらした。
バラエティーではコメディアンに徹しながらも、リングではヘビー級のマスクマンというプロレスならではのスタイルを浸透させ、また、足4の字固めによってプロレス技の威力を全国、あらゆる世代に認知させた功績はあまりにも大きい。力道山との闘いから、足4の字固めはプロレス必殺技の代表格となった。子どもがマネをしてプロレスの痛みを知る。反転されれば反対にかけていた方が痛みを味わわされる。そこから駆け引きの妙も知る仕組みだ。プロレスの楽しみ方や理解を深めたのがマスク姿であり、デストロイヤーの必殺技だったのだ。
93年7月29日の全日本・日本武道館で現役を引退(G・馬場&デストロイヤー&カート・ベイヤー〈息子〉組vs永源遥&渕正信&井上雅央組)するも、デストロイヤーとして公の場に現われる際にはマスクを着用。デストロイヤーはデストロイヤーでありつづけた。さらに、日米親善、青少年交流といったリング外での活動も評価され、政府より旭日双光章を受章している。
そんなデストロイヤーを偲ぶ追悼興行には和田京平大会プロデューサー(全日本プロレス顧問レフェリー)、木原文人大会プロデューサー(全日本プロレスリングアナウンサー)のもと、日本の主要団体から新旧、多くのレスラーが協力し参戦。くしくもオールスター戦の様相を呈するような、豪華カードが出そろった。
『ザ・デストロイヤー メモリアル・ナイト~白覆面の魔王よ永遠に~』
★11月15日(金)東京・大田区総合体育館(18:00)
▼第8試合 6人タッグマッチ60分1本勝負
武藤敬司(WRESTLE-1)&宮原健斗(全日本プロレス)&獣神サンダー・ライガー(新日本プロレス)組vsSANADA(新日本プロレス L・I・J)&KAI(フリー)&BUSHI(新日本プロレス L・I・J)組
▼第7試合 タッグマッチ60分1本勝負
諏訪魔(全日本プロレス Evolution)&近藤修司(WRESTLE-1)組vs鈴木みのる(パンクラスMISSION)&太陽ケア(フリー)組
▼第6試合 8人タッグマッチ30分1本勝負
岡林裕二(大日本プロレス)&入江茂弘(フリー)&ジョー・ドーリング(全日本プロレス)&鈴木秀樹(フリー)組vs宮本和志(超硬派武闘集団和志組)&崔領二(ランズエンドプロレスリング)&ゼウス(全日本プロレス)&ザ・ボディガー(フリー)組
▼第5試合 タッグマッチ30分1本勝負
青柳優馬(全日本プロレス)&青柳亮生(全日本プロレス)組vsタイチ(新日本プロレス 鈴木軍)&金丸義信(新日本プロレス 鈴木軍)組
▼第4試合 8人タッグマッチ30分1本勝負
TAJIRI(フリー)&望月成晃(DRAGON GATE)&黒潮“イケメン”二郎(フリー)&野村卓矢(大日本プロレス)組vs佐々木大輔(DDT DAMNATION)&石川修司(全日本プロレス DAMNATION)&高尾蒼馬(DDT DAMNATION)&遠藤哲哉(DDT DAMNATION)組
▼第3試合 8人タッグマッチ30分1本勝負
渕正信(全日本プロレス)&ジェイク・リー(全日本プロレス Sweeper)&野村直矢(全日本プロレス)&岩本煌史(全日本プロレス Sweeper)組vs藤原喜明(藤原組)&船木誠勝(フリー)&長井満也(ドラディション)&田中稔(フリー)組
※第3試合後に「ザ・デストロイヤー追悼セレモニー~白覆面の魔王よ永遠に~」を開催。特別ゲストはドリー・ファンクJrPWF会長、ザ・グレート・カブキ、スタン・ハンセン、初代タイガーマスク、新間寿、徳光和夫、せんだみつお和田アキ子
▼第2試合 6人タッグマッチ30分1本勝負
藤波辰爾(ドラディション)&秋山準(全日本プロレス)&越中詩郎(フリー)組vs天山広吉(新日本プロレス)&小島聡(新日本プロレス)&ヒロ斉藤(ドラディション)組
▼第1試合 第2回デストロイヤー杯争奪スペシャルバトルロイヤル
参加選手=グレート小鹿、百田光雄、菊地毅、垣原賢人、井上雅央、MEN‘Sテイオー、大森隆男、本田多聞、相島勇人、TARU、佐野直、土方隆司、佐藤光留、橋本友彦、那須晃太郎、UTAMARO、三富政行、LEONA、力、レブロン
※出場選手はケガ等により変更となる場合がありますので、予めご了承ください。
■第1試合 第2回デストロイヤー杯争奪スペシャルバトルロイヤル
