【イベントレポ&インタビュー】城之
内早苗、心に響く「恋待ち夜雨」を歌
いファンを魅了したカラオケパーティ

城之内早苗が、2019年7月14日(日)東京八重洲の「HIT STUDIO TOKYO」にて、<城之内早苗カラオケパーティー>を開催し、集まった参加者たちと共にカラオケやじゃんけん大会で大いに盛り上がった。

このイベントは、全国のカラオケDAM設置店で城之内早苗の最新シングル曲「恋待ち夜雨」を歌い、抽選で選ばれた50組100名を招待して行われたもので、2018年11月にも同所で行われたカラオケパーティーの第2弾となる。あいにくの雨の中、大勢のファンが会場に集まった。
司会者に「1986年、おニャン子クラブから鮮烈なデビューを飾りました!」と呼びこまれてステージに登場した城之内は、盛大な拍手と声援に迎えられ、デビュー曲「あじさい橋」を披露。白と青の爽やかな着物で身振り手振りを交えて歌唱すると、待ちわびた参加者たちはうっとりと聴き入っている様子。歌い終わると「早苗ちゃ~ん!」と声援が飛んだ。
「みなさま、ようこそお越しいただきました。お足元の悪い中、遠くから大変だろうなと。私、晴れ女のつもりなんですけど(笑)、時期が悪いんでしょうね。この時間、この空間だけは楽しくやっていこうと思います」

と、雨が降る中集まった参加者たちにユーモアを交えたコメントで気遣った。

昔は、テレビ番組などに出演する際に、スタッフから「とにかく何でもいいから喋ってくれ」と言われていたという城之内。「30年も経つと、スタッフから“時間がないから喋らないで。飛行機に間に合わなくなるから”と言われております(笑)」とベテランならではのトークで笑わせた。
トークの後は、前回のカラオケパーティーで歌われた「よりそい蛍」の歌唱へ。客席を見ながら、お客さんに語り掛けるように歌い上げた。続いて、今回のシングルのカップリング曲「夕暮れ迷子」を披露。エキゾチックなイントロが流れ出すと、お客さんから花束を贈呈されるシーンも。“ほおづき噛んだら 心が寒い”という歌詞があり、花束にもほおづきが入れられていたようだ。リズミカルな曲ということもあり、客席は手拍子で盛り上げる。さらにお客さんから紫色の手提げバッグをプレゼントされるなど、ファンとの距離の近さを感じさせた。
この日は「恋待ち夜雨」を作曲した聖川湧(ひじりかわゆう)氏も訪れており、城之内に紹介されて登壇した。「聖川先生、ありがとうございます。私緊張しちゃう」と城之内。今回「恋待ち夜雨」で初めて聖川氏に作曲してもらったそうだ。「先生は、香西かおりさん等のヒット曲がたくさんある方で、お会いしたことがなかったけど、怖いんだろうなあって思っていたんです。でも話をしたらとても柔らかくて」とその人となりを紹介した。もともとモダンジャズが好きだったという聖川氏は、どうしたら多くの人に聴いてもらえるかを考えた「軽演歌」を標榜しており、「恋待ち夜雨」も軽やかに聴こえるように作られているという。
中盤では、前回に引き続き城之内が採点カラオケにチャレンジすることに。得点を出すために本来とはちょっと違う歌い方をするということで、その場で聖川氏に承認を得ると、早速チャレンジ開始。カラオケ映像を見ながら集中して「恋待ち夜雨」を1コーラス歌い上げるものの、得点は「85.468点」という厳しいものに。思わず「えぇ~!」とショックを受けた様子の城之内。客席からは「3番まで歌っていないから!」という励ましの声が。「優しい!でも大丈夫、大人だから(笑)」と気を取り直した様子だった。
続いてはじゃんけん大会へ。「「恋待ち夜雨」特製メモ帳」「「恋待ち夜雨」サイン入りポスター」「DAM★ともサイン入り手ぬぐい」がそれぞれ5名に、「DAM商品券」が2名にプレゼントされた。そして、ステージに上がり「恋待ち夜雨」を1コーラス歌唱できる権利(DAM商品券付)が3名に与えられるということで、じゃんけんで争われた。
見事権利を獲得したのは、女性2人と男性1人。城之内の「松山しぐれ」と「奥飛騨★星の宿」で、DAMともボーカル1位になっているという女性の実力者も。女性、女性、男性の順に「恋待ち夜雨」を1コーラスずつ、それぞれ城之内のファンぶりがよくわかる思い入れたっぷりな歌唱を聴かせて、客席からは温かい拍手が贈られた。城之内は「みなさん、丁寧で可憐な歌い方をしてくださいました。そういうのも「恋待ち夜雨」ならではだと思います。すごく刺激になりました!」とコメントした。また、「いつでも純粋に歌える歌手でいたいなと思いました。そして、負けない!と思いました(笑)」と、負けず嫌いなところを垣間見せた。
そんな城之内が先ほど出した得点(85点)に、この日会場で商品を購入した方の中から1名がカラオケで挑戦できることに。城之内の点数を越えると、城之内がコメントを吹き込んだ目覚まし時計もプレゼントされるというスペシャルな企画となった。再びじゃんけんが行われ、埼玉県からお越しの男性が挑戦することに。甘い歌声で見事に歌い上げると、意外にも得点は「82.330点」。「私、絶対負けたと思った!お上手でしたよ」と、城之内。敗れたものの、ここは大サービスで男性の名前をもじって目覚ましメッセージを吹き込むことに。「トシちゃん、起きて」「トシちゃ~ん、起きて!」「トシヒコ、起きろ!」と3パターンを録音した貴重な目覚まし時計がプレゼントされた。
イベントも終わりに近づき、城之内と参加者全員で記念撮影を行うと、最後は、改めて城之内が「恋待ち夜雨」をフルコーラスで歌い上げた。至近距離で情感を込めて歌われる王道の「メジャー演歌」に、参加者たちは陶酔した表情で聴き入っていた。
最後は、城之内が客席に向かい、「今日は、歌好きな方が多くて、私も良い緊張感を持って歌えました。これからもどうかよろしくおねがいします。今日はありがとうございました!」と挨拶して、ステージを締めくくった。その後はCD、カセットテープの購入者イベントが行われ、参加者と和気あいあいとした交流を行い、第2回城之内早苗カラオケパーティーは終了となった。
■城之内早苗 ミニインタビュー

