【インタビュー】大城美友の恋は、ど
うもうまくいかないらしい

沖縄県名護市出身のシンガーソングライター・大城美友。彼女の恋は、どうもうまくいかないらしい。パワフルな歌声と竹を割ったような性格ゆえに、明るく元気なイメージが強い大城だが、8月21日にリリースされる1stアルバム『MI-JUNGLE』には、実体験に基づいた生々しい言葉で恋にまつわる悲しみや苦悩を綴った楽曲が多数収録されている。

「いい恋をしてほしい」

アルバムを聴いて、素直にそう思った。恋も仕事も「ご縁」が重要。幸せをつかむための第一歩として、大城とともに縁結びのご利益があると名高い、東京・赤坂の日枝神社に参拝後、これまでの恋と恋愛観について話を聞いた。

  ◆  ◆  ◆

より
日枝神社の主祭神である大山咋神様は、丹塗の矢に姿を変え賀茂川を下り、玉依姫に出会い子供をもうけました。自らの行動で良縁を結んだこの故事から、大山咋神様は縁結びのご神徳があるとされています。
また日枝神社の神様のお使いである猿は古くから「神猿(まさる)」と呼ばれ、魔が去る、何事にも勝るとして崇敬を集めてきました。神門、向拝下には夫婦猿の像が安置されています。猿は多産でお産が軽く、家庭、特に子供を大切にすることから夫婦円満、子育ての御神徳があります。また猿はエンとも読むことから縁に通じ、良縁、縁結びの御利益があると言われています。当社の縁結び守は大山咋神様の故事に倣い、丹塗の矢と神使の猿があしらわれています。
大神様のご加護のもと、縁結びのご祈願をお受け下さい。
■多分、常に恋を求めているんでしょうね

──暑いなか、外での取材にご協力いただきありがとうございました(取材日:8月中旬)。

大城美友(以下、大城):こちらこそありがとうございました。沖縄には神社がすごく少ないから、お参りに行くっていう経験がほとんど無くて。すごくいいきっかけになりました。

──良かったです。今日の取材は「恋愛」がテーマなので、まずはどんな人がタイプか教えてください。

大城:すごく幅広いです。年下は苦手で、上は60〜70歳くらいまで。デートのときに杖をついていると大変なので、杖が無くても大丈夫な方だったら何歳でもいけます。性格で言うとギャップのある方ですね。例えば、周りから「ものすごく変な人だわ」って言われている方にギュッときちゃって。私も変人なところがあるからだと思います。

──見た目のタイプは?

大城:なんでもありです。ゴリラ、猿、鳥、虎、ウサギ、なんでもいけます。

──相手を意識するのは、どんなとき?

大城:多分、常に恋を求めているんでしょうね。なんだかんだで。過去の悲しかった経験があるから、より良い男の人を見ると、優しいなあって思ったり、一緒に遊びに行きたいなあなんて思ったりします。

──そういうときは自分から連絡先を聞きますか?

大城:自分からいきます。「この人いい!」って思ったら。

──一目惚れが多い?

大城:多分、私、100%一目惚れなんでしょうね。この人のことをもっと知りたいって思っちゃうんです。ただ、そこから発展するってことは最近無かったです。
──初恋は?

大城:5歳です。保育園のときに、みんなに好かれてる男の子がいたんですね。その子にめちゃくちゃちょっかい出されてたんですけど、そのクレイジーさに惹かれて。でも、あの頃の私はちょっと控えめな子だったので遠くから見てるだけでした。好きっていうよりは惹かれてたって感じかな。小学校3年生のときにはリアルに好きな子ができて、その子にはめちゃくちゃアピールしてましたね。

──小学生のアピール方法、気になります。

大城:「一緒に帰ろう」とか「今日遊ぼう」とかですね。ちょっと手に触れて「触んな、恥ずかしい!」みたいなそういうことをやってました。あと、同じ時期に別の子も気になっちゃって、ほっぺたにチュッてやりましたね。結構積極的ですよね。そりゃ見事にキモいって言われまして、水で洗われました(笑)。

──小3で付き合っていた子たちって周りにいました?

大城:いました。あの頃って、ノートとかの端をちぎって書いた手紙を好きな人に投げてたんですよ。「好き。付き合って」って書くと、返事が裏に書かれて返ってくるんです。「いいよ」とか「無理」とか。あと、気になってる子の好きな人を知りたいから「好きな人教えて」「1位 2位 3位」って、名前を書き込めるようにして投げるんですけど、そうすると順位を書いて返してくれるんですよね。あのときは1番楽しかったな。

──うまくいく子たちもいたんですね。小3って早い。

大城:いましたけど、やっぱり子どものお付き合いで。遊びっていうか、あんまりよくわかってないじゃないですか。なのでパッと散るんですけどね。
──初めて彼氏ができたのは何歳のときですか?