参加選手=グレート小鹿、百田光雄、菊地毅、垣原賢人、井上雅央、MEN‘Sテイオー、大森隆男、本田多聞、相島勇人、TARU、佐野直、土方隆司、佐藤光留、橋本友彦、那須晃太郎、UTAMARO、三富政行、LEONA、力、レブロン
大会のオープニングを飾るのは「第2回デストロイヤー杯争奪スペシャルバトルロイヤル」。デストロイヤーと対戦した世代からデストロイヤーを知らない世代、また2世3世レスラーのニュージェネレーションがいっせいに闘う賑やかなカードである。とくに全日本時代にデストロイヤーと関わりのあったグレート小鹿、百田光雄、菊地毅、さらに引退試合で足4の字固めを決められた最後の相手、井上雅央に注目が集まりそうだ。なかでもデストロイヤーのライバルだった力道山を父に持つ百田の奮闘が期待される。2月におこなわれた「ジャイアント馬場追善興行」につづき、今回もバトルロイヤルを制するか? 同時に力道山3世で百田の息子・力、藤波辰爾の息子・LEONAといった新世代が大ベテラン勢にどう絡んでいくかも見逃せない。なお、勝者には息子カート・ベイヤーからデストロイヤー使用のマスクが贈られる。
■第2試合 6人タッグマッチ30分1本勝負
第2試合 6人タッグマッチ30分1本勝負
藤波辰爾&秋山準&越中詩郎組vs天山広吉&小島聡&ヒロ斉藤組
10月25日のドラディション後楽園大会で「デビュー40周年記念興行」を開催したヒロ斉藤。同大会は新日本の同窓会的カードが組まれ、大きな盛り上がりを見せた。そして今回、その延長戦とも言える豪華カードに。ヒロは狼軍団時代から組んできた天山広吉と再びチームを結成。そこに天コジの盟友・小島聡が加わるトリオだ。ヒロ組と対するのは藤波辰爾&秋山準&越中詩郎組。ドラディションでヒロの40周年を企画した藤波が、こんどは全日本の秋山準とチームを組む。秋山はディラン・ジェイムスの負傷欠場から「世界最強タッグ決定リーグ戦」への代打参戦を決めたばかり。全日本の年末の風物詩に大きな刺激を与えている。その最中での藤波&越中とのトリオである。とくに2月の「ジャイアント馬場追善興行」で初対戦した小島とは2度目の遭遇。前回は小島が突っかかる形だったが、今回はどうなるか。
■第3試合 8人タッグマッチ30分1本勝負
第3試合 8人タッグマッチ30分1本勝負
渕正信&ジェイク・リー&野村直矢&岩本煌史組vs藤原喜明&船木誠勝&長井満也&田中稔組
第3試合は渕正信&ジェイク・リー&野村直矢&岩本煌史組vs藤原喜明&船木誠勝&長井満也&田中稔組の8人タッグマッチ。現在進行形の全日本プロレス軍にUWF、いわゆるU系出身者が対峙するという実に興味深い顔合わせだ。全日本からは現在もっとも三冠ヘビー級王座に近いと思われるジェイク・リーが出陣。10月24日の後楽園で現王者・宮原健斗に肉薄し、絶対王者化しつつある宮原からライバルとして認められたばかり。そのジェイクは現在、岩本煌史とともにアジアタッグ王者に君臨。もちろんジェイクは白覆面の魔王を知らない新世代だが、アジアタッグ王座はデストロイヤーも巻いたことがある日本最古のベルトだけに今大会参戦の意義はとてつもなく大きい。そこでデストロイヤーを知る渕がいかにして若い選手をリードするかが見どころとなりそうだ。対するU系出身チームは藤原喜明がプロフェッショナルレスリング藤原組、船木誠勝がパンクラス、長井満也がリングス、田中稔がバトラーツ。そのルーツがUWFであり、全盛時には全日本と対極をなすスタイルだった。その対照的なプロレス同士のぶつかり合いがデストロイヤー興行で実現。歴史の変遷を感じさせるカードになった。
※第3試合後に「ザ・デストロイヤー追悼セレモニー~白覆面の魔王よ永遠に~」を開催。特別ゲストはドリー・ファンクJrPWF会長、ザ・グレート・カブキ、スタン・ハンセン、徳光和夫、和田アキ子、せんだみつお。
