長谷川京子×森新太郎『メアリ・スチ
ュアート』にシルビア・グラブ、三浦
涼介、吉田栄作ら 17名の全キャスト
が発表

2020年1月27日(月)~2月16日(日)世田谷パブリックシアターにて上演される舞台『メアリ・スチュアート』の全キャストが発表された。
今作の演出を務めるのは森新太郎。森は、30代にして、『汚れた手』(劇団昴)『エドワード二世』(新国立劇場)の演出で読売演劇大賞の大賞(グランプリ)・最優秀演出家賞・芸術選奨新人賞を受賞した演出家。世田谷パブリックシアターではこれまでに『ハーベスト』(2012年)、『The Big Fellahビッグ・フェラー』(2014年)、『The Silver Tassie銀杯』(2018年)といった本邦初演の公演も行っており、今作が森と世田谷パブリックシアターがタッグを組む5作目にあたる。
近年では、メアリとエリザベスの二人の女王だけが登場する版の上演の機会も多く有名な『メアリ・スチュアート』だが、本作は登場人物が20数名に及ぶ群像劇。18世紀に活躍したドイツの大劇作家シラーの原作を、20世紀のイギリスの詩人スティーブン・スペンダーが脚色した戯曲をテキストにしている。史実を元にした話だが、権力を手にする者の孤独、また権力者の間を奔走しながら自分の生きる道を見出そうとする人々の生きざまが繊細な心理描写によって鮮やかに描きだされ、現代に生きる人々にもリアルな説得力をもって迫ってくる作品になっているという。
17名のキャストは以下のとおり。
タイトルロールのメアリ・スチュアートを演じるのは、すでに発表されていたとおり、今回9年ぶりの舞台出演となる長谷川京子。栄華の頂点を極める立場にありながら、権力者の悲哀を一身にまとうイングランド女王役にシルビア・グラブ。史実でも女王エリザベスに爵位を与えられて重用され、愛人関係にあったことでも知られるレスター伯に吉田栄作。レスター伯は、過去にはエリザベスの命によってメアリの婚約者候補になるなど、屈折し複雑にねじれた恋愛心理がひそむ重要な役どころだ。メアリが幽閉されているフォザリンゲイ城の厳格な領主・ポーレット(山本亨)の甥ながらフランスで学んだ青年・モーティマーに三浦涼介。モーティマーは、実はシラーによって創作されたキャラクターだ。エリザベス一世の寵臣の座をめぐりレスター伯に対抗する大蔵卿・バーリーとケント伯にはそれぞれ山崎一、池下重大。重鎮ともいえる国璽尚書シュローズベリー伯タルボットに藤木孝。そしてメアリの乳母ハンナに鷲尾真知子、かつての執事メルヴィルに青山達三。イングランドの微妙な国際地位を象徴する、フランス大使・オーベスピーヌ伯に星智也、アンジュー公の特使・ベリエーヴルに青山伊津美。そして知らぬ間にメアリ処刑への重要な立場を負わされてしまうエリザベスの秘書ディヴイスンに黒田大輔。そのほか、モーティマーの仲間・オーケリー役に若手としての躍進がめざましい玲央バルトナー、剛腕な隊長役に冨永竜、メアリに仕える侍女たちに実力派の鈴木崇乃、金松彩夏が出演する。
演出の森新太郎は上演にあたり、「史実によれば、エリザベスはメアリの死刑執行命令に署名したことを、生涯、後悔し続けたそうです。何がかかる悲劇を招いたのか――。シラーは彼女たちの心の内における“理性”と“感情”の葛藤を微細に活写するとともに、世論の脅威や宗教間の確執、国家間の覇権争いが二人の運命を押し流していく様を巨視的なスケールで描き切りました。このスリリングで無情な人間ドラマを、現代にも通じる政治劇として蘇らせたいと思います。」とコメントを寄せている。
森新太郎

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