メリー、90年代V系に扮してハロウィ
ン公演

メリーが10月29日、東京・高円寺ShowBoatにて<メリー東京圏沿線 GIG #2 ドリームキラー ~中央線編~ Merry Halloween Party 2019 ~Trick or MERRY~>と銘打ったハロウィン公演の第1夜を開催した。
本公演は、翌30日に中野MOON STEPで行なわれた第2夜とあわせて、10月から始まった“中央線編前半戦”のクライマックス。今夏好評だった“銀座線編”ではホーン隊を交えた編成がメリーの音楽に華やかな奥行きをもたらしていたが、“中央線編”では、ヴァイオリンにJumpei、チェロにyukiを迎え、メリーの5人が歌い奏でる音に更なる妖美と深みを生んできた。(※尚、yukiは10月25日の立川BABEL公演までの参加。)
出入口付近までパンパンに膨れ上がった高円寺ShowBoatのステージに、ガラ(Vo)、結生(G)、健一(G)、テツ(B)、ネロ(Dr)が登場すると、フロアは悲鳴に近い喜びの声に包まれた。この日の彼らの仮装コンセプトは“90年代ヴィジュアル系”。ガラが「同じ時代を生きてきたはずなのに、見た目がバラバラになっちゃいました」と言ったように、5人それぞれの混ざり合いそうで混ざりそうにない90年代ヴィジュアル系要素が笑いと感動を誘う。
「finale」で派手に始まったパーティーは、刺激たっぷりに進行。この日も感嘆の声を上げたくなる場面が多く見られたのだが、たとえば「【人間曲芸坐】」から「sheeple」に至る流れなどが絶品だった。ヴァイオリンが紡ぎ出すミステリアスな音色とその直後に訪れた静寂にメリーの5人の魂が絡んでいくさまが美しい。また、この“中央線編”で恒例となった日替わりカヴァー曲にはBUCK-TICKの「悪の華」をセレクト。“90年代ヴィジュアル系”の格好をしたメリーがこの名曲を演奏するからこその、敬意と魅力が感じられる光景だった。
この夜は「さよなら雨(レイン)」などで感傷的な名場面を生む一方で「Toxicosis Island」や「Carnival」などの我を忘れて歌い踊りたくなる楽曲も連発され、胸のすく思いがした。サプライズ的に披露されたダブル・アンコールの「T.O.P」が着地点を迎えるまで、息もつかせぬような展開。メリーの持ち味である痛快さが加速しているように感じられるハロウィンの夜だった。
そんなメリーが歌い奏でる音楽をダイレクトに感じることのできる機会は、今後も見逃し厳禁だ。結成記念日にあたる11月7日には、東京・恵比寿LIQUIDROOMで<メリー18周年記念公演「ノスタルジヰ」>が開催される。この記念日に迎える客演は、活動休止から13年を経て今年活動再開したdeadman。結成当初のメリーが大きな刺激を受けたというこのバンドとの激突にも注目したいところ。そして、deadmanでサポートを務めるテツがこの日2ステージ演奏するのもポイントだ。
また、11月23日および24日には神戸・クラブ月世界で、12月28日にはメリー初の地方ホール公演となる愛知・豊橋市公会堂で単独公演が行なわれる。メリーにぴったりの情緒ある各会場の雰囲気も含めて、彼らの過去・現在・未来を繋ぐ旅情を味わいたい。

文◎志村つくね
写真◎尾形 隆夫

<メリー18周年記念公演「ノスタルジヰ」>

2019年11月7日(木)恵比寿LIQUIDROOM ※客演有
客演:deadman(guest musician:B.テツ/Dr.晁直(lynch.))
2019年11月23日(土)神戸 クラブ月世界 ※単独公演
2019年11月24日(日)神戸 クラブ月世界 ※単独公演
2019年12月28日(土) 愛知 豊橋市公会堂 ※単独公演


<VERY MERRY CHRISTMAS 2019 ~CORE Premium Night~>

2019年12月24日(火)新横浜NEW SIDE BEACH!!

ライブに関するお問い合わせ
NEXTROAD 03-5114-7444(平日14:00~18:00)

<メリー東京圏沿線GIG #2 ドリームキ
ラー ~中央線編~>

※すでに終了した公演は割愛

2020年1月5日(日)新宿ANTIKNOCK
2020年1月12日(日)四谷OUTBREAK!
2020年1月13日(月・祝)市ヶ谷Honey Burst
2020年1月18日(土)水道橋Words
2020年1月19日(日)Zher the ZOO YOYOGI
2020年2月8日(土)神田明神ホール

オールスタンディング:前売り ¥5,000(D別)

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