【山人MCバトル・山人音楽祭 2019】
『山人音楽祭』の裏メイン 今年の勝
者は誰の手に…!?

山人音楽祭 2019【妙義ステージ】 山人MCバトル
もはや説明不要。山人音楽祭の裏メインイベント「山人MCバトル」が今年も開催! 4回目となる今回の参加者はNAIKA MC、崇勲、TK da 黒ぶち、歩歩、Mc.Kj、小池潔宗、BUSSといった常連組はもちろん、MIRI、裸武、マチネ、MC 龍、裂固といった初参加組も多く、スタート前から期待度が高い。でも、N∀OKI(ROTTENGRAFFTY)は不参加かー。なんだー。
ステージ前にはすでに多くのオーディエンスが集まり、例年以上の熱気を感じる。これも継続してきたからこその結果だろう。司会を務めるのはK.I.G 、そしてDJはR da Mastaという安定の顔触れ。さあ、今年はどんなバトルが繰り広げられるのか……?

山人MCバトル
山人MCバトル

山人MCバトル
1回戦1試合目は、BUSS vs. 小池潔宗。お互いをディスるというより、今年のMCバトルの開会宣言といったムードのフリースタイルが展開された結果、小池が勝利を獲得。マチネ vs. MC 龍では、マチネが龍の名前に絡めてラッパ我リヤのMr.QやKICK THE CAN CREWのMCUの名前を繰り出してオーディエンスを沸かせ、龍のラップに対しても的確なアンサーを返していく。個人的にはマチネ勝利のような気もしたが、観客が選んだのはMC龍。そう、このMCバトルの審判はこの場に集まったオーディエンスなのだ。
山人MCバトル
山人MCバトル

TK da 黒ぶち vs 裸武は、高音でキレのいいTK da 黒ぶちのラップに、流れるようなフロウの裸武が受けて立つという形でスタート。裸武の独特なフロウもよかったけど、勝利を収めたのは速射砲のようなラップで言葉を詰め込んだTK da 黒ぶち。
続いてのカードを聞いてのけぞった。NAIKA MC vs MIRIである。アイドルとはいえ、2017年に開催されたCINDERELLA MC BATTLEで準優勝を収めたMIRIも実力者ではある。とはいえ、相手はNAIKA MC……。しかし、女子相手に鬼になりきれなかったNAIKA MCがMIRIに押されるという面白い展開になり、今大会初の延長になだれ込んだ。これに動揺したのがMIRI。NAIKAが相手ということで相当気を張っていたのか、ここで緊張の糸が切れ、完全に怖気づいてしまったのだ。こうなってしまってはもう勝てない。
山人MCバトル
2回戦1試合目、歩歩 vs 小池潔宗は実力伯仲の好勝負となった。「俺、放し飼い。俺、裸足がいい」など笑いを交えた歩歩のフロウは、オール・ダーティー・バスタードのようにフリーキー。延長線の末に小池が勝利したが、個人的には歩歩優勢だったなあ。本当に悔しそうだった歩歩の姿に胸を打たれた。
山人MCバトル
山人MCバトル
MC龍 vs Mc.Kjでは、高速ラップでまくし立てたMC龍がよしもと所属のMc.Kjを圧倒。MC龍に対する返しで「雨上がりは死んだ」など刺激的なバースを盛り込んだMc.Kjも善戦したが、一歩及ばず。試合後、Mc.Kjは「(ラップの内容は)全部冗談ですから!」と敗北の弁。今日イチの声援が飛んだ裂固はTK da 黒ぶちと対戦。1試合目に比べ、明らかにギアを上げてきたTK da 黒ぶちだったが、3バース目で畳み掛けてきた裂固の勝ち。
2回戦最後の試合はNAIKA MC vs 崇勲という好カード。バトル開始直後に切れ味鋭く切り込んだNAIKA MCだったが、崇勲の緩いラップに引きずられてしまう。最後までどうなるか目の離せない勝負となったが、軍配はNAIKA MCに上がった。
山人MCバトル
山人MCバトル
さあ、準決勝。小池潔宗 vs MC龍は、邦ロックバンドの名前を出しまくって山人のロックファンの支持を得た龍の作戦勝ち。NAIKA MC vs 裂固は、完全に体の温まったNAIKA MCの独壇場だった。まず、じゃんけんに勝って後攻を選んだ裂固を初っ端から攻め立て、延長戦においても裂固のミスを見逃さず、容赦なく突っ込んでいった彼の貫禄勝ち。
4回目となる山人MCバトル、決勝戦は初出場のMC龍と初代王者NAIKA MCの対戦となった。じゃんけんに勝って先攻を選んだMC龍は、16小節2本か8小節4本のどちらかを選択する権利を得たが、8小節4本で「会話したい」とMC龍。いい心意気! しかし、勝負はNAIKA MCの圧勝だった。地元・群馬でずっとNAIKA MCの背中を見て育ったMC龍にとって、NAIKA MCの壁はまだまだ高かったか。しかし、初参加で決勝まで勝ち上がったのは十分立派!
そして、4代目チャンピオンに輝いたのはNAIKA MC。昨年は決勝戦で小節を数え間違えるというミスで敗北を喫した彼だが、今年は全くスキがなく、余裕たっぷりで全試合に挑んでいるように見えていただけに、この優勝は誰も認めるところだろう。早くも来年の大会が待ち遠しくなる結末に心が躍った。

文=阿刀“DA”大志 撮影=タマイシンゴ

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