大城:中学2年生のときでしたね。野球部で、笑顔が素敵で、みんなから好かれてる子で、ちょっと細身のタイプ。甘えん坊で、恥ずかしがり屋さんで、基本的に表に感情は出さない。で、みんなにいじられる、そういう子でした。

──付き合うことになったきっかけは?

大城:私、学校に行けてない時期があって、家にいたんですね。誰かから私の家の番号を聞いて、その子が電話してきたんです。「学校来いよ、何してるんだよ」って。家に来られても居留守使ってたら、壁を乗り越えて部屋に勝手に入ってきまして、そのときソーメン食べてたんですけど、勝手に食べられて。そういうところから始まり、電話もするようになって。これってもうお互い好きなのかなあって思ってたら「付き合おう」って言われて。中学2年生の終わり頃でした。

──お付き合いは、どのくらいの期間?

大城:3〜4年くらいです。

──その年齢で3〜4年って長いですね。沖縄の中高生ってどこでデートするんですか?

大城:私はちょっと特殊な恋愛をしてたので、彼とどこかに遊びに行くっていうのは無かったんです。イオンモールが唯一の遊び場でした。それか、家の近くのビーチか彼の家でしたね。
■依存してたんです

──今までで一番長く付き合ったのは?

大城:実は、それから恋愛は何も無く。軽いデートとかはありましたが、恋愛に発展することは無くて。だから付き合ったことがあるのは彼だけなんです。

──じゃあ、失恋の曲に登場するのは、すべて同じ彼……?

大城:だいたいそうです。デートだけした人のこともたまに出てくるんですけど、基本は。

──9曲目の「ラムネ」の歌詞にある「思い出はいつも部屋のなかだけ」っていう場所が、アルバムのなかで一番気になっていたんです。どんな恋愛をしていたんだろうって。彼とのエピソードだったんですね。4曲目の「愛しくて」は、ケンカして別れるって決めたものの、思い出がたくさんあってなかなか別れられなかったっていう曲ですが、これも彼?

大城:はい。
──もしかして、3〜4年のなかで、別れては付き合ってを繰り返していた?

大城:繰り返してました。彼はソクバッキーで、私のことを誰とも遊ばせなかったんですね。外も歩くなって言うし。例えば、彼と近くのコンビニまで一緒に行くときに周りに男の人が歩いてたら「お前、今あいつのこと見たろ。俺だけ見ろ」って言うんです。「ちょっと待てよ、なんか違うかも」って思いつつも好きだったから彼に会いに行ってて。だんだん、彼のヤバさが増していくんです。だけど好きで。その結果、依存してたんですね。

──彼の言っていることが正しいと思い込んでいた。

大城:私がいないと、こいつはどうなっちゃうんだろうっていう不安もありました。

──みんなから好かれている子だったはずなのに。

大城:怖かった。私は一切悪いことをしていないのに、彼は「お前は悪いことばっかりしてる」って言うんです。「理由を教えて」って言ったら、何も言わずに怒鳴って怒り散らすんですね。よくわからなかった。だから、いまだにあのときの理由とか気持ちを聞きたいです。でも、1ミリも未練は無いですからね。
──彼と別れた後、デートをした相手とは恋愛にならなかったんですよね。

大城:「一緒にいて楽しい」の先が無くて、友達止まりでした。恋愛に対して進展があったら報告し合うようになってしまって、恋愛は生まれないなって感じになっちゃうんです。

──告白して振られるとか、告白されて振るとか、そういうことも無かった?

大城:無いですね。

──積極的に連絡先を聞けるしデートに誘えるけど、恋愛にならない……。彼の発言がトラウマになっていません? 「自分は悪い人間だ」って思い込んでいるような気がする。

大城:そうかも。壁が立ちはだかってますよね。マイナスになっちゃって。

──克服しないと。

大城:先輩からアドバイスもらったんです、「信じろ」と。

──相手を? 自分を?

