小松政夫の大生前葬!?  自身の芸
能人生の集大成となる舞台『うつつ』
稽古場レポート

伝説のバラエティ番組「シャボン玉ホリデー」で活躍し、昭和の芸能史に残る小松政夫が、自身の芸能人生の集大成となる舞台『うつつ』 小松政夫の大生前葬を行う。2019年10月31日(木)〜11月4日(月・祝)、東京・中目黒キンケロシアターにて開催される。どんな“大生前葬”になるのか、稽古場を取材した。
舞台『うつつ』 小松政夫の大生前葬 の稽古場の様子
 
【舞台のあらすじ】
3年前のある出来事をきっかけに、過去の記憶を失った往年の名コメディアン。その再起を図って妻は夫を「記憶回復センター」に入所させる。やがて夫の記憶の鍵を握るのが、彼が前妻との間にもうけた一人娘であることが判明するが、娘は母と幼い自分を捨てた父と会うことを拒否する。そこで妻はマネージャーと画策して別人を娘に仕立て上げ、父娘の涙の「再会」を果たさせるが、事態は思わぬ方向へ展開していく...。 
舞台『うつつ』 小松政夫の大生前葬 の稽古場の様子
この日の稽古は、セリフなどを整理する台本の調整から始まった。映画「カメラを止めるな!」で主人公の妻を好演した、しゅはまはるみが、小松にセリフの追加や入れ替えを提案。小松は何度か流れを確認した後、しゅはまの提案を採用。そして、「こういう提案は大歓迎。少しでもやりにくいところがあったら言ってね。お客さんに伝わって、みんながやりやすい形が一番だと思うから」と呼びかけた。とてもフラットな稽古場なのだと感じた。
舞台『うつつ』 小松政夫の大生前葬 の稽古場の様子
続いては、シーンを区切っての稽古。この日は、小松が演じる“往年の名コメディアン”が「記憶回復センター」に入所するシーンを繰り返した。小松の役は、記憶はなくしているものの、昔のギャグなどは思い出す設定のようで、セリフの中には、「電線音頭」や「悪りーね、悪りーね、ワリーネ・ディートリッヒ」といった、知っている人は知っている、小松の軽妙で懐かしい“はやり言葉”が織り込まれていた。
 
面白いのは、小松自身がそのセリフを適宜変えて、アドリブを加えていたこと。その引き出しの多さには何度も笑わされたし、共演者たちもその小松の“チャレンジ”に上手く対応していた。小松をはじめとする出演者たちが、稽古を楽しんでいる様子がよく伝わった。
舞台『うつつ』 小松政夫の大生前葬 の稽古場の様子
「小松政夫の大生前葬」と謳っている本作だが、稽古を見る限り、湿っぽさは全く感じなかった。むしろ名喜劇人・小松政夫の“笑い”をとことん詰め込んだ、コメディ作品だと感じた。最後まで通して見ると、また違う印象なのだろうか……? 早く本番を見て、思いきり、小松の笑いの世界を楽しみたいと思う。
舞台『うつつ』 小松政夫の大生前葬 の稽古場の様子

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