藤ヶ谷太輔、キスマイで一番ドン・ジ
ュアンなのは「僕じゃないと! 宮田
俊哉に負けたらちょっと(笑)」 ミ
ュージカル『ドン・ジュアン』が開幕
 

2019年8月30日(金)、東京・TBS赤坂ACTシアターにてKis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔が主演を務めるミュージカル『ドン・ジュアン』が開幕した。初日直前には同劇場内にて公開ゲネプロ(通し稽古)と囲み会見が行われた。
本作は、フェリックス・グレイが作詞・作曲を務め2004年にカナダで初演、2016年には生田大和の潤色・演出で宝塚歌劇団にて日本で初めて上演された。この日の囲み会見にはタイトルロールのドン・ジュアン役の藤ヶ谷、マリア役の蓮佛美沙子、ドン・ルイ・テノリオ役の鶴見辰吾、本作でも潤色・脚色を務めた生田が出席した。
藤ヶ谷太輔
藤ヶ谷はミュージカル初挑戦という事で今の心境を聴かれると「ゲネプロが終わりまして……疲れましたね!」とどこかホッとしたように笑顔を見せる。「何もかもが初めてなのでエネルギーを使いましたね」と素直な胸の内を語った。役作りについても「やっている自分では分からないのですが、“いくちゃん”(生田)を筆頭に皆でキャラクターを作っていきました」と笑顔。
その“いくちゃん”こと生田は藤ヶ谷について「短い稽古期間で最後に集中して作り上げていただいた。やはりミュージカルという事で歌も踊りも多いですし、ましてや演じる役柄も人の理解を超えた自分勝手な人。それを舞台の上でのびのびと演じ切ってくれたなあと思いました」と褒めると「いやいや」とうつむきながら謙遜をする藤ヶ谷。
生田が藤ヶ谷に期待したのは「彼がもともと備えている“色気”。最初、(ドン・ジュアンは)彼の芯にある素直さとはかけ離れている役だったので、大変だったんじゃないかなと思いつつも、自分の殻を打ち破ってドン・ジュアンとして舞台に出てくださったのが嬉しいです」と説明すると、藤ヶ谷も「今まで感じた事がない気持ちよさを感じましたね。あれだけ女性にモテる役ですから、役作りは稽古場でいちから作りました。女性を乱雑に扱うなんて全然できなかったので。でも自分がやらないと相手の女性も芝居ができないので相手のためにも心をドン・ジュアンにならなきゃ、と頑張りました。稽古中も“胸を触って”といったキーワードが普通に出てくるので、『え、いいんですか』と言う感じで(笑)。逆に10人くらいの女性から身体を触られる事もありました」と照れながら語っていた。
蓮佛美沙子
「稽古場から、立っているだけでセクシーでした」と藤ヶ谷を絶賛する蓮佛は、「最初は女性と絡むシーンとかですごく嬉しそうにされていました(笑)。プレイボーイというよりはそんな事はなかなかない、という感じだったのですが、今日舞台袖から見ていたら、本当にひどい男だな、という風に見えるじゃないですか!? 元々持っている色気をプレイボーイに昇華させて、素敵だなと思いました」とコメント。
鶴見は藤ヶ谷について「彼は真面目で魅力的なんですよ。そういう人が悪くてセクシーでヤバイ男をやるといいんですよ。昔、北大路欣也さんが『悪い人がいい役をやっていい人が悪い役をやるのがいい』って言ってたんですが、まさにそれに当てはまるなと」と褒めると、藤ヶ谷は小さい声で「ありがとうございます」とお礼を口にした。なお、鶴見は「僕は彼ぐらいの歳のときは、“リアル”ドン・ジュアンでした(笑)この映像を見て苦々しく思っている女性がいるかも?」と発言すると皆大笑いとなっていた。さらに“リアル”な話を続けようとする鶴見を「ダメ! ダメですよ」と制止していた藤ヶ谷だった。また、鶴見は「彼(藤ヶ谷)は誰よりも最後まで稽古場にいて、みっちり歌の稽古を繰り返していて、主役たる振る舞いを堂々としていました」と若き座長に尊敬の念を表していた。
リアルドン・ジュアントークを続けようとする鶴見さんに「ダメですって!」と止める藤ヶ谷さん
ミュージカルの歌唱法について藤ヶ谷は「普段歌っているJ-POPと違うので苦労しました。でも普段歌っているほうにもいい影響が出るといいな」と話す。「フェンシングも基礎レッスンをやるので、と言われて行ったらいきなり振付されて『……違うんだよお前は』と言われたり(笑)。見た事も聴いた事もない言葉も出てくるので、本当に頑張りました!」とやや愚痴も込みで笑い飛ばしていた。
数多くあるラブシーンについて話が及ぶと蓮佛は「皆は見ていてキャー! ってなるかもしれませんが、やっているこっちは必死! 位置とか見せ方とか、ベッドシーンもいかに愛しているか、その気持ちを大切にしてやっています。もう必死です」と真剣に語っていた。
キスマイのメンバーも観に来るか? という話に「きっと来てくれると思う」と語る藤ヶ谷だったが、「二階堂(高嗣)と千賀(健永)が僕のところに来て『キスシーン、ある?』って聴いてくるんです。ドラマや映画が決まったときも『キスシーンあるの?』って聴いてくる」と暴露し、笑わせていた。なお、キスマイの中でいちばんドン・ジュアンっぽいのは誰? という質問には「僕じゃないとダメですよね? これで宮田(俊哉)に負けたらちょっとねえ」とぼそっとつぶやき、また笑いを取っていた。
藤ヶ谷は「キスシーンもあったりするので、ファンのみんなは嫉妬する場面もあるかもしれませんが、観終わったあと、『私もドン・ジュアンに抱かれたい』と思ってもらえるくらいの気持ちになっていただきたい。抱かれるような気持ちで観に来ていただければ! この作品のエネルギーやパッションを感じていただきたいです」とアピールしていた。
ゲネプロの模様もお伝えしよう。
あまたの女たちを魅了し、快楽を求め、愛をむさぼるプレイボーイ、ドン・ジュアン。今宵もまた一人乙女が毒牙にかかり……。乙女の父である騎士団長は怒りに駆られドン・ジュアンに挑むが逆に命を落とす。これがのちにドン・ジュアンを苦しめる「愛の呪い」の始まりだとは誰もまだ知らなかった……。
藤ヶ谷は胸元を大きく開けたシャツとピッタリしたパンツに身を包み、長い手足を相手に絡ませながら、女から女へと浮名を流すプレイボーイぶりをフェロモンたっぷりに演じていた。合間合間で聴かせる歌は粗削りな面があるものの、ミュージカルとしての歌唱がしっかりできていて、全身全霊で歌い上げる様は、また一人、ジャニーズ事務所の中からミュージカル俳優が誕生する、そんな期待を感じさせるものだった。
蓮佛についても普段あまり歌うイメージがないだけに、驚くほどの歌唱力に目を見張った。藤ヶ谷共々今後も様々なミュージカル作品に出演してほしい、と願うばかりだ。
その他、実力派の若手、上口耕平、平間壮一やベテランの吉野圭吾春野寿美礼、鶴見慎吾の歌唱力や演技力も見どころ抜群。そしてアンサンブルキャストが一斉に足を踏み鳴らしながら激しく踊るフラメンコも魅力満点。スペインが舞台でありながらもどこかフレンチロックの味もあって、いろいろな魅力を合わせ持っていたのが印象的な作品だった。
取材・文・撮影=こむらさき

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