大城:どっちも。「自分を愛せ」とも言われました。それが一番の答えかもしれない。

──相手と一緒にいるときの自分を好きって思えることが大切って言いますよね。

大城:自分を大切にしようって思うんだけど、意外と難しくて。相手のことも優先したくなるし……不器用なのかな。なんか、カウンセリング受けてるみたい(笑)。

──少しずつでいいからトラウマを溶かしていきたいですね。いい恋をしたら、きっといい曲もできますし。次こそはね。

大城:自分でダメな男を作り上げていたということに気づきました。だから、今日神社でお参りできて本当に良かった。

──彼との恋は無かった方が良かったって思いますか?

大城:思いません! やっぱり彼との出会いがあったからこそ、曲にできちゃってるから。感謝はしたくないけど、感謝っちゃ感謝かなあ。
■人生は自分で輝かせればどうにかなる!

──彼氏ができたら、デートに行きたい場所は?

大城:どこでもいいです。私が思い描くカップルの理想像があるんですよ。洋服屋さんに行ったり、プールに行ったり、カラオケに行ったり。そういうのをまずしてみたい。彼と何かをするっていう経験が無かったので、やってみたい。ドラマによくあるようなイチャイチャをしたい。

──日常的なデートで十分幸せなんですね。彼氏と週に何回会いたいですか?

大城:週2ぐらい。連絡はたまにでいいです。最初は相手からきてもらいたいけど、あとからうざいこられ方すると、すごく冷めるタイプなんですよ。たまに私から投げかけたときに返事がくるくらいがいい関係になるかなって思ってます。

──結婚願望は?

大城:あります、28歳で結婚したい。本当は28歳までには子どもを産んでる予定でした。

──今26歳ですよね。今日にも入籍するくらいじゃないと。

大城:そうですよ!(笑) 大城ヤバイ。人生うまくいかないです。でも、中島みゆきさんみたいな生き方を目指してもいて。結婚はしないで、「歌が恋人」みたいな。まあ、結婚しても悩むし、しなくても悩むから……人生は自分で輝かせればどうにかなる!
──ポジティブにいきましょう。メジャーデビューしてからまもなく1年になりますが、活動してきてみていかがでしたか?

大城:デビューしなければ、こんなにいろんな地方を回ったりできてないなって。ラジオ出演とかで多く回らせていただいているんですけど、ラジオを聴いている方っていっぱいいるんだなと思いました。デビュー曲の「オレンジバタフライ」を愛してくれている方がたくさんいるなあって気づいたし、私の居場所は沖縄だけだと思ってたんですけど、地方に出ると「美友ちゃん」って声をかけられることもあって、広がりを実感しました。
──先日、ライブハウスでのライブを拝見して思ったんですけど、「オレンジバタフライ」は野外で聴きたいですね。大空の下でフルバンドで。

大城:やっぱりそうですよね、フルバンド。大城ね、むき出しになりたいんです。脱ぎたい。

──自分の殻を? 精神的な意味で?

大城:服も脱ぎたい。フェスとかで、脱ぐっていうパフォーマンスをしたい。

──あー、それはあとから怒られます。

大城:怒られますかね?

──事務所の方が怒られる可能性が高いですね。出禁になるかも。

大城:じゃあやめとこうかな(笑)。

取材・文・撮影◎高橋ひとみ(BARKS)
協力◎日枝神社
1st Album『MI-JUNGLE』
2019年8月21日(水)発売
CRCP-40583 / ¥2,778+税
1. MI-JUNGLE
2. 不器用なエンジェル
3. 空に咲かせてやる
4. 愛しくて
5. ミラクル・ガール
6. 君に涙は似合わない
7. あたしはあたし
8. オレンジバタフライ
9. ラムネ
10. ロックん女
11. 輝き人
12. 歌おうラララ


<大城美友「MI-JUNGLE」発売記念イベント>

2019年
8月21日(水)19:00
東京・タワーレコード渋谷店 5Fイベントスペース
内容:ミニライブ&トーク、特典会(握手&サイン&2ショット撮影)
スペシャルゲスト:香音

8月24日(土)13:00 沖縄・サンエー那覇メインプレイス1階 中央コート 
8月24日(土)15:30 沖縄・サンエー浦添西海岸PARCO CITY 3F HMV&BOOKS OKINAWAイベントスペース
8月25日(日)14:00 沖縄・タワーレコード那覇リウボウ店 店内イベントスペース 
内容:ミニライブ&特典会(握手&サイン&2ショット撮影)

※イベント詳細:http://www.crownrecord.co.jp/artist/oshiro/whats.html


レギュラーラジオ FM OH!(FM OSAKA)『E∞Tracks Selection~大城美友のとことん!大城~』

隔週水曜日19:30〜20:00
http://www.fmosaka.net/_sites/16782348

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