2019年9月23日 at マイナビBLITZ赤坂

2019年9月23日 at マイナビBLITZ赤坂

【ネクライトーキー
ライヴレポート】
『ネクライトーキー
ワンマンツアー 2019
”ゴーゴートーキーズ!
全国編「〆」”』
2019年9月23日
at マイナビBLITZ赤坂

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 9月23日、超満員のマイナビBLITZ赤坂。ネクライトーキーにとって最大規模となったワンマンの熱気は想像していたよりもずっと凄まじく、バンド結成以前から頑固に音楽と向き合ってきた5人だからこそ生み出せる幸福感に満ちたものだった。

 本公演は朝日(Gu)がボカロP“石風呂”名義で発表してきた楽曲のセルフカバーを収録したミニアルバム『MEMORIES』のリリースツアー追加公演。2011年の発表当時より高い人気を誇る「ゆるふわ樹海ガール」を投下する最高のスタートを切ると、観客が前へ前へと押し寄せてフロアーはすでに大熱狂に! 続く「ジャックポットなら踊らにゃソンソン」をはじめ、『MEMORIES』に収録された楽曲もたっぷり披露されたが、この日は“セルフカバーアルバムのツアーだから”ということで、未収録だった「ロック屋さんのぐだぐだ毎日」「サンデーミナミパーク」がセットリストに組み込まれたのも、兼ねてよりの石風呂ファンにとっては嬉しいサプライズだろう。

 “ネクラ”をバンド名に冠し、日常にこびり付く憂鬱やネガティブと戦い続けてきたネクライトーキーは、今ではそういった感情を完全に味方に付けている。耳をつんざくようなもっさの歌声と朝日の一心不乱なギタープレイ、クールかつ堂々とした藤田のベースライン、カズマ・タケイ(Dr)が時折見せる笑みはバンド全体の調子を表し、中村郁香(Key)が奏でるキャッチーなメロディーが観客の高揚感を煽っていく。さらにパワフルなリスナーも率いて鳴らす爆音の中からは“このまま突き進むだけ”という迷いのないバンドの意志を感じた。朝日は20代前半で石風呂として発表した楽曲たちを“クソガキ”と言っていたが、そのルーキーなパワーが8年近くの年月が経っても衰えていないことを、『MEMORIES』のリリースやこのツアーで体感したのではないだろうか。

 後半は“昔の再生数多めの曲に頼ってたらダサい”と言って会場を笑わせつつ、新曲をお披露目。肌寒い季節の訪れを感じるしっとりとしたバラードから、その反動でできた“ぽんぽこ節”という仮タイトルのナンバーを聴かせる。藤田が前に出て拳で腹を叩くジェスチャーをした時は何が始まるのかと思ったが、ファンクロックなサウンドが転調していく展開にまだ知らないネクライトーキーの魅力を味見できたような気分だった。新曲のたびに発見をくれるバラエティー豊かなバンドだが、そのあとに鳴らした「夕暮れ先生」のような情けない自分を鼓舞し続ける人間臭さが根っこにあるのは、きっとこの先も変わらない。

 そして、この日一番と言っていいほどフロアーのテンションが上がったのは「許せ!服部」。毎度イントロから歓声があがり、ライヴではアップテンポで披露するのがお馴染みのナンバーで、この日はもっさが“CD”“ライブ”と書かれた2つのパネルを挙げてバンドの演奏を仕切る。楽しそうにメンバーを操るもっさが途中から思いっ切りギターソロをかき鳴らすと、そこから3分ほどの楽曲を倍以上に拡大して各パートのソロをがっつりプレイ! 中村が歓声を浴びる4人に負けじとショルダーキーボードで登場する場面もあり、演奏が終わってからも鳴り止まない拍手に朝日が“ええバンドちゃう?”と自慢げな表情を見せたのが印象深い。ネクライトーキーは朝日を中心に結成されたバンドであり、バンマスとして彼の存在を強く感じていたが、この「許せ!服部」のパフォーマンスを観てからは今やメンバー5人誰もが中心に立てるバンドであることが分かった。

 この2年間ですっかりバンドのキラーチューンとなった「オシャレ大作戦」では、沸きっぱなしのフロアーにMVさながらのカウントダウンで銀テープを振りまく。そんなこだわった演出からもバンドの活気を感じつつ、後半は新曲を4曲も堪能できた。これからの進化が楽しみでたまらない想いの中、オーラスに「ティーンエイジ・ネクラポップ」を持ってきたのは彼ららしいと納得。『MEMORIES』という作品は朝日の10年あまりの音楽人生にこの4人が加わったことを実感するメモリアルな作品であり、メンバー全員の意見が一致して最後に収録されたのが同曲なのだ。ネクライトーキーに対して“まだ結成から2年”“ものすごい勢いのバンド”などいろいろな見方があると思うが、ひとりで制作活動していた朝日が“過去を振り返った時に10代の頃の毎日を思い出して笑えたら”という想いを込めて作った「ティーンエイジ・ネクラポップ」を、この最大規模のマイナビBLITZ赤坂ワンマンで響かせることで、バンドの過去と今と未来をしっかり見つめているような気がした。

撮影:Kana Tarumi/取材:千々和香苗


セットリスト

  1. 1. ゆるふわ樹海ガール
  2. 2. ジャックポットなら踊らにゃソンソン
  3. 3. ロック屋さんのぐだぐだ毎日
  4. 4. きらいな人
  5. 5. レイニーレイニー
  6. 6. めっちゃかわいいうた
  7. 7. こんがらがった!
  8. 8. サンデーミナミパーク
  9. 9. 涙を拭いて
  10. 10. だけじゃないBABY
  11. 11. あの子は竜に逢う
  12. 12. 新曲
  13. 13. 新曲
  14. 14. 夕暮れ先生
  15. 15. 許せ!服部
  16. 16. 新曲
  17. 17. 音楽が嫌いな女の子
  18. 18. オシャレ大作戦
  19. 19. 遠吠えのサンセット
  20. <ENCORE>
  21. 1. 新曲
  22. 2. ティーンエイジ・ネクラポップ
ネクライトーキー プロフィール

ネクライトーキー:2017年にギターの朝日が中心となって結成。19年3月に初回ライヴよりすべてのライヴサポートを行なっていたキーボードの中村郁香が正式加入し、現体制となる。ボカロP“石風呂”名義でも活動する朝日による軽快なロックサウンドと、あどけなくも鋭く響くもっさのヴォーカルが印象的。20年1月にアルバム『ZOO!!』でメジャーデビュー。21年5月にアルバム『FREAK』、22年6月に石風呂の楽曲をネクライトーキーでリアレンジしたセルフカバーミニアルバム『MEMORIES2』をリリース。23年8月にEP『踊れ!ランバダ』を発表、11月に配信シングル「bloom」をリリースした。24年2月に2年9カ月ぶりとなるオリジナルアルバム『TORCH』を発表後、5月よりリリースツアー『ゴーゴートーキーズ! 2024』を開催する。ネクライトーキー オフィシャルHP

OKMusic編集部

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