【ライブレポート】KREVA主催<908
FESTIVAL 2019>横アリ豪華「音」の
競演、大盛況

KREVA主催の“音楽の祭り”<908 FESTIVAL 2019>が9月26日に横浜アリーナで開催された。満員御礼の12000人の観客を沸かせたイベントの模様をオフィシャルレポートでお届けする。
この9月8日にめでたくソロデビュー15周年記念日を迎えたKREVAが、自ら主催する音楽フェス<908 FESTIVAL 2019>。今年は9月26日に、はじめて横浜アリーナで開催された。開演時、KREVAが生み出してきた無数の楽曲タイトルが次々スクリーンに表示され、そして“無縁狼煙”の文字が浮かぶと、ステージ下からポップアップされたKREVAが大歓声の中、この新たな姿勢表明と呼ぶべき猛烈なボルテージのラップを飛ばしまくる。演奏を支えるのは、この夜のハウスバンドとして全編で活躍するKREBand(柿崎洋一郎/Key、白根佳尚/Dr、近田潔人/G、大神田智彦/B、熊井吾郎/MPC+DJ)の面々だ。
「ああ、すごいいい感じ。全員、俺のこと観に来てる感じ」と笑いを誘いつつ来場者を歓迎するKREVAは、「1+1で、でっかい1になろう」と呼びかける。昨年の<908 FES>で初披露されたオリジナルバージョンはJQ(Nulbarich)とのコラボ曲だったが、今回のステージでは、<908 FES>の盟友と呼ぶべき三浦大知を呼び込んでの“One feat. 三浦大知”。コーラスにSONOMIと宏実も加わるパフォーマンスで、KREVAと三浦がアリーナ通路を最後方まで移動しながら、オーディエンスを熱狂の渦に叩き込むさまが痛快である。
さまざまなアーティストにステージを任せ、ときにコラボレーションを繰り広げる<908 FES>だが、世界の最先端ダンスポップとシンクロするようなユニークな音楽性を誇るDEAN FUJIOKAは、“History Maker HITM ver”を手始めに横浜アリーナの広大な空間と堂々渡り合う力強い歌声を披露していった。TVドラマ主題歌に起用された“Echo”は、KREVAがこの日のためにラップを書き下ろしたコラボバージョンで披露される。
続いて呼び込まれたのは、20年以上のプロキャリアを誇るBONNIE PINK。これまでの<908 FES>でさまざまなシンガーと歌われてきた“くればいいのに”は今回、彼女の芯の強い歌声によって完成した。バンドのリッチな音像に支えられた“Tonight, the Night”や“A Perfect Sky”といった自身のヒット曲はもちろん、ステージを去ろうとするBONNIE PINKをKREVAが引き止め、彼女のカバーレパートリーであるサザンオールスターズ“真夏の果実”をリクエスト。三浦大知も招かれ、3人が椅子に腰掛けながら豪華なスイッチングボーカルを披露するのだが、とりわけサビ部分でBONNIE PINK×三浦が繰り広げるハーモニーの美しさは絶品だ。
男性4人組のダンス・パフォーマンス・グループとしてステージを任された、シッキンことs**t kingz。“BLOW”(エド・シーラン、ブルーノ・マーズ、クリス・ステイプルトン)や、ネイサン・シュレイクによるマイケル・ジャクソンのカバー“P.Y.T.”、さらにはサザンオールスターズ“太陽は罪な奴”と、多彩な曲調をキレの良いダンス・コンビネーションで乗りこなしてゆく。三浦大知やKREVAとのライブ共演について思い出を語り、最後はオーディエンスに振付をレクチャーしながらオリジナル曲“Poppin!”へ。白スーツ姿のKREVAがラップで飛び入りし、さらにDEAN FUJIOKAも振付に巻き込むという賑やかな一幕になった。

シッキンに負けじと、熱唱しながらもオーディエンスをダンスに誘う三浦大知のパフォーマンス。自身の楽曲はもとより、KREVAがラップで焚きつける“FEVER 勝手にリミックス”でも鉄壁のコラボレーションが届けられる。<908 FES>に寄せる感謝の言葉とともに、「すぐそばにある愛を、大切にして欲しいと思います」と思いを添えて届けられたのは、今年6月にリリースされたシングルの優しいバラード“片隅”。そこからシッキンと強烈にエモーショナルな共演を繰り広げる“飛行船”の流れは圧巻の一語に尽きるものであった。最後にはミュージックビデオの映像を背負い、“Blizzard”で持ち時間を締めくくる。近作曲によって、さらに鋭く磨き抜かれた表現力を見せつけるステージであった。
そして三浦が呼び込むのは、アンカーのKREVAだ。音玉が炸裂する“基準 〜2019 Ver.〜”の先制パンチから、個人的にはこれまで聴いてきた中で最も素晴らしかった“ひとりじゃないのよ feat. SONOMI”。そしてリリースされたばかりの新作アルバム『AFTERMIXTAPE』からは、シッキンがパントマイム風にリリックを肉体で表現する“アイソレーター”や、分け隔てなくすべての人々をパーティーに誘い込む“敵がいない国”が披露される。

