ミュージカル『ウエスト・サイド・ス
トーリー』 Season1 製作発表 宮野
真守、蒼井翔太と熱唱する笹本玲奈が
「両手にトニー」と笑顔 

2019年11月6日(水)から東京・IHIステージアラウンド東京にて上演される、ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』日本キャスト版 Season1 の製作発表が9月24日(火)に同劇場にて行われ、本作に出演する宮野真守蒼井翔太北乃きい、笹本玲奈が出席した。
1957年に初演を迎えて以来、世界中で何度となく再演を重ねている“ミュージカルの金字塔”。1950年代の米・ニューヨークを舞台に、人種問題や移民同士の対立など今なお続く社会問題を盛り込んだ現代版『ロミオとジュリエット』は、現在、海外キャストによって絶賛上演中だが、11月からは宮野ら日本キャストによっていよいよ上演となる。

約3000人の応募の中から選ばれた800人のオーディエンスが集結した劇場内では、映画版の『ウエスト・サイド・ストーリー』、そして今上演されている海外キャストによる『ウエスト・サイド・ストーリー』、そして日本キャストの紹介VTRが次々とスクリーンに映し出される。一瞬の暗転の中、客席後方から劇中歌「Maria」を歌うトニー役の宮野が姿を現すとファンから悲鳴のような歓声が上がり、同じくトニー役の蒼井が同曲を歌いながら登場するとまた興奮した叫び声が場内に響き渡る。二人は通路を歩いてステージにあがると、そこにはマリア役の北乃と笹本が海外キャスト版で現在使っている舞台セットの二階部分から微笑みを振りまいていた。
二人のトニーは二人のマリアに向けて代わる代わる歌声を届け、終わると場内から大きな拍手が沸き起こっていた。

「(一階に)降りておいで」「階段に気を付けて」と二人のトニーが声をかける中、二人のマリアが二階から降りてきて、製作発表がスタートした。
冒頭で「Maria」を披露した後、もう一曲「Tonight」を披露する事に。あいにく喉の調子が悪く、大事を取って北乃が見学する前で、笹本と宮野、蒼井が熱唱。熱量が大きく激しい愛を歌い上げる宮野と、高音ボイスで優しく、そして強く愛を歌う蒼井。そんな二人の間に立った笹本は伸びのある歌声を響かせ、会場内を「Tonight」一色に染め上げていた。三人の歌の感想を求められた北乃は「鳥肌が立ちました! すごかったです」とほおを上気させていた。
宮野は「緊張しましたね。誰もが知るナンバーをまさか自分が歌えるとは思ってもいなかったし、自分も大好きなナンバーなので、こうして皆さんの前で歌うことで、トニーをやるという実感がどんどん湧いてきています」と述べる。蒼井は「今歌った『Tonight』も、さっき歌った『Maria』も、本番が始まってしまうと宮野さんと共に歌うことがないんですよ」としみじみ語ると、宮野も「特別バージョンのデュエットだったね」と微笑む。蒼井はうなづきながら、「これから皆で楽曲を育てていきたいです」と力を込めた。一方、笹本は「トニーが二人っていう、どっちを見たらいいのかと。“両手にトニー”というのは初めての事で(笑)。貴重な経験をさせていただいた」と振り返っていた。
「両手にトニー」by笹本さん
その後、トークセッションへ。舞台セットもトニーが働くドクの店に“回転して”チェンジ。そこで改めて4人の話が始まった。
司会から、この360°回転する劇場の印象を聴かれると、「ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season 月 Produced by TBS」<下弦の月>に出演した宮野は「僕は(この舞台で)回ったことがある人間なんですけれど、今まで舞台に立ったことがあるんですが、そのノウハウが全然通用しないという舞台に初めて出会いまして。出ハケから何から場所が変わるので、役者にとってこんなに新たな体験ができる舞台がまだあったのか、とプラスに働くパワーをもらえます」と体験を口にし、初めて同舞台に立つ3人へのアドバイスとして「楽屋の場所だけ覚えとけばいいから! どの(セットの)裏に楽屋があるのか、それを頼りにするといいですよ」と語った。
蒼井は「実際にステージに立って客席の皆さんを見ると、こういう風に見られるんだな、と実感します」というと、宮野が「客席がものすごく近いんだよね?」と合いの手。その言葉を受けて蒼井が「ツバとか飛んでませんか?」と前列の観客を気遣うと、宮野は「飛んでる、飛んでる! 嬉しいんだよ」と客の気持ちを代弁(?)。そのマニアックな視点に観客は皆大笑いとなった。

この作品の印象を聴かれた笹本は「私の父と母はリアルタイムでこの作品を観ていた世代」と話し出す。「特に父は『Tonight』が好きだと言っていたので、この作品のオーディションをマリア役で受ける事にややためらいがあった。でも両親を喜ばせたいと思って挑戦し、合格した時には私以上に両親が喜んでくれて。今までで一番のプレゼントができた」と胸の内を語る。
北乃は冒頭のVTR中で「(オーディション会場の)ドアを開けたらマリア役は私しかいないと思った」と発言したことを拾われ、「いやいや、そのときはそういう気持ちで(オーディションに)臨んだだけなので」とみるみる顔が真っ赤に。隣に座る宮野が北乃を気遣って「そんな事を言わないでくださいよ~」と椅子から立ち上がって司会に文句を付ける一幕も(笑)。
司会に突っ込む宮野さん
宮野さんのダイナミックな笑顔!
蒼井は「悲恋を題材にしながらも未だに終わらない問題を人々の心に訴えかけている作品だと思うので、改めてこの作品を観てくださる皆さんと一緒にそんな問題を考えていきたい」と作品の魅力を真剣に述べる。が、Twitterで事前募集された中から「長丁場の舞台、これがあれば乗り越えられるという食べ物は?」という質問が紹介されると、「食べるのが好きな方がここに二人……」と宮野が蒼井と笹本を指差す。「僕は毎回公演が終わった後に1ピースでいいのでケーキを置いて欲しい」とふにゃっとした口調で甘い物をリクエストする蒼井。宮野は「こいつ、舞台稽古で移動するときになんだか胸ポケットが膨らんでると思ったらお菓子がいっぱい詰まってて! ハッピーターンやらキットカットやら……」と舞台裏を暴露。蒼井は「常備しとかないと、頭が働かなくなるので~」とニコニコ。宮野はそんな蒼井を見ながら「差し入れの用意、頑張ります」と謎の気合いを入れていた。
美味しい差し入れ大歓迎!?コンビ
同じく食べるのが大好きな笹本にも差し入れのリクエストを聴くと「こんなになって(太って)しまいますよ!」と抵抗する笹本。蒼井が「ここの二人(蒼井・笹本)が徐々に太っていく」といえば笹本も「甘いものが大好きなんです!」と声を大にして主張。「食べている姿が微笑ましいんだよね」と宮野につっこまれた蒼井は「だって美味しいんだもん」と可愛くリアクション。その言葉に会場からホウッとため息が漏れ出していた。
蒼井はさらに「僕は最近クレープが大好きなので……兄さん、クレープを~」と宮野におねだり。宮野が「了解です、了解です、クレープね」と答えると「やったー!」とガッツポーズ。その隣で後輩に振り回され、トホホ顔になっていた宮野が印象的だった。
蒼井さんの表情と対照的な宮野さんの表情にご注目ください(笑)
取材・文・撮影=こむらさき

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