「ザ・デストロイヤー追悼セレモニー」にドリー・ファンクJr、ザ・グレート・カブキ、スタン・ハンセンが駆けつければ、全日本のライバルとして新日本で数々の過激な仕掛けを企画した新間寿が初代タイガーマスクとともに登壇する。また、「金曜10時! うわさのチャンネル!!」でお茶の間を沸かせた徳光和夫、せんだみつお、和田アキ子が来場。ゴッド姉ちゃんこと芸能界の大御所・和田アキ子がプロレス会場にやってくることは非常に珍しい。ゴッド姉ちゃんの登場に「あの鐘を鳴らすのはあなた」が大好きだったというデストロイヤーが天国で大喜びすることは間違いない。デストロイヤーを知らない世代にも、白覆面の魔王がいかに愛されたかが伝わるセレモニーになりそうだ。大ヒールからコミカルな“顔”も見せるようになったきっかけがバラエティー番組出演だった。それだけに、のちにジャイアント馬場が提唱した「明るく楽しく激しいプロレス」の基礎を作ったのがデストロイヤーと言っても過言ではないのである。
■第4試合 8人タッグマッチ30分1本勝負
第4試合 8人タッグマッチ30分1本勝負
TAJIRI&望月成晃&黒潮“イケメン”二郎&野村卓矢組vs佐々木大輔&石川修司&高尾蒼馬&遠藤哲哉組
新世代プロレスを代表するような形でDDTの反体制ユニットDAMNATIONが登場。佐々木大輔&高尾蒼馬&遠藤哲哉に全日本へ移籍した石川修司が加わる復活祭的陣容となった。対するはTAJIRI&望月成晃&黒潮“イケメン”二郎&野村卓矢組というバラエティー豊かな混成チーム。なかでもTAJIRIとDAMNATIONの絡みは新鮮だ。策略家のTAJIRIにDDTのカリスマ佐々木がどう挑むのか。また、年内で国内の活動を終了、拠点をアメリカに移すイケメンの闘いぶりにも注目が集まる。フリーのイケメンはDDTにも準レギュラー的に参戦。
10月27日のDDT後楽園でイケメンと遠藤がシングルマッチで闘っており、遠藤が勝利。敗れたイケメンは「オレたちのステージはどこでもいい」と、将来の再戦を希望。それがアメリカ行きを前にして実現することになった。イケメンとしては借りを返してから新ステージに臨みたいところ。一方、DDTの頂点を狙う遠藤はもちろん返り討ちを狙ってくる。また、イケメンの長~い入場シーンもお楽しみのひとつ。大田区体育館が一体になる瞬間をぜひ体感してもらいたい。
■第5試合 タッグマッチ30分1本勝負
青柳優馬&青柳亮生組vsタイチ&金丸義信組
全日本の青柳兄弟が新日本の鈴木軍と対戦。記念大会ならではの異色タッグマッチが、第5試合の青柳優馬&青柳亮生組vsタイチ&金丸義信組である。こういった特殊な機会でしか組まれるチャンスのないカードだが、青柳兄弟の兄・優馬とタイチには遺恨がある。16年7月20日に開催されたジュニアヘビー級の祭典「スーパーj-CUP」1回戦で両者は対戦、青柳のファイトに「よく考えて人選しろよ」とタイチが激怒する一幕があった。17年8月27日の全日本・両国では一騎打ちをおこない、青柳がタイチ式ラストライドで連敗を喫した。今年2月19日の「ジャイアント馬場追善興行」では6人タッグマッチで再戦するも、タイチの視界に青柳は入っていないようだった。果たして、今回の試合で優馬はキャリアの浅い弟を引っ張りながら因縁のタイチを振り向かせることができるのか。なお、この試合には鈴木軍専属DIVA・あべみほが登場、いつものようにタイチ&金丸組のセコンドに着く。青柳兄弟は、彼女の存在にも気を配らなければならない。
■第6試合 8人タッグマッチ30分1本勝負
第6試合 8人タッグマッチ30分1本勝負
岡林裕二&入江茂弘&ジョー・ドーリング& 鈴木秀樹組vs宮本和志&崔領二&ゼウス&ザ・ボディガー組
当初はディラン・ジェイムスの出場が予定されていたが、右カカト負傷が完治せず全日本「世界最強タッグ決定リーグ戦」を欠場、同時に今大会も欠場となってしまった。代わりに加わるのがビル・ロビンソンの遺伝子を継ぐ鈴木秀樹だ。よって、岡林裕二&入江茂弘&ジョー・ドーリングとのチームはジェイムズに勝るとも劣らない大型軍団の結成になる。対するは宮本和志&崔領二&ゼウス&ザ・ボディガー組。ここで注目されるのが、岡林&入江の“混ぜるな危険”と、崔&ゼウスの世界タッグ王者コンビの激突だろう。岡林&入江は大日本「最侠タッグ決定」でストロングブロック1位通過、11・26後楽園での決勝トーナメント進出を決めている。一方の崔&ゼウス組は現世界タッグ王者として「世界最強タッグ決定リーグ戦」にエントリー。もちろん優勝候補である。同時に、ゼウスとボディガーの再合体も見逃せない。ボディガーは関本大介とのチームでBJWタッグ王者に君臨中、全日本の最強タッグにもエントリーしている。ともに現在は別パートナーとの活動をおこなっているものの、いつ組んでも最強の絆を見せるのがこのチーム。そこに全日本外国人最強のジョー、屈指のパワーファイター・宮本が加わるのだから、どの組み合わせをとっても超の字がつく大肉弾戦となるのは明らかだ。
