グリフ・リースが描く痛みと希望、ユ
ニバーサルなポップアルバム『Pang!
』
想像もできなかったアルバム
ーライヴ前の貴重な時間をいただきありがとうございます。
こちらこそありがとう。
ー新作は健やかで、暖かさと活気を感じるような作品だと思いました。そうした作品に『Pang!』(意味:(発作的な)悲痛、心の痛み)と名付けたのはどうしてですか?
確かに音楽的には楽観的な内容だね。でも、生きていると時には痛みに直面することもある。僕はそういうものも含める形で作品を作りたかったんだ。
ー逆に言うと、日常の中にある痛みと向き合い、その中から喜びを見出すような気持ちがありましたか。
世界を取り巻く状況はいろいろあるけど、未来に対しては楽観的な気持ちを持とうという気持ちはあったね。
ーここからは制作の話を聞かせてください。Africa Express(Blur/Gorillazのデーモン・アルバーン(Damon Albarn)が主宰する非営利団体。アフリカ諸国のミュージシャンと欧米のミュージシャンのコラボレーションを促し、多岐に渡る作品制作やイベントを行ってきた)に参加したことが今作の発端になったと思いますが、アフリカン・ミュージシャンと制作を共にする中でどういった発見や喜びがありましたか?
去年の1月、Africa Expressのプロジェクトでヨハネスブルグに1週間滞在したんだけど、そこでは沢山のプロデューサーやミュージシャンと一緒に音楽を作る機会があって、特に楽しかったのがMuzi(ムジ)というプロデューサーだった。彼とBUCUというグループと一緒に作ったのが「Vessels」という曲だね。
ー『Molo』に入っている曲ですね。