つるうちはな

つるうちはな

【つるうちはな インタビュー】
大人になるのが楽しみな
アルバムにしたくて

音楽キャリアは20年以上、CM歌唱や最上もが、里咲りさ出演のCMに楽曲提供も行なっているシンガーソングライター、つるうちはな。36歳になった今年、満を持してアルバム『サルベージ』でメジャーデビューを果たす。そんな彼女に今の心境について語ってもらった。

時代が変わるタイミングだから
旧世界に取り残されないでほしい

音楽キャリアを20年積み重ねた上でのメジャーデビューについて、どのように受け止めていますか?

15や16歳の時から、普通にメジャーデビューして、普通に売れたいと思ってやってきたんですけれど、いろいろなチャンスを逃してきて…。なので、まさか20年後にこんなチャンスが来るなんて、思ってもみなかったです。でも、今振り返ってみると、16歳くらいの時に出会ったとある会社の人が“はなちゃん、もしかしたら40歳ぐらいで売れるかもしれないから、今売れなくても絶対に諦めずに続けて”と言ってくださったんですよ。この歳でこんなチャンスをいただけるのはすごいことだと思うし、今までやったことのないことを、この歳で好きな人たちとやれるのが、とてもワクワクします!

つるうちさんはご自身でも音楽レーベルを主宰しているんですよね?

はい。『花とポップス』というレーベルをやっています。長いことインディーズをやっていたので、最低限のノウハウは持っていますから。私が好きな女の子を集めて、一緒に“CDを出すにはどうすればいいか”とか、“どうやってプロモーションをすればいいのか”とかを考えて、お手伝いをしています。女の子が自分の力と意思を持って音楽で生きていける場所を作りたくて始めたんです。これはずっと続けたいですね。

つるうちさんの音楽との出会いというのは?

3歳くらいの時、母が聴いていた曲を耳コピして、その場でパッとピアノを弾き始めたみたいなんです。自我が芽生えたあたりからすでに音楽があったし、“私、これは得意だな”という自覚もあって…あと、できるからにはそれを人に分け与えないといけないことも、小さい頃から自覚的に思っていたんです。ただ、クラシックを結構がっつりとやってたので、結果を出さなきゃいけないというプレッシャーの中で凝り固まっていたところがあったんです。でも、この『サルベージ』ができた時に“やらなきゃいけないんじゃなくて、やりたかったんだ!”と気付いて、私自身が私の音楽でこんなに救われるんだから、“よしメジャーデビューも楽しんじゃおう!”という心境になったんです。

では、シンガーソングライターの仕事を選ばれたきっかけは?

矢野顕子さんの影響です。父が矢野顕子さんや小沢健二さんといった上質なポップスが好きな人だったので。子供の頃は香港に住んでいたので、日本の音楽に触れるきっかけは父しかなかったんです。それで矢野顕子さんがジャズギタリストのPat Methenyと一緒にやっているアルバム(1989年4月発表『WELCOME BACK』)の1曲目がすごくカッコ良くて。ほとんどフュージョンなんですけど、“これは私も弾きたい! 歌いながらやりたい!”と思って…小学4年生くらいの時だったんですけど、それが再現できるように頑張ろうと思って、めちゃくちゃ練習して。で、やっているうちに“クラシックよりも、こっちのほうが楽しいぞ”となり、さらに曲も書き始めたんです。“言われた通りにやるよりも、私は絶対にこっちのほうが向いている”と思いましたね。

なるほど。そして、今回の『サルベージ』なのですが、まずはどんなアルバムにしたいと思っていましたか?

誰しも本当に100パーセントの自分で生きられているかと考えた時に、結構難しいんじゃないかと思っていて。大人になるほど自分が見えなくなっていって、社会的に必要な部分だけを取り出していくうちに“封印された自分”ができていく気がしているんです。それに各々がもう1回向き合えるような…1曲でもいいから、その人の心の一番奥のところにアクセスできるようなアルバムを作りたいと思っていました。

その1曲目がエレクトロな「新次元ガール」なのですが。

最初にアルバムのコンセプトの核としてできていた曲で、アルバムタイトル曲みたいなイメージだったんです。

なぜ核になると思ったのですか?

メジャーデビューすると決まって“よし!”と思った時に、パンッとできた曲だったんですよ。私の中で2011年の東日本大震災の時からずっと続いている感覚なんですけど、これから先は自分に正直に生きられる人とそうじゃない人とで世界がパキッと分かれると思っていて。今って旧体制に対しての新しい世代の怒りみたいなものが、あちこちで爆発しているじゃないですか。権力問題だったり、パワハラやセクハラとか。今まで黙っていた人たちが、いよいよ声をあげ始めた印象がすごくあるんですよ。これは確実に時代が変わるタイミングだなって。その時にいち早く世界を明るくしていくのは、私は女の人だと思っているので、女の子たちに旧世界に取り残されないでほしいと思ったんです。9曲目の「宇宙の神秘女の子」もそういう曲なんですけど、“あなたが今まで執着してきた、嫉妬や恨みとかを全部手放して幸せになっちゃいなよ”みたいな気持ちなんですよね。
つるうちはな
アルバム『サルベージ』

OKMusic編集部

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