川平慈英、浦井健治、霧矢大夢、夢咲
ねねらが描く、家族愛のミュージカル
が開幕! 『ビッグ・フィッシュ』初
日前会見&ゲネプロレポート

ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』が2019年11月1日(金)、日比谷シアタークリエで開幕する。
本作は、『チャーリーとチョコレート工場』や『アリス・イン・ワンダーランド』、この春公開した『ダンボ』の監督を務めるティム・バートンが手がけた大ヒット映画『ビッグ・フィッシュ』(2003年公開)をミュージカル化した作品で、日本では2017年に初演されている。再演となる今回、初演時のメインキャストが勢ぞろいしたが、全体の出演人数が12人(Wキャストを入れて13人)に絞られ、新曲が2曲ほど追加されるなど、また新しい『ビッグ・フィッシュ』に仕上がった。
初日を前にして行われた囲み会見とゲネプロ(舞台通し稽古)の様子を写真とともにお伝えする。(ゲネプロではヤング・ウィル役は佐藤誠悟が演じた)

【STORY】
エドワード・ブルーム(川平慈英)は昔から、自らの体験談を現実にはあり得ないほど大げさに語り、聞く人を魅了するのが得意だった。幼馴染のドン・プライス(藤井隆)や、ザッキー・プライス(東山光明)と一緒に魔女(JKim)から自分がいつどうやって死ぬかを聞いた話や、ともに故郷を旅立った巨人・カール(深水元基)との友情、霧の中で出会った人魚(小林由佳)の話、団長のエーモス(ROLLY)に雇われたサーカスで最愛の女性、妻・サンドラ(霧矢大夢)と出会った話を、息子のウィル(浦井健治)に語って聞かせていた。
幼い頃のウィルは父の奇想天外な話が好きだったが、大人になるにつれ、それが作り話にしか思えなくなり、いつしか父親の話を素直に聞けなくなってしまった。そして、ある出来事をきっかけに親子の溝は決定的なものとなってしまう。
しかしある日、母サンドラから父が病で倒れたという知らせが入り、ウィルは身重の妻・ジョセフィーン(夢咲ねね)と両親の家に帰る。病床でも相変わらずかつての冒険談を語るエドワード。本当の父の姿が知りたいと葛藤するウィルは、以前父の語りに出ていた地名の登記簿を見つけ、ジェニー・ヒル(鈴木蘭々)という女性に出会う。
そしてウィルは、父が本当に伝えたいことを知るのだった−−−。

ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』のゲネプロの様子

ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』のゲネプロの様子
親子の絆、夫婦の愛、故郷への思いなど、いろいろな形の愛が詰まった物語。川平が演じるエドワードが話す「荒唐無稽」で「夢のような」ストーリーは想像力を刺激し、舞台上でも賑やかに華やかに展開されるが、一方で、浦井が演じるウィルとの「確執」や過去の秘密といった現実的なストーリーも並行して進み、しっかりと地に足がついた作品に仕上がっている。
ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』のゲネプロの様子
エドワードがサンドラに一目惚れするサーカスの場面や、スイセンの花畑で永遠の愛を誓う場面など、色彩鮮やかで印象的なシーンが多くあるが、エドワードとウィルの対話、エドワードとサンドラの会話といった心揺さぶる芝居も随所に見受けられ、見応えがある。初演の頃に比べて「ストーリー性が強くなった」と主演の川平が語っていたが、メインキャストが変わらずの再演だったこともあり、より濃密に、より深く、登場人物の心情を表現できたのではないだろうか。
ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』のゲネプロの様子
川平以外のキャストが、街の人やサーカス団員など本役とは別の役を演じるのも面白い。本筋とは関係ないが、「あの人がこんな役を!」「もしやあれは...?」という見つける楽しみがあるので、その辺りもぜひ注目してみてほしい。
 
......年齢を重ねるにつれ、親子の関係というものは少なからず変化する。あの時、もっと話をしておけば。そんな後悔が募る前に。父にも母にも生きてきた人生があり、伝えたいことがある。そんなことを考えさせられた。見終わったあとは心がじんわりと温かくなるし、泣けてくる。当たり前のようでいて見失いがちな、けれどきっと一番大切な家族の絆を描いた物語。ぜひご覧いただきたい。なお、上演時間は約2時間40分(途中20分休憩あり)を予定している。
ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』のゲネプロの様子
ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』のゲネプロの様子

ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』のゲネプロの様子
ゲネプロの前に行われた囲み取材には、主演の川平慈英、浦井健治、霧矢大夢、夢咲ねね、藤井隆、ROLLYが参加した。
 