デビューアルバム『新人クレバ』収録曲でありながら遂にライブ初披露された“You're the NO.1(Hey DJ!) feat. BONNIE PINK”は、“ひとりじゃないのよ”や15周年連続リリースの発端となった“音色 〜2019 Ver.〜”と並んで、アニバーサリーを祝福するような響き方をしている。三浦大知とのコラボ曲の数々をメガミックスしてなだれ込む“Your Love feat. KREVA”の直前には、「初めてKREVAさんのライブに参加させてもらったのが、横浜アリーナなんですよ」という思い出も添えられていた。

満場のオーディエンスが、シンガロングにハンドクラップ、ダンスをフル稼働させ、バンドメンバーのソロリレーが盛り込まれる“C'mon, Let's go 〜2019 Ver.〜”と “Na Na Na 〜2019 Ver.〜”にかけての壮観な本編クライマックス。そして出演者全員が大集合して《ねぇ パーティはIZUKO?》《ここだ!》の盛大な掛け合いを繰り広げるアンコールまで、今回は過去の<908 FES>にも類を見ないほど、親密で温かなバイブレーションに満たされ続けるステージになった。KREVAデビュー15周年の経験による包容力が、そうさせたのだろうか。ひとりひとりを輝かせ、結びつける音楽の場としての<908 FES>もまた、絶えず成長し続けているのだ。

写真:岸田哲平、中河原理英、本田裕二
セットリスト<908 FESTIVAL 2019>

2019年9月26日(木)横浜アリーナ

■KREVA
01. 無縁狼煙
02. One feat. 三浦大知

■DEAN FUJIOKA
03. History Maker ”HITM ver”
04. Sakura
05. Echo feat. KREVA

■BONNIE PINK
06. くればいいのに feat. BONNIE PINK
07. Tonight, the Night
08. A Perfect Sky
09. 真夏の果実

■s**t kingz
10. BLOW
11. P.Y.T.
12. 太陽は罪な奴
13. Popping!

■三浦大知
14. Be Myself
15. (RE)PLAY
16. FEVER 勝手にリミックス feat. KREVA
17. 片隅
18. 飛行船
19. Blizzard

■KREVA
20. 基準 〜2019 Ver.〜
21. ひとりじゃないのよ feat. SONOMI
22. アイソレーター
23. 敵がいない国
24. You're the NO.1(Hey DJ!) feat. BONNIE PINK
25. Your Love feat. KREVA
26. 音色 〜2019 Ver.〜
27. C'mon, Let's go 〜2019 Ver.〜
28. Na Na Na 〜2019 Ver.〜
EN. パーティーはIZUKO? 〜2019 Ver.〜


ニューアルバム『AFTERMIXTAPE』

2019年9月18日(水)発売
全12曲収録

初回限定盤A<CD+Blu-ray+特殊ジャケット>
VIZL-1628 ¥4,908 + 税
初回限定盤B<CD+DVD+特殊ジャケット>
VIZL-1629 ¥3,908 + 税
通常盤<CD>
VICL-65233 ¥2,908 + 税

<収録曲>
01. MIX / TAPE
02. 敵がいない国
03. One feat. JQ from Nulbarich
04. S.O.S.が出る前に
05. アイソレーター
06. リアルドクターK
07. 人生
08. Don't Stop Y'all, Rock Rock Y'all
09. もしかしない
10. 無煙狼煙
11. それとこれとは話がべつ! feat. 宇多丸, 小林賢太郎
12. 君の愛 Bring Me To Life

<特典Blu-ray/DVD収録内容>
1. 敵がいない国(Music Video)
2. One feat. JQ from Nulbarich(Music Video)
3. 敵がいない国, One feat. JQ from Nulbarich & AFTERMIXTAPE Shooting(Making)

ストリーミングサービスおよびiTunes Store、レコチョク、moraなど主要ダウンロードサービスにて配信予定
※音楽ストリーミングサービス:Apple Music、LINE MUSIC、Amazon Music Unlimited、AWA、KKBOX、Rakuten Music、RecMusic、Spotify、YouTube Music

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