台湾の人気バンド・宇宙人(Cosmos
People)にインタビュー 「来年、新
しい宇宙人を観にきてください!」

2009年にデビューした台湾の3人組バンド・宇宙人(Cosmos People)。ファンク、ジャズ、ソウル、ロックなど、様々なジャンルの音楽から受けた影響を彼ららしく調理したポップなサウンドはここ日本でも注目を集め、2014年に日本デビュー盤『コスモロジー』をリリースした後は、来日公演に加えてフェスやイベントにも多数出演するなど、現在に至るまで精力的に活動を続けている。先日、上野恩賜公園で開催された台湾カルチャーフェスティバル『TAIWAN PLUS 2019』に出演するために来日していた彼らに、話を訊くことができた。
――2014年に日本でデビューしてから現在までの活動の中で、どのような変化や手応えを感じていますか?
シャオユー(小玉・Vo/Key):ライブを観てくれる方たちのリアクションがどんどん良くなっていると思います。昨日は上野公園でライブを行いましたが、一緒に歌ってくれている人がとても多くて感動しました。5年の間に、少しずつ成長できていることが嬉しいです。来年は、東京と大阪でライブを行いますが、東京の会場であるリキッドルームは、僕たちが(『タイワンダフル』というイベントで)一番最初に日本でライブを行ったライブハウスなので、すごく思い入れがあります。
――(上野公園のライブは)私も観に行きましたが、とてもたくさんの方が集まっていましたね。そして、それを見たアークェさんが、「武道館の夢はそう遠くないかも」とMCで話されていましたが、やはり、いつか武道館でライブを演ってみたいと思いますか?
3人:アハハハ(笑)。
アークェ(阿奎・Gt):もちろんです! 5年前に初めて日本に来た時に、「武道館」という多くのミュージシャンが目標とする会場があることを知りました。日本でライブを行う会場が少しずつ大きくなっているので、いつか武道館のステージに立てたらいいなと思います。自分が知る限り、いまのところ台湾のバンドだとMAYDAY(五月天)しか武道館のステージに立っていないので、台湾の2組目のバンドになりたいですね。
――きっと!
3人:(日本語で)がんばります!
――さて、皆さんは東京や大阪のみならず、日本の様々な都市でもライブを行っていますが、印象に残っているもの、出来事や食べ物などはありますか?
ファンキュー(方Q・Ba):この前福岡で行った“屋台”が印象に残っています。台湾とは違って、人通りの多い道に屋台が並んでいて、ラーメン、おでん、フランス料理と、いろいろな種類の屋台があることにびっくりしました。屋台でフランス料理を食べながら赤ワインを飲んでいる様子がとても面白いと思いました。
――これまで、日本のバンドと一緒にいくつもイベントに出演されていますよね。今でも交流が続いているバンドはいますか?
シャオユー:Nulbarichですね。台湾で地震があった時に、JQさんが「大丈夫?」とメールをくれました。彼には、デモやリリース前の楽曲を聴いてもらったりしています。
――音楽面のみならず、お友達として仲良くされているんですね。
シャオユー:飾らない自然体な方で、日本でも台湾でも、会える機会があれば一緒にご飯を食べていろいろ楽しく話しています。
――ファンキューさんはいかがですか?
ファンキュー:僕もNulbarich、そして[ALEXANDROS]THE ORAL CIGARETTESですね。台湾でも何度かライブを観る機会があったのですが、ステージ上での動きやライブでのアレンジなど、学ぶことが多かったです。特にNulbarichは、アルバムとライブでのアレンジの印象が全然違うところが好きです。ライブでは、それぞれのメンバーのソロがあったり、より音が豊かに感じられていいなと思いました。
――きっと彼らも宇宙人のみなさんから影響を受けたりして、お互いに刺激し合っているんでしょうね。
ファンキュー:彼らがどんな風に思っているのか聞いてみたいですね。ぜひ今度取材してください(笑)。
宇宙人(Cosmos People)
――さて、日本で初めてライブを行ってから5年とのことですが、バンドは今年でデビュー10周年ですよね。たくさんあると思いますが、なにか印象に残っていることを教えていただけますか?
シャオユー:ありすぎますね(笑)。初めて日本に行ったのは(2014年の)『サマーソニック』なのですが、リキッドルームでライブを行ったあと、『サマーソニック』の前に、一度ライブのために台湾に帰らなくてはならず。それだけでもなかなかハードだったのですが、僕は風邪をひいてしまって熱が出て、とてもしんどかったことが忘れられない思い出です(笑)。
――そうだったのですね……。ライブを観ている限りでは、そんなに具合が悪かったとは全くわかりませんでした。現在はデビュー10周年のライブツアー真っ只中ですね。10周年を意識した内容になっているのですか?
ファンキュー:10周年のツアーということで、これまでライブであまり演奏したことがなかった曲もセットリストに組み込んでいます。新曲ももちろんやりますが、毎回1~2曲くらいは昔から応援してくれているファンの方々が喜んでくれそうな曲を選んでいます。
――10周年のツアーは今年7月からスタートしていますが、やはりライブを行っているうちにアレンジなど曲が変化していくものですか?
ファンキュー:変化していくことは大いにありますね。最初の公演から最後の公演まで、演奏する曲が大きく変わることはあまりないですが、演奏の感じは変化します。最初は、どんなに練習してもステージに立った時に若干ぎこちなさがあったりしますが、1~2公演終わると、そのセットリストを演奏してみた感じやオーディエンスのリアクションなどによって曲が少しずつ変化していきますね。たとえば、ある曲では元々短かったアークェのギターソロの時間がどんどん長くなっていきました(一同笑)。
