愛知から世界へ。改名から1年、TEAM
SHACHI覚醒の秘密に迫る

チームしゃちほこ”から“TEAM SHACHI”へ改名して1年。秋本帆華・咲良菜緒・坂本遥奈・大黒柚姫の4人はその動きを止めることなく、ミニアルバム『TEAM SHACHI』のリリースや、メンバー主演の映画『燃えよ!失敗女子』の公開、夏季限定バンドメンバー含む総勢13名での夏フェス巡り、そして今回のシングル「Rocket Queen feat. MCU/Rock Away」のリリースなど、精力的に動き続けてきた。そして、それらの活動を経て手に入れた、音楽性の広がりやパフォーマンスの強度は、単なる“アップデート”という言葉では片付かないほどの、新たな次元に到達した並々ならぬエネルギーを感じ取ることができる。彼女たちはなぜこれほどまでの大きな成長を遂げることができたのか。その秘密に迫るべく、この1年間の軌跡とシングルの魅力について話を聞いた。

Photography_Keiichi Ito
Text_Taishi Iwami

“作ること”に関わるようになって起こ
った変化と成長

――“チームちゃちほこ”からTEAM SHACHIになって1年が経ちましたが、振り返ってみて、いかがですか?

大黒 : メンバーが主演の映画『燃えよ!失敗女子』があったり、日高央さん(BEAT CRUSADERS)とBuntaさん(TOTALFAT)を迎えたバンドとブラス民(TEAM SHACHIになってから加わったブラス隊)の総勢13人で夏フェスを回ったり、すごく濃かったです。TEAM SHACHIになってからの1年は土台作りだって、みんなで言ってたんですけど、それがちゃんとできたように思えます。

坂本 : どんな曲にするかとか、どんなパフォーマンスをするかとか、何をするにしても、打ち合わせからメンバー全員で参加するようになったんです。今までは若かったこともあって、各分野の専門の方が作ってくださったものを練習して形にしていたんですけど、自分たちも作るところから関わらせてもらうようになったことは、ほんとうに大きいし、それがいい方向に作用しているように思います。

咲良 : 自分たちの意見も入って納得したものをやるわけですから、たらればは言えない。ダメだったら反省して高めていくことができるし、成功したら正しかったって実感できるし、いろんなことに責任感が持てるようになりました。

秋本 : 作詞作曲、振付けや舞台の制作、今まで私たちのために動いてくれていた方々のすごさもより感じられるようになりました。そこで曲の聴き方やダンスに対する向き合い方も変わってきました。

坂本 : そうだね。歌詞で言うと、2月に出したミニアルバム『TEAM SHACHI』で作詞にチャレンジしたからこそ、今まで書いてくださってた方々はどれだけすごかったんだって。そこから、いい言葉や言い回しを見つけたらメモして、メンバー同士でシェアするようになりました。

――ふだんの生活に感じることも豊かになったんじゃないですか?

秋本 : そうですね。景色が変わった感じがします。
秋本帆華

――冒頭で大黒さんがおっしゃった、総勢13名のバンド編成で夏フェスを回ったことは、どうでしたか?

大黒 : チームしゃちほこ時代もフェスには出てたし、バンド編成でやったこともあったんですけど、基本的には音源を流していたので、隣のステージの楽器の音が聞こえてきて、その迫力にびっくりすることもありました。でもこの夏は、なんならこっちのステージがいちばん楽器の数が多いっていう。音に背中を押される感じがするんです。みんな仲間なんですけど、バックの音に負けたくないって、必死にやってました。その結果、回数を重ねていく度にグレードアップしてる気がして最後のステージはほんとうにやってよかったと、自負できるものになりました。

咲良 : 私たちよりバンドメンバーの数が多いなかで、何ができるかはすごく考えました。「JOIN ALIVE」から「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」、「SUMMER SONIC」と回ったんですけど、その都度すぐに反省会をして高めていって、サマソニでは反省点がなかったってくらいに、今の自分たちがバンドとともにフェスでできる最大限のことはできたと思います。

秋本 : TEAM SHACHIは、ラウドでポップなサウンドにブラスセクションが混ざるという一貫性があって、私たちがポップな部分を担ってるんです。その音楽的な軸を、しっかり固められたように思います。
大黒柚姫

初のシングル「Rocket Queen feat.MCU
/Rock Away」の魅力

――そして10月2日には、TEAM SHACHIとして初のダブルA面シングル「Rocket Queen feat.MCU/Rock Away」をリリースしました。まずは「Rocket Queen feat. MCU」について。ゲーム「ROCKMAN」とのコラボ曲ということで、ブラスとロックが融合した魅力に、レトロなゲーム音も入ってきて、すごくユーモアがあってドラマチックな曲になっています。

坂本 : 初めて聴いたときはすごくお洒落だなって思いました。

秋本 : 私も思った。アートワークも好きなんです。

――ピクセルアートがすごく新鮮で。

秋本 : 私たち、こういうドット絵の世界観って世代的に知らないんです。「ROCKMAN」はお兄ちゃんがやってたんですけど「ロックマンエグゼ」だったから、すでにこんな画面じゃなかったし。でも今あえてこういうレトロなものをやるのはすごくお洒落だなって、テンション上がりました。
坂本遥奈

――パフォーマンスはどうでしたか?歌がすごく躍動しています。

坂本 : 私たちの持ち曲の中ではかなり音域が広くて、そのなかで、それぞれのパートが耳に残るし病みつきになって何度も聴きたくなるし、晴一さん(新藤晴一/ポルノグラフィティ)と本間さん(ak.honmma)さんのタッグは本当にすごいなって、思いました。

咲良 : あまり歌ったことにないメロディだったし、キーもそう。曲がめちゃくちゃいいぶん、そこに私たちの不慣れな声が乗ることで壊しちゃわないか、正直ちょっと心配だったんです。最初のAメロは特に、音数も少なくてピッチを取るのも大変で。でもなんとかなったのかな?

