AKi(シド)、
全11都市12公演の全国ツアーが終幕
ロックバンド、シドのベーシスト・明希がこの夏、久々にソロプロジェクト・AKiを本格始動。2年8カ月ぶりにニューシングル「Monolith」をリリースし、この最新作をひっさげ、2年ぶりとなるツアーも開催。7月2日のThunder Snake ATSUGIを皮切りに全11都市12公演を怒涛のスケジュールのなか、駆け巡った全国ツアー『AKi TOUR 2019 「Monolith」』を7月24日、Shinjuku BLAZE公演で見事に締め括った。
客電が消え、場内に情熱的で妖艶なムードをまとったスパニッシュなSEが流れだすと、今回のツアーメンバーであるYOUSAY(Gu)、加藤貴之(Gu)、宮上元克(Dr)とともにAKiがステージオン。“AKi!”と連呼する歓声を受け、センターに構えて高らかにベースを掲げて流れ込んだオープニング曲は、「FREAK SHOW」だった。冒頭から、AKiはこのツアーでさらに説得力を増したベーシストでありながらフロントマンとしてセンターで歌う姿を見せつけ、灼熱のステージに火をつけていく。そこがライブハウスであろうがアリーナであろうが、変わらずフロア左右に目配せしてさりげなく観客に合図をおくる演者意識の高さは、さすがである。
「Be Free」の間奏ではローポジションから繰り出すベースソロでオーディエンスのさらなる熱狂を呼び起こし、本人こだわりのツインギターがバンドサウンドを炸裂させていった「Fahrenheit」、オーディエンス一丸となったコール&レスポンスが場内に響いた「ミッドナイト/狂騒/DARLING:」と続け、会場はすでにこの時点でクライマックス級の熱気に包まれる。
“怒涛のスケジュールのなか、無事ツアーファイナルを迎えることができました。ちょっとカッコよくなって戻ってきたでしょ? 俺たち”と最初の挨拶を告げるAKiの表情は、今回のツアーの充実ぶりを表すようにじつに晴れやか。それを証明していたのがニューシングル収録曲「LIVE TO DARE」のアクト。デジタルを融合させながらも、歌が始まるとロックでファンキーなグルーヴに合わせてフロアを踊らせ、曲間の長めのベースソロでは威勢のいいビートを奏でてバンドをドライブさせるなど、ここでは歌・ベース・バンドのグルーヴが三位一体となってベーシストのAKiだからこそ作れる圧巻のライブ空間を作ってみせた。
そこから弾けるように始まった「libido」のアップリフティングな盛り上がりは、いうまでもない。さらにライブ中盤、うねるベースプレイだけではなく、歌声までダンディーなエロティシズム満載の声色にシフトして、歌うときに首筋に浮かぶ血管で女性ファンをたっぷり魅了していった「ジウ」、そこからインスト曲「Swag」に突入すると、今度は男くさいロッカー然としたオーラをまとい、鋭い目線でメンバーの出音と駆け引きしながら華やかにスラップを弾き、男性ファンをいっきに釘付けにしたシーンなども、このツアーで表現や魅せ方にさらに磨きがかかった部分といえる。
AKiが放つ華やかで妖艶な部分と男らしいロック感、その人間的な魅力で会場を揺さぶったあとはソングライターとしてのAKiの魅力が爆発。珠玉のメロディーがつまったバラード「tonight.」を気持ちをたっぷり込めて届けたあと、回るミラーボールの光がフロアに降り注ぐなか、彼らしい希望感溢れるキャッチーな「Skyfall」を披露すると、オーディエンスは熱量がたっぷりこもった歌声をステージに返していった。ロックなサウンドを体で浴びながらも、そのなかに歌いたくなるメロディがどこかにある。これはAKiが作る楽曲の最大の特徴でもある。ライブ中こうしてステージと客席が歌でエネルギーのやