ワーグナー唯一の喜劇『ニュルンベル
クのマイスタージンガー』が国際共同
制作で15年ぶり東京公演

2020年6月に東京文化会館 大ホールにてオペラ『ニュルンベルクのマイスタージンガー』が上演されることが決定し、2019年11月9日(土)より一般発売が開始される。本作品が東京にて上演されるのは15年ぶり。
本公演は、東京文化会館と新国立劇場が2020年に向けて初めて共同制作を行い、日本を代表する各地の劇場と連携して2年に渡り展開する国際的なオペラプロジェクト『オペラ夏の祭典2019-20 Japan↔Tokyo↔World』の一環として行われる。同プロジェクトは、指揮者・大野和士の発案によるものだ。今年2019年7月には、プロジェクト第一弾として、バルセロナオリンピック開会式の演出を手がけたスペインの演出家集団 ラ・フーラ・デルス・バウスの芸術監督であるアレックス・オリエを演出に迎え、バルセロナ交響楽団が24年ぶりに来日し、アジア(中国)が舞台のオペラ『トゥーランドット』(プッチーニ作曲)が上演された。
『トゥーランドット』東京文化会館公演 第2幕より  (c)堀田力丸
第二弾として上演されるオペラ『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は、リヒャルト・ワーグナーが完成させた唯一の喜劇。芸術における伝統と革新性の対立、寛大なる父性、年長の男性が若い娘に向ける純愛と潔い諦念などが絶妙な音楽できめ細かに描かれており、上演に大人数と長時間を要す作品ながら、世界中の歌劇場で頻繁に上演される人気演目だ。今回の公演は、東京文化会館と新国立劇場、ザルツブルク・イースター音楽祭、ザクセン州立歌劇場の4者による国際共同制作で、今年2019年4月、日本公演に先立ってザルツブルク・イースター音楽祭で初演を迎えた。今後、2020年1月~2月にドレスデンのザクセン州立歌劇場で上演されたのち、東京文化会館での公演に続く。
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」ザルツブルク・イースター音楽祭公演より  (c) OFS/Monika Rittershaus
演出はドイツ気鋭の演出家・イェンス=ダニエル・ヘルツォーク。ヘルツォークは、『オペラ夏の祭典2019-20 Japan↔Tokyo↔World』における本作の紹介の中で、「信じられないかもしれませんが、本作はワーグナーによる喜劇です。誰も死なない。これはワーグナーの場合、かなり稀なことです。」としたうえで、「喜劇というものが活発さやテンポ、簡潔さを必要とするのであれば、それを無視することはできない。そう考えた私たちは、多くの場面転換を可能にする上演方法を模索しました。演劇的な効果も使っています。」と述べている。
指揮は総合プロデュースも務める大野和士、オーケストラは大野が音楽監督を務める東京都交響楽団。ザルツブルク、ドレスデン公演に続いてアドリアン・エレートが当たり役ベックメッサーに出演するほか、バイロイト音楽祭をはじめ世界で活躍するワーグナー・バリトンのトーマス・ヨハネス・マイヤー、躍進中のトミスラフ・ムツェック、望月哲也、林正子らが出演する。
2020年6月14日(日)・17日(水)の東京文化会館での公演後、新国立劇場(6月21日(日)~30日(火))、兵庫県立芸術文化センター(7月5日(日))での上演が予定されている。

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