L→R 谷崎航大(バイオリン)、金田康平(歌手)、ツネ・モリサワ(キーボード)、富田貴之(ドラム)

L→R 谷崎航大(バイオリン)、金田康平(歌手)、ツネ・モリサワ(キーボード)、富田貴之(ドラム)

【THEラブ人間 インタビュー】
俺が歌ってなんぼの
曲じゃないと意味がない

バンドに新しい流れを
作らなきゃといけないと思ってた

その後、ベースのおかもとえみさんが脱退してから、ギターの坂本 遥さんとベースのさとうまりなさんが加入したのもひとつの節目だったのかなと。14年に開催された新体制のお披露目ツアーのライヴを観た時、THEラブ人間がガラッと明るい印象に変わったのを覚えてます。

金田
SNSでどのパートが入ったのかネタバレを一切禁止してたツアーね(笑)。今思うと面白かったなぁ。そのあとのつばきとのツーマンで告知解禁をして。

まさかギターが入っているとは思ってもみなくて驚きでした。新しいことが始まるっていう、あの時の無敵感は忘れられないです。

金田
今振り返ると、ちょうど変化を求めてた時期なのかもしれないですね。具体的なことは決めていなかったけど、とにかくバンドに新しい流れを作らないといけないと思っていたし、ふたりが入ってくれてからは単純にできる曲も広がりました。

楽曲と歌詞もキャッチーになっていきましたよね。特に「幸せのゴミ箱」で《ささやかだけど役に立つなら 孤独は宝物》って歌っているのは衝撃的でした。「大人と子供-初夏のテーマ-」では《孤独にはなりたくない》って歌ってましたから。

金田
「幸せのゴミ箱」で歌ってるのは永遠の愛なんですよ。「大人と子供-初夏のテーマ-」の頃は若くて、愛してもらっても疑うとか、諦めがあって。そういうのがほどけて“結婚するかも”って思ってた時期があったんですけど、その恋も終わって。でも、今までの恋の終わりとは違ったんです。道が開ける終わり方というか、そういう変化があった時期の曲です。実は昔から“孤独”って言葉はあまり歌詞で使わないようにしていて、使ってるのはその2曲くらいなんですよ。だから、「幸せのゴミ箱」の歌詞を書く時には「大人と子供」で歌っていた孤独のことを思い出してました。

両A面シングル「じゅんあい/幸せのゴミ箱」はギターが2本になってから初めての作品でもありますね。

金田
レコーディングは「じゅんあい」のほうが先なんですよ。「幸せのゴミ箱」のギターのフレーズは今までだったらバイオリンでやってたんですけど、このシングルではバンドのモードが変わるっていうのを完璧に提示したくて、「じゅんあい」はギターが2本あるっていうのを表に出して作った曲でした。イントロのギターの掛け合いなんかはまさにそうです。でも、「じゅんあい」はちょっとリリースが早かったなと思ってて…。

どうしてですか?

金田
あと2年くらい遅かったらきっと流行ってた曲なんですよ。シュガー・ベイブのコード感と一緒で、シティポップなんです。だから、BPMを下げるとシティポップに聴こえるっていう「恋するフォーチュンクッキー」式で、そういうのがやりたくてギターが2本必要だったっていうのもあって。

ツネさんから見て、14年以降のTHEラブ人間の変化はどうでしたか?

ツネ
自分たちでやるってなってから、MVとかジャケ写にしてもより意識して作るようになりました。ジャケ写のデザインも変わっていて、こち亀の背表紙みたいに『メケメケ』(2016年発表アルバム)までの連作になってるんですよ。何も分からなかったから、とにかく出すしかないって思ってて。
金田
当時のメンバーで脂が乗る作品はフルアルバムにしたかったから、アルバムを作るまでの挑戦をいろいろやっていて。クラウドファンディングをやったり、缶バッジシングルをリリースしたり。「FUSHIGI DANCE」と「クリームソーダ」って単体の曲だと思われがちだけど、この2曲がリードになっているミニアルバムにも相当のチャレンジ曲が収録されています。だから、『メケメケ』までの道のりは長かったよね。

OKMusic編集部

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