柚希礼音に聞く、来日版の見どころ、
日本キャスト版への意気込みとは ミ
ュージカル『ボディガード』

映画『ボディガード』のミュージカル版が、ついに日本にやってくる。2012年、ロンドンウェストエンドにて初演を迎え、最大のヒット曲でもある「I Will Always Love You」をはじめとする名ナンバーに彩られた本作。ロンドンをはじめ世界中で上演され、2019年9月・10月に、本国イギリスキャスト版(以下、来日版)による初の来日公演が東京、大阪にて行われる。

2020年3月には日本キャスト版(以下、日本版)の公演も決定した中、日本版でヒロインのレイチェル役を務めるWキャストのひとり、元宝塚歌劇団星組トップスター・柚希礼音にミュージカル『ボディガード』来日版の見どころ、そして日本版への意気込みを聞いた。
ーーとても有名な映画が元のミュージカルです。どんな印象がありましたか?
宝塚に所属していた時から、あの有名な映画『ボディガード』がミュージカルになったことは知っていまして、「観てみたい!」ってすごく興味があったんです。やっぱり『ボディガード』ってすごく心に残っている映画だったので。
でも、その時は自分がボディガードに守られる側をするなんて思っていなかったので……。さすがに今でも私がボディガード役をすると思っている方はいないと思いますけど(笑)。すごく王道のラブストーリーでありながらサスペンス要素もあって、ドキドキするし、当時映画を見て「守ってもらいたい~」「格好いい~」って思っていた方は多かったんじゃないですかね。​
柚希礼音
ーー今回、日本版にさきがけて、来日版が公演されます。
昨年末にイギリスで観劇させていただいて、はじめの幕開きからすでにテンションマックスになる掴みだったので、すごくよかったです。ミュージカルになるということで、映画よりもショー要素があって。
ーー実際に観劇してみて、心に残った、グッと掴まれたと感じた場面はどこでしたか?
一番最初、ライブの本番の場面です。「Queen of the Night」という曲から始まるんですけど。まるで本当にライブを来たような……真ん中にレイチェルがいて、周りにムキムキの男たちがいて、ダンサーたちやセット、ミュージカルの効果も全部かっこよくて。すごく心を掴まれてからストーリーがはじまって行くんです。ミュージカルで、ここまでディーヴァが中心になる作品はあまりないと思うんです。自分が演じる時には説得力のある歌を届けなくてはというプレッシャーはありますが、お客様のテンションが上がってくれるといいなと思います。​
ーー映画とミュージカル実際に見てみて、ミュージカルならではの良かった点はどこでしょうか?
ミュージカルはやっぱり、1幕と2幕があるのがいいなあって。1幕終わりがすごく良かったんです。映画でもふたりでこっそりデートに行く場面がありますが、ミュージカル版ではレイチェルが行かなそうなカラオケバーに。そこでボディガードのフランクにレイチェルが歌わせたら、ぼそぼそ小さな声になるんです。そんな可愛い~ギャップ萌え~みたいな場面の後、「私はあなたをこういう風に思っている」という心の内を歌うところがあって……ふたりは結ばれる! みたいなシーンで1幕が終わってしまう。​「わ~~~! どうなるの~~~~!!」と、私と同じようにお客様も幕間はドキドキしながら待たなくてはいけない。映画だったら休憩なく終わりますが、ミュージカルは2幕もある。「そこからはじまるのー!」という驚きもありますから。​
ーーイギリスでの公演もWキャスト(レイチェル役にアレクサンドラ・パーク/ジェンリー・シャロ―)でしたが、どちらをご覧になったんですか?
アレクサンドラさんです。とても格好いい方で、歌もすごくうまくて、ディーヴァ感があって、背が高いわけじゃないのに存在感がすごい。最高でした。前半のディーヴァならではのきつい感じとかわがままな感じも素晴らしく表現されていて、私もそういう感じを出したいと思って……。皆さんにもアレクサンドラさんのゴージャスで、格好良いところを観てほしいです。日程的にもうひとりのキャスト、ジェンリーさんを観ることが出来なかったんですが、両方観た方に聞くと、違う役作りをされていたようなので、気になりますね。​
柚希礼音
ーー来日版のキャストのWキャストと同じく、日本版のキャストもダンスの柚希さんと、歌で有名な新妻さんがキャスティングされました。