−−いよいよ初日ですが、役どころと意気込みをお願いします。
川平慈英(エドワード・ブルーム役):ホラ吹き父ちゃんのエドワード・ブルーム役の川平慈英です。息子のウィルとばちばちやりあいます。この日を迎えられたことを本当に嬉しく思います。ついに来たね。場所は(初演時の)日生劇場からシアタークリエになったんですけど、濃密な空間の中で、こうやって最高の仲間と一緒についに初日を迎えられることが出来て、心から感謝というか、光栄に思います。早く皆さんに見せたいですね。
ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』のゲネプロの様子
浦井健治(ウィル・ブルーム役):これだけ素敵な明るい賑やかな家庭に育てられた息子、ウィルをやらせていただきます。世間はハロウィン一色だと思うんですけど(※ゲネプロは10月31日に行われた)、きっとティム・バートン監督、そして白井晃さんの演出ということで、この作品はどこよりもハロウィン色が強い(笑)。間違いなく、川平慈英さんがずっと動きまくっているので、最強のパワースポットになると思っています。
ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』のゲネプロの様子
霧矢大夢(サンドラ・ブルーム役):エドワードの妻であり、ウィルの母親役の霧矢大夢です。愛する家族、そして仲間たちに再会できて本当に幸せです。この幸せと喜びを客席の皆様にお届けしたいと思っております。
  
夢咲ねね(ジョセフィーン・ブルーム役):初演からもう一度この作品に挑戦できることがすごく嬉しいです。初演の時よりも人数が少なくなっていて、もう出演者全員がめまぐるしいぐらい、いろいろな役をさせていただいていたりして。初演とはまた違う『ビッグ・フィッシュ』に生まれ変わっているので、みなさんにたくさん見ていただきたいなと思います。
ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』のゲネプロの様子
藤井隆(ドン・プライス役):川平さんが演じられますエドワード・ブルームを子どもの頃からやっかんだり、いじめたりする悪ガキのドン・プライスをやらせていただいています。前回の初演の時は、たくさんのメンバーでお送りしたんですけれど、今回は濃縮したメンバーでお送りするということで。今回これを成功させて、ぜひまた再再演を、初演のメンバーとやられたらいいなと思います。気が早いんですけど。
ヤング・ウィルたちを入れたとしても、平均年齢が結構高いなと思いながら。本当にいろんな役をやらせてもらって、私も自分の役以外にも、水の流れというか、概念をやらせていただくのですが、それは舞台の醍醐味だと思いますので、頑張ります。どうぞお越しいただいけたらと思います!
ROLLY(エーモス・キャロウェイ役):キャロウェイサーカス団長のキャロウェイ役のROLLYです。この『ビッグ・フィッシュ』はあなたの物語です。見る人全員の人生の物語です。『ビッグ・フィッシュ』を見る前と見た後では人生は変わると思います。ぜひ、どうぞ。
川平:(ROLLYは)前回も同じこと言っていましたね(笑)。素晴らしいです。テーマは変わりません。愛です。
ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』のゲネプロの様子
−−2017年の初演から、キャストが12人に絞られました。どのような点が変わったのでしょうか?
川平:一役を演じるのは、僕だけなんですよ。皆さん何役もやられていまして。もうね、ありがたみ満載のステージになりました。見ていて、トリビア的な感じで、「あ、あれもしかして健ちゃん?もしかして霧矢さん?」って。これ、何回か見に来ないと...ね?
浦井:そうですね、答え合わせをね。
川平:面白いですよ。間違い探しとは言わないですが、発見探しというか。みんながいろんな役をやっています。またね、霧矢さんの豹変ぶりが…もう、これはぜひ見つけ出して欲しいですね。
藤井:ヒントは「退団後初の」です。これはファンの方は絶対ですよ!
川平:涙ぐましいみなさんの総力戦。見てのお楽しみです。
ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』のゲネプロの様子
−−初演時とメインキャストは変わらないということで、楽しくお稽古されたのでは?
川平:もう本当に家族のよう。子役のWキャストを入れて13人ですが、みんな淡々と、お互いにリスペクトを持ちつつ、かといって別にベタベタはせず。みんなで助け合って、励ましあって、すごくいいチームだと思います。
霧矢:うん、劇団っていう感じですよね!
藤井:でも平均年齢が高いので、マッサージ器を交換したりとか...体のケアに対して、みなさんでアドバイスしあって...(笑)
浦井:出ずっぱりの川平さんが一番元気なんですよ。(稽古中の)休憩15分で、なぞなぞを出し始めたりする(笑)
霧矢:タップダンスを子どもに教えたりね(笑)
浦井:そう、休まないんです。
川平:僕に「止まっていて」というのは、「死んでいて」ということです(笑)。はしゃいでいるだけです。みんな本当に温かいです。その温かいエナジーがステージから客席へあふれ出ます。ほっこりする温かいステージになっています。

ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』のゲネプロの様子
−−最後に改めてお客様へメッセージをお願いします!
川平:この舞台を通して、生きる喜びとか、人に対して愛情を注ぐ大切さとか、傷みを知る心を持つ大切さなどをまた改めて感じられる舞台です。圧倒的の音楽力を通して、最後は生きていることへの賛美、喜び、そして癒しのハッピーエナジーのパワースポットになります。僕たちと一緒に幸せを共有しにぜひ劇場へ、一人でも多くの人に来てくださいますようよろしくお願いします!

初日前会見に応じる、ROLLY、夢咲ねね、浦井健治、川平慈平、霧矢大夢、藤井隆(左から)
取材・文・撮影=五月女菜穂

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