秋本 : うん、なってると思う。

大黒 : 「いい曲だね」とか「ミュージック・ビデオ、何回も観ちゃう」って言ってくださるファンの方も多くてよかったです。

坂本 : この曲でハズるんじゃないかと(笑)。MVの再生回数の伸び方がTEAM SHACHIになってから、いちばんなんです。ゲームのおかげもあってのことだと思うんですけど、海外の方からのコメントも多くて。

秋本 : “広告から来ました”みたいなコメントも。私たちのことを知らなかった方々がたくさん観てくださってるんだって、目に見えてわかるのはすごく嬉しいです。

大黒 : これを機にいろんな国にも行けたらいいな。

咲良 : 今までアジアはあったんですけど、ヨーロッパとかアメリカとかも行きたいです。あとはいろんなジャンルのイベントにどんどん出ていきたいですね。

――「Rock Away」はフェスをともに回った日高央さんが作詞作曲です。

咲良 : まさにフェスで盛り上がるようにって、日高さんにお願いしたんです。パンクな激しさあり、同じ掛け声を繰り返すポップなパートありの、すごくいい曲だと思います。

秋本 : ビジュアルも今までと違うパンクな感じなんです。

――カッコいいTEAM SHACHI。

秋本 : シリアスな感じで笑わないようにしてました。

咲良 : でも、ほーちゃんはMVの走るシーンで笑ってて(笑)

秋本 : ぜんぜん笑ってないつもりだったんですけど、楽しくて口角が上がってたみたいで、思いっきりNGでした(笑)

坂本 : 振りがなくて、自分のなかのパンクを表現しようって、とにかく激しく動いて気がついたらウィッグが落ちてて。楽しい撮影だったね。

咲良 : 自由に動くってこと自体、今まであまり経験したことがなかったしね。

秋本 : 自由って逆に難しいなって。でも頑張った。

大黒 : で、次の日は全身筋肉痛(笑)
咲良菜緒

“ライブには絶対の自信がある”。TEA
M SHACHIのこれから

――カップリングの「わたしフィーバー」も、またA面の2曲とは違った色があっていいですね。

大黒 : フレンズのえみそんさん(おかもとえみ)が作詞でひろせさん(ひろせひろせ)さんが作曲してくださった、すごくかわいい曲。TEAM SHACHIっぽいポップ感も入れてくれて、すごく嬉しかったです。これが縁で仙台ではフレンズと対バンさせてもらって、みんなで打ち上げもして、楽しかったし勉強になりました。

咲良 : 対バンって初めてだったんですよ。すごく仲良くなれたし初めての対バン相手がフレンズのみなさんでほんとうによかった。

大黒 : フレンズの「夏のSAYにしてゴメンネ♡」も一緒に歌えて。

坂本 : 「タイミング」(※ブラックビスケッツの曲でフレンズもカバーしている)もやったし。幸せだったね。

――最後に、気が早いですけど2020年に向けての目標を教えてください。

咲良 : あっという間に2019年が終わっちゃいますもんね。早いなあ。そうですね、チームちゃちほこの頃は「抱きしめてアンセム」という代表曲があったので、「Rocket Queen feat. MCU」がそうなったらいいなって。2020年には、いろんな人たちがこの曲を聴きにライブに来てもらえるように頑張ります。

坂本 : 私たちは愛知県出身で、TEAM SHACHIになってから、愛知に関わるイベントなどの仕事も多くなってきたんです。そこは変わらず地元の方に愛されるグループになれるよう頑張ります。そして、愛知から全国そして世界に知ってもらって、地元に恩返ししたいです。

大黒 : チームしゃちほこ時代にワンマンをやった日本武道館や日本ガイシホールのステージに、TEAM SHACHIとしても立ちたいんです。それが結果的に愛知県、名古屋への恩返しにもなると思います。しゃちほこでやってきたことは私たちの大切な歴史。SHACHIはそんな私たちの第2章。今はこれまで以上にライブに自信を持ってます。だから、ぜひ会場に足を運んでもらいたいです。

秋本 : チームしゃちほこから8年、TEAM SHACHIになって1年。作詞作曲、振付けやライブ、たくさんのスタッフさんにもあらためて期待してもらってるんだなって。そして昔からのファンの方々や新しく私たちを知ってくださる方々もいる。それがすごく嬉しいです。おもしろくなかったらこんなに気にかけてもらえないと思うし、そこは自信を持ってやっていきたいです。特に、ゆずきが言ったように、ライブには絶対の自信があります。1回1回のステージを全力で、新しい挑戦も止めずにやっていくんで、よろしくお願いします。

TEAM SHACHI リリース情報

『Rocket Queen feat. MCU/Rock Away』

<strong energy盤>(通常盤A) CD ¥1,200+税
<positive exciting soul盤>(通常盤B)CD ¥1,200+税
<super tough盤>(初回限定盤)CD+BD ¥2,400+税
<タイムトレイン盤>(完全生産限定盤)CD+BD ¥6,000+税


TEAM SHACHI オフィシャルサイト
公式Twitter

愛知から世界へ。改名から1年、TEAM SHACHI覚醒の秘密に迫るはミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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