アレクサンドラさんを観て、前半、フランクに強く当たっていることによって惹かれていくのがすごくよかったんです。やっぱりフランクが来てすぐに惚れるのではだめなんですよね。はじめは監視カメラのある生活も、どこにも出かけられないっていうこともストレスに感じて、「もうあっち行って!」「前のボディガードに戻して!」くらいに感じている。そこから、色々あって惹かれ合っていく……そういうところがあるから、説得力も増すし、トキメキも増すなって。歌の場面や私生活の場面でのオンオフをしっかりさせたいです。​
ーー今回日本版『ボディガード』にキャスティングされた時、どうでしたか?
実はオーディションの時、エンダーーー(「I Will Always Love You」)とか、幕開きの「Queen of the Night」とか、「I have nothing」を聴いていただいたんです。3曲とも大好きな曲で、自分で聴くのはいいけど歌うのは本当に大変な曲だなぁ、と。本当にたくさん練習させてもらって挑んだので、キャスティングが決まった時はまず、すごく嬉しかったです。でも、いざお客様の前で歌えるんだと思うと、喜びと共に「頑張らないとな~!」という思いがあります。
すごく好きな役になりそうな予感があります。ただ、好きって言えるようになるまでにすごく努力をしなくちゃならない高い壁があるなと感じています。本当に気合をいれて、いっぱい稽古をして3月に挑もうと思います。
ーーフランク役の大谷亮平さんは、ミュージカル初挑戦。初共演ですよね?
そうです。でも、去年『AAA』(Act Against AIDS/アクト・アゲインスト・エイズ)でお会いして、ご挨拶させてもらいました。すごく気さくで優しそうな方でした。実は共通点があって、地元が大阪で隣の男子校と女子高出身だったんです(笑)
ーーすごい偶然があったんですね。
そんな共通点があって、お会いした時はその話で盛り上がりました。​
ーーWキャストの新妻さんとはお話しされましたか?
まだご挨拶だけなんですが、本当に歌が素晴らしくて、新妻さんとのWキャスト、緊張しますが新妻さんにいっぱい刺激を受けて、自分は自分らしいレイチェルを演じられたらと思います。​
柚希礼音
ーー日本版は演出が来日版とは異なると伺っています。
はい、今回レプリカ公演じゃないんです。演出と振り付けが、宝塚歌劇団宙組の『WEST SIDE STORY』(2018年)でも演出・振り付けされていたジョシュア・ベルガッセさんになるので、ショーの部分がもっと増えるんじゃないかな? と思っています。
ーー歌いながら踊るような場面も多そう?
しっとり歌う曲もあれば、ライブの本番やリハーサル練習の場面もあって、そういうところはバンバン踊ると思います! みんなの中心で歌って踊るような役なので、負けないようにしっかり演じたいな、と。そして、今回姉役のAKANE LIVが同期なんですよ。​音楽学校のころから、AKANEちゃんは歌が上手いって有名だったので、まさか同期と姉妹役を演じられるなんて……こんな日が来るとは思っていなかったです。
ーー今回の共演がAKANE LIVさんとは(宝塚時代の初ミュージカルで披露した)ロケットダンス以来ですか?
そうです! そうなりますね。本当に、宝塚は同じ組の同じ時代に在籍している子としか作品を作れないので、AKANEちゃんとの共演をすごく楽しみにしてます。
ーー映画のファンで「ミュージカルはなぁ」と観劇を悩まれている方がいると思います。そういう方にも観ていただきたいミュージカル版のポイントはありますか?
映画版の最後、ハラハラドキドキじゃないですか……。そして、二人は愛し合っているのに離れなくてはいけないとか……ちょっと寂しく終わるのに、ミュージカル版では本編後がすごく明るいんです。​
ストーカーも一緒に歌ったりして、ほっこりするんです。(一同笑)​
ーーカーテンコールですね 。宝塚のフィナーレみたいですね。死んだ悪役が笑顔で再登場するみたいな。
まさにそう! その感じです。ああ、つらいーってなるところが、最後、ほっこりする。お客様みんな立って大盛り上がりで終わるので。最後の別れの場面、「また出会えるのかなぁ~(涙)」みたいになるじゃないですか。あれで映画は終わってしまいますが、こちらはもうひと盛り上がり、カーテンコールがありますので。そのあたりもミュージカルならではかなと。お芝居の中でも歌っていた盛り上がる曲を全員で歌ったりするので、そのあたりも楽しくライブ感覚で観ていただけるかなと思います!
柚希礼音
取材・文=森きいこ 撮影=岩間辰徳

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