――2018年11月に続いて2回目のカラオケパーティーでしたが、今回はいかがでしたか?

城之内早苗(以下、城之内):1回目は“どうなるんだろう?”って思ったんですけど、今回は二回目なので、雰囲気とかわかっているということもあって、前回よりもお客様との距離がもっと縮まればいいなと思いましたし、“みんな親戚”みたいな温度感になれたらなって思いながらできました。すごく嬉しかったです。

――みなさん、とても温かいお客さんでしたね。

城之内:本当に親戚みたいな感じなんですよ。“隣の早苗ちゃん”という感じで(笑)。DAMともで応募してくださっているみなさんで、たまたま立ち寄ったというお客さんではないですし、応募するにあたって時間を割いて曲を歌っていただいて、楽しもうとして来てくださっているので。歌で楽しんでいただくことはもちろんですけど、お喋りでも楽しんでいただければなと思っていました。

――ちなみに今日のお召し物は、カラオケの映像に出てきた着物と同じですよね?

城之内:そうなんです!この新曲のための衣装です。この衣装で出ていくと、“ああ、CDと同じだ!”って喜んでくださるので、できる限りこの着物にさせていただいています。汗臭くなるまで(笑)。
――めちゃくちゃ爽やかですよ(笑)。改めて、6月5日に発売された新曲「恋待ち夜雨」はどんなお気持ちで歌っていらっしゃいますか。

城之内:前作「よりそい蛍」も今回の新曲も、同じメジャー演歌なのですが、歌詞の世界観が全然違っていて。「よりそい蛍」は幸せでこれから頑張ろうという歌。「恋待ち夜雨」は失恋をした女性の未練心が表現された歌なんです。同じメジャーの曲調でも詞が違うと曲の雰囲気が変わってくるので、改めて、作詞、作曲の先生方の偉大さに感動しています。この「恋待ち夜雨」を生のライブで歌う時には、歌詞の中の “駄目ね 駄目ね……”や“馬鹿ね 馬鹿ね……”などの歌詞の部分を、“今日はかわいらしく歌おうかな”とか、“今日は悲しそうに歌おうかな”とか、その日のお客様のお顔を見ながら少し変化をつけて楽しんで歌わせて頂いています。

――今日は、まんべんなくお客さんを見ながら歌っていらっしゃるように見えました。常にお客さんの表情を見ながら歌うように心がけているんですか?

城之内:テレビカメラを見ながら歌うよりは、お客さまの顔を見ながら歌う方が落ち着きますね。一緒に歌ってくれてるのを見ると、“えっもう覚えたの?”とか、共有している感じがあるんです。確認じゃないですけど、そうやってお客さまの顔を見ながら歌っているときが私は一番幸せかもしれないです。テレビカメラを見ながら歌ってると、顔がピクピクってなっちゃうから(笑)。

――今回もお客さんがステージに上がって歌いましたけど、いかがでしたか。

城之内:お客さまの歌は、“私、あんなに素直に歌えるかしら?”というぐらいに、大事に歌っていらっしゃるんだなって。上手く歌おうっていう、こねくり回した歌じゃないんですよ。聖川先生のメロディラインもあると思うんですけど、みなさん、いやらしくない感じで素直に歌ってくださるなって思いました。

――ところで、「恋待ち夜雨」は梅雨の時期に発売されましたが、この季節の思い出ってありますか?

