【coldrain ライヴレポート】
『"THE SIDE EFFECTS"
ONEMAN TOUR 2019』
2019年10月4日
at Zepp DiverCity Tokyo
coldrainは新たなフェーズに突入した。最新アルバムでの取材の際、“自分たちがやればラウドロックになる”と自信満々に語っていたMasato(Vo)。事実、最新作は過去作を凌ぐバラエティーに富む曲調を揃え、新たなアレンジを盛り込んだ意欲作中の意欲作だった。そのレコ発ツアーを観てきたが、ライヴにおける新曲の響き方、ショー全体の流れを意識した構成力など、あらゆる意味で以前とは一線を画したパフォーマンスを魅せてくれた。曲間にMasatoはユーモアに富むMCを挟む一方、肝心のライヴ自体はバンドの世界観を縦横に広げ、シアトリカルとも言うべき世界観を掘り下げていた。とりわけ「INSOMNIA」はバンドの新たな表情をうかがわせるドラマチックな曲調で、その豊かな表現力の高さに惹き付けられた。この曲に限らず、最新作の楽曲は力業でねじ伏せるのではなく、観る者の感情を多方面から揺さぶるアプローチが随所に張り巡らされている。それにより、新旧織り交ぜた楽曲群がお互いに良い化学反応を起こし、ライヴ全体のダイナミズムも圧倒的に高まっていた。これは間違いなく国内外のツアーで得た経験値が活きているに違いない。
揺るぎない芯を持ちつつ、どこでも通用する“しなやかな強さ”を身に付けたcoldrain。「MAYDAY」ではCrystal LakeのRyo(Vo)とMasatoが熱い掛け合いを披露し、またバラード曲「JANUARY 1ST」もライヴで一段と映え渡っていた。まだツアー序盤戦ゆえ、ここからどう磨き抜かれていくのか、最終公演が本当に楽しみだ。
撮影:ヤマダマサヒロ/取材:荒金良介