【ポップしなないで インタビュー】
前向きになれる方法も考えるのが
ポップしなないでのスタンス
前向きになれる方法も考えるのが
我々の音楽のスタンス
そして、今作なのですが、“禁じられてはいない遊び”とユニークなタイトルですが、何かコンセプトがあったんですか?
かわむら
空想とか現実逃避を肯定するような音楽をやっているんですけど、逃げてばっかりではなくて、前向きになれる方法も考えるのが我々の音楽のスタンスなんですね。前作の『CDはもう売れない』はちょっと遊び心があったんですけど、今作では自分自身と聴いてくれる人に向き合って“ポップしなないでってどんなものだろう”って考えた時、映画『禁じられた遊び』のテーマ曲を思い出して。でも、我々は“禁じられた遊び”ではないと思ったので、このタイトルになりました。
これまでの作品でも孤独な女の子が主人公になっていましたが、そこは今回も一致していますね。
かわむら
一致してますけど、今回のアルバムのほうがちょっと気が強いイメージです。攻撃的なわけではないですけど、立ち上がる力は強くあってほしいという想いがより込められています。
その強さはかめがいさんの歌声からも感じました。
かめがい
特に歌い方を変えるってことはしていないんですけど、歌ってみた時の心情が外に出たのかもしれないです。
かわむら
かめがいさんが力強い歌い方もできるってことは知ってたんですけど、やっとその歌い方ができる余地のある曲ができました。
特に「丑三キャットウォーク」はパワフルな印象でした。
かわむら
そうですね。“オラー!”って言ったあとにかわいい声で歌うみたいな、半分ふざけているというか、深い意味が込められているというより、エンジョイする曲になりました。
あと、「ラムネ日記」と「ノストラ」は夏らしさを感じました。
かわむら
今作には季節ものを入れたいっていうのもありました。「ノストラ」は新宿Motionというライヴハウスの5階建てのビルに向かう路上で、ふたりの男女が地べたに座っているのを想定して作りました。
個人的にも《夢を語ったビルが覗き込み》という表現が良かったです!
かわむら
新宿Motionの下にあるケバブ屋さんでよくケバブを食べるんですけど、あのビルの下にいると自分たちの行動を覗き込まれているような気になるんですよ。自分の体験に基づいて膨らませていったのは、この曲が初めてかもしれないです。「ラムネ日記」はあくまで空想なので、僕が女の子と歩道橋の上にいたわけではないですけど(笑)。
「ラムネ日記」の歌詞を書くのに時間はかかったのでしょうか?
かわむら
そもそも歌詞に時間をかけるタイプじゃないんですけど、「ラムネ日記」は仮歌で全部歌詞ができていた覚えがあるくらい、すらすらと書けました。
歌詞の内容としては「ラムネ日記」は空想、「ノストラ」は空想と現実が混ざっているということですね。
かわむら
自分の頭の中の風景や物語を人に伝えられたらいいなと思って作った曲が「ラムネ日記」で、頭の中から“こんな気持ちなんだ”っていうのを伝えているのが「ノストラ」ですね。
アルバムは1曲目が「Creation」で最後が「バンジー!」という構成になっていますが、「バンジー!」を最後に選んだのはなぜでしょうか?
かわむら
最後に真面目な曲で終わるのは嫌だし、「バンジー!」を聴いたあとに「Creation」を聴くのもしっくりこないと思ったので。
かめがい
「バンジー!」の置きどころは難しいよね。でも、最後に茶化して終わるのが一番いい気がする。
かわむら
どの曲も多少はふざけてるつもりなんですけど、中でも「バンジー!」は本当に言葉遊びだけで作った曲なので、一番ふざけた感じが出ている曲を置いたということですね。
では、今作を通して伝えたいことはありますか?
かめがい
自分が素敵だなと思うものとか、前向きになれる言葉のひとつひとつが届いて、原動力になってくれたらいいなと思います。
かわむら
“自分の人生を生きなさい”ということですね。SNSでつながってて、情報が横に共有されている社会を見ていると、おかしいと感じることもありますけど、少しでも自信を持って、自分の人生を肯定して、我々の音楽と一緒に頑張ろうぜ!って思ってます。
取材:小町碧音
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ミニアルバム『禁じられてはいない遊び』2019年8月7日発売
KINGAN RECORDS
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『ポップしなないで 『禁じられてはいない遊び』
レコ発ツアー“ヨルネコアルク”』
9/07(土) 愛知・名古屋ell.size
w)め組、新しい学校のリーダーズ
9/08(日) 大阪・club vijon
w)コレサワ
9/16(月) 宮城・仙台FLYING SON
w)ONIGAWARA、集団行動
9/22(日) 東京・渋谷WWW
※ワンマン
ポップしなないで:2015年結成のかめがいあやこ(Key&Vo)、かわむら(Dr)による、セカイ系おしゃべりPOP。かわむらの作るどこか寂しげだが前向きな歌詞世界と、かめがいの表情豊かでクセの強い魅力的なヴォーカルで、ミニマムな構成ながら完成された音楽性を持つ。独自の楽曲哲学に沿ったMVや、確かな表現力により世界観を再現するライヴパフォーマンスが話題となっている。23年2月に日本コロムビアよりメジャー1stアルバム『戦略的生存』を発表し、3月からは全国 6 都市を巡る『ポップしなないで presents 「合言葉はトキメキ」ツアー』を開催。ファイナルの恵比寿LIQUIDROOMでのワンマン公演はソールアウトした。ポップしなないで オフィシャルHP
「Creation」MV
「丑三キャットウォーク」MV