城之内:私はデビュー曲が「あじさい橋」で、まさに梅雨の時期にデビューしたので(1986年6月11日)。梅雨の時期になると、「あじさい橋」をかけてくださる方や、聴きたくなると言われることが多いので、自分ではあんまり思っていなかったんですけど、梅雨のイメージが強いみたいです。これまでは、“梅雨イコール「あじさい橋」”って、当たり前のように思っていたんですけど、今年からは梅雨イコール「あじさい橋」と「恋待ち夜雨」があるという、思い出が1つ増えたなって思っています。意外とこれまで梅雨の歌がなかったんだなって。これからは、演歌ファンのみなさまに、“この季節といえば「恋待ち夜雨」もあったわね”と思ってもらえるように頑張りたいと思います。

――カップリングの「夕暮れ迷子」は、エキゾチックなムードのイントロでちょっと変わった曲ですね。

城之内:ね?出来上がったときに「このイントロでくるの!?」って驚きました(笑)。歌い出すと、所謂普通の歌謡曲なんですけど、すごく良い意味で裏切られた感じでした。これは不思議な感じだなって。私、あんまりこういうアップテンポな曲は持ち歌にないので、みなさんも面白がってくれてるみたいです。歌詞がまた面白いんですよ。
――“ほおずき噛んだら 心が寒い……”という歌詞が印象的でした。

城之内:ほおずきって、噛んだら結構苦いイメージがあるんですけど(笑)。ここに“心が寒い”って持ってくる、かず先生(作詞家のかず翼)の感じがわかってしまうというか。子どもの頃に母がほおずきの中身を出して口の中に入れてブーブーって鳴らしたりしていたんですよ。そういう、子ども心に残っているイメージをフッと思い出したり。それに、ほおずきといえばこの時期だし、季節感というのもあって、“ほおずき噛んだら 心が寒い……”ってこられちゃったかって思いました。1番と3番を歌うと“何があったんだろう!?”ってわからないんですけど、別れの歌になっていて。2番目の歌詞がとても面白くて、ずるいあなたに別れの言葉を私から言わされたんだけど、でもじつはフラれたのは私なのっていう。

――それが、“迷子”ということなんですね。

城之内:そうなんです。フッたはずの私がフラれて迷子という、面白い歌です。「恋待ち夜雨」と「夕暮れ迷子」は全然違う世界観ですね。

――イベントの途中で、この秋にアルバムを発売するという話題が出ましたね。どんなアルバムになりそうですか。

城之内:オリジナル曲とカバー曲になります。デビュー曲「あじさい橋」も収録予定で、まずデビュー曲が昭和の「あじさい橋」、ニューバージョンは平成の「あじさい橋」で、今回のは、令和バージョンの「あじさい橋」。そうすることで年相応の私の声を記憶していただけると思います(笑)。あとはカバー曲とこのアルバムのために先生方に作っていただいた曲ですね。結構贅沢なアルバムなんですよ。アルバムに収録されているオリジナル曲は、いろんな曲があるので、聞き比べしてもらえると思います。特にアルバムの為に作っていただいた曲は“シングルで出した方がいいかしら?”とか“みんなどんな曲が好き?”って皆さんの感想が聞きたいです。カバー曲に関しては“えっ!?なんでその曲歌うの?”って言われると思います。

――ということは、演歌とは違うジャンルの曲をカバーするということなんですか?

城之内:いえいえ、誰もが知ってる演歌・歌謡曲です。私が大好きな名曲をチョイスさせてもらっています。中には、“えっ、この男性アーティストの歌をカバーするんだ!?”っていう意外性のある曲もあります。もう、大好きなんですよ。イントロが流れてくるだけで涙が出ちゃうような。他にも大好きな曲を選ばせていただいたので。本当に自画自賛しています。

――出ましたね、好きな言葉が「自画自賛」ということで(笑)。

城之内:あははははは(笑)。できあがる前から、曲のチョイスは自画自賛しています。

――発売はいつ頃になりそうですか?

城之内:秋深くなった頃ですかね。演歌っぽい表現ですけど(笑)。楽しみにしていてください。

取材・文●岡本貴之
リリース情報

「恋待ち夜雨」
発売中
C/W夕暮れ迷子
CD / TKCA-91170
\1,204+税
カセット / TKSA-21511
\1,204+税

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