ブギ連、初ワンマンを見た-体の芯に
火がつき、誰もが解放されるブギの真
髄
甲本ヒロトと内田勘太郎、奇跡のコンビ
“ブギ連”
6月に1stアルバム、その名も『ブギ連』をリリース、今回は記念すべき初のワンマンライブともあって、チケットは即完売。超満員のクアトロは二人が登場する前から期待と興奮でざわめいている。めでたく9月に追加公演が決定したので、詳述は避けるが、この日の興奮をレポートしていこう。
Photography_Eri Shibata
Text_Yuka Ishizumi
Edit_Shu Nissen
ダンス・ミュージックでもあるブギ連の
音楽
「今日のお客さんはうるさいから、(モニターの返しを)もうちょっと大きくしてください」と笑うヒロト。それにつられてお客さんもさらに笑う。内田は「CDを作るのは5年ぐらいかかるかと思ったけど、すぐにできた(笑)。嬉しいですね。ヒロトさんなら抱かれてもいい」と仲がいいにもほどがあるだろうというMCに、「潮が満ちた」とヒロトも大人のジョークで返す。アルバム『ブギ連』からの曲を中心に、往年のブルースナンバーを二人の解釈で表現したレパートリーも披露。スリリングで一音も聴き逃したくない演奏、初めて聴いても言葉が明瞭に聴き取れるヒロトの真っすぐで強い声は、もはやジャンルを突き抜けて、ただただ射抜かれる。でも、ブルースが生まれた頃、止むに止まれぬ思いをギターをかきむしりながら歌っていたブルースマンのパッションはむしろそういうものだったはずだ。それを今の日本人の二人がリアリティを持って演奏できるのは、ブルースへのリスペクトももちろんあるだろうが、二人の真心と肉体から放たれているのが“ブルースそのもの”だからだ。
女も男も惚れるエロくてかわいい(!?)
存在感
ギターと歌とハーモニカだけで、ブルースはもちろん、メロウグルーヴもハードロックよりもハードなロックも、日本の民話的な世界も立ち上がらせるブギ連。いや、逆に二人という最小編成だから実現できる自由度なのだとも言えるけれど、やっぱり人間として、音楽人としての地力が違う。甲本ヒロトというカリスマ、内田勘太郎というブルース・ギターのトップ・プレーヤーとしての過去を知らなくても、その場に居合わせれば誰もが生演奏の可能性にぶっ飛ばされるはずだ。女も男も惚れるブギ連。老若男女、ファンであろうとなかろうとこの夏、ブギ連の生のステージを見逃すのはかなりもったいない。相手の出方で次の一手を繰り出し、ボクシングのようにパンチを交わしたり、一転、お互いを尊重して愛し合うように音を奏でたり。それを受けて、大の大人のお客さんも感情の赴くままに声を発することができる場所――つまり、人が人で居られる場所、それがブギ連のライブだ。
オフィシャルサイト
ブギ連、初ワンマンを見た-体の芯に火がつき、誰もが解放されるブギの真髄はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。
関連ニュース
ミーティア
「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。