■第7試合 タッグマッチ60分1本勝負
第7試合 タッグマッチ60分1本勝負
諏訪魔&近藤修司組vs鈴木みのる&太陽ケア組
セミファイナルの諏訪魔&近藤修司組と鈴木みのる&太陽ケア組によるタッグマッチは、ブードゥー・マーダーズとGURENTAIの一夜復活マッチでもある。TARU(今大会のバトルロイヤル出場)率いるブードゥー・マーダーズは05年1月に結成、近藤は初期メンバーのひとりで、翌年には諏訪間幸平がリングネームを「諏訪魔」として加入。この名を現在も使いつづけているだけに、諏訪魔のリングネームは現在の諏訪魔の原点なのである。いまでこそ近藤とは全日本とWRESTLE-1で袂を分けているものの、諏訪魔は石川修司との“暴走大巨人”で「全盛期」状態。近藤はW-1の副社長として団体運営にも携わっている。それでいて、キングコングパワーは健在だ。諏訪魔とのコンビでとてつもない力を発揮することだろう。また、鈴木とケアのGURENTAIも復活する。現在は新日本を戦場に猛威を振るう鈴木軍。ケアとのコンビは現鈴木軍のルーツとも言えるだけに、鈴木&ケア組の実現は感慨深い。とはいえ、試合となれば懐かしささえ感じさせない殺伐とした闘いになるだろう。両軍のプライドをかけた激突は絶対に見逃せない。
■第8試合 6人タッグマッチ60分1本勝負
第8試合 6人タッグマッチ60分1本勝負
武藤敬司&宮原健斗&獣神サンダー・ライガー組vsSANADA&KAI&BUSHI組
全8試合のメインを飾るのは、武藤敬司&宮原健斗&獣神サンダー・ライガー組vsSANADA&KAI&BUSHI組の6人タッグマッチだ。このカードで中心となるのは、やはり“プロレスリングマスター”武藤敬司となるのだろう。武藤はデストロイヤーが広めた足4の字固めの継承者。デストロイヤーが東京体育館で力道山に仕掛けた足4の字固めで一世を風靡すれば、武藤は95年10月9日、東京ドームにおける“新日本vsUWFインターナショナル全面対抗戦”で高田延彦に決め、必殺技の必殺技たるゆえんを満天下に知らしめた。どちらもプロレス史に残る名場面中の名場面だ。そして今回、武藤がタッグを組むのは来年1月の東京ドームで引退する獣神サンダー・ライガーと、全日本の三冠ヘビー級王者で今年のMVP候補である宮原健斗だ。対するはSANADA&KAI&BUSHI組。くしくも全員がアルファベット表記の新世代レスラーだが、彼らはともに武藤の全日本時代、06年に入門した同期トリオ(武藤塾一期生)である。言ってみれば、師匠・武藤と武藤チルドレンの再会。SANADA(真田聖也=当時)とKAIは11年に世界最強タッグ決定リーグ戦を優勝、将来のエース最有力候補コンビだった。のちに両者は武藤のWRESTLE-1に移籍、SANADAは海外、KAIは国内とアプローチを変えながらも切磋琢磨してきた間柄である。現在はSANADAが新日本のロス・インゴベルナブレスにジュニアのBUSHIとともに加入。戴冠には届いていないものの、オカダ・カズチカのライバルとしてIWGPヘビー級王座への最短距離にいると言っていい。対する宮原はデビュー戦の相手がSANADAだった。その宮原は三冠王者として全日本の頂点に君臨。全日本でエースを狙ってきた男たちにエースの座を実現させた姿を見せつけるつもりでいる。そして、宮原とライガーの最初で最後のタッグも興味深い。そこに武藤がいるだけに、絶妙のシーンを演出してくるのではなかろうか。武藤と武藤チルドレン、宮原と元全日本勢の再会はもちろん、あらゆる顔合わせが刺激的だ。「プロレスは激しいものであり楽しいものでもある。現役時代のデストロイヤーは両方を体現していた」と和田京平大会プロデューサー。全カードでプロレスの醍醐味が味わえるビッグイベント。メインでは足4の字固めを武器とする武藤を中心に、デストロイヤー興行の掉尾を飾るにふさわしい“これぞプロレス!”という激闘が展開されることになるだろう。(文中敬称略)
(新井 宏)

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