アークェのアイディアでそこに僕らも加わり、ちょっとした見せ場になったこともあります。ここが盛り上がったからもっとこうしようなど、工夫して演奏を進化させていくのがツアーでのちょっとした楽しみだったりもしますね。
――来年、東京と大阪で行われるライブでは、さらに進化した宇宙人を期待しています。どんなライブになりそうですか?
シャオユー:来年の2月8日には台北アリーナで公演があり、日本公演はその後なので、台北アリーナを経験し、きっとまた新しいアイディアに溢れていると思います。
アークェ:次の来日公演では、ガラッと雰囲気の違う“新しい宇宙人”を観ていただけると思います。
――では、台北アリーナ公演はどんなライブになりそうですか? 日本から観に行こうと思っているファンの方もいらっしゃると思います。
シャオユー:今は、3人のうちの誰が“飛ぶ”かを考えているところです(一同笑)。その時にならないと誰になるかはわからないので、日本のファンの皆さん、ぜひ予想してみてください。安全上の理由で飛ばない可能性もありますが……(笑)。
――日本でもいつか飛んでくれますか?
シャオユー:リキッドルームは難しいですね……。
――では、いつか武道館で!
シャオユー:わかりました……(笑)。
――(笑)。台北アリーナは、台北で一番大きなコンサート会場だと思いますが、気合いはいつも以上に入っていますか?
ファンキュー:そうですね。実は、一年以上前から計画して準備していたことなので、常に心の中に(台北アリーナのことが)あったし、それを目標に、作品の発表タイミングを考えたりしていたので、気合いはとても入っています。また、10,000人を超える会場での単独公演は初めてなので少しプレッシャーもありますが、とても楽しみです。
――アークェさんはいかがですか? 台北アリーナでは、これまで様々なアーティストのライブをご覧になってきたのではと思います。
アークェ:実は、これまでいろいろなアーティストのライブを観ながら、もし自分があのステージに立ったらどのようなパフォーマンスをするだろうと、イメージしていたこともありました。随分前にMAYDAYのライブを観たし、他のアーティストのライブも観ていたので、長い道のりのようにも感じます。やっと願いが叶って実現するんだという気持ちが大きいですね。
宇宙人(Cosmos People)
――楽しみですね! 話は変わりますが、以前、欧米のアーティストがコンサートで台湾にあまり来ないとおっしゃっていましたが、ここ数年はエド・シーラン、コールドプレイ、ブルーノ・マーズなど、前よりもたくさんのアーティストが台湾でライブを開催しているように思います。実際に観に行って印象に残っているアーティストや刺激を受けたアーティストはいますか?
ファンキュー:今名前が挙がったブルーノ・マーズとコールドプレイは、3人で観に行きました。衝撃を受けましたね。YouTubeでは何度もライブ映像を観たことがありましたが、実際に生で観ることができて本当に良かったです。学ぶこともたくさんありました。たとえばブルーノ・マーズは、最初から最後まで流れるようにスムーズにライブが進んでいき、恐らくとんでもない時間をかけて準備をしているんだろうけど、それを感じさせずにすごく自然な感じがして、エネルギッシュかつ楽しいライブでした。コールドプレイの時は雨が降っていて、中央に置いてあったピアノが壊れてしまったんですが、クリス・マーティンはそんな状況を物ともせずに最後までやり遂げていて、とてもスペシャルなライブでした。
ライブでは、唯一無二の貴重な体験ができます。たとえばコールドプレイのライブでは、雨が降っていたけれど、雨の時にしか味わうことのできないレーザーや照明の雰囲気があったと思うし、雨で足元がドロドロになってしまったことも良い思い出になりますよね。自分たちの場合も、良い状況も良くない状況もあるかもしれませんが、全てひっくるめてその時だけの良い思い出を一緒につくれたら……と思います。
――3人でライブを一緒に観に行くことは多いのですか?
シャオユー:なるべくそうするようにしていますね。
――そうなんですね。では、新作のことも伺わせてください。前作『RIGHT NOW』をリリースしてから約2年経ちますが、新作のリリース予定はありますか?
シャオユー:まずは、近々新曲を1曲発表する予定です!
――最後に、改めて来年の来日公演のこと、またファンの皆さんへ一言いただけますか?
シャオユー:今回の東京と大阪の公演は、台北アリーナの後の公演なので、とても特別なものになると思います。新しい宇宙人が誕生していると思いますので、ぜひ観にきてください! 皆さんのおかけで、日本でライブを行なう会場が少しずつ大きくなっています。ずっと応援して下さり、ありがとうございます。
アークェ:日本のファンの皆さんに感謝したいです。日本だけでなく、他の国にも来て、前の方でライブを観てくれるファンの方々もいます。この5年間ずっとついてきてくれてありがとうございます。
――これからまた新たな10年が始まるということですね。
3人:そうです!
――新しい宇宙人も楽しみにしています。ありがとうございました!
3人:ありがとうございました!

取材・文=岡村有里子 撮影=大橋祐希
宇宙人(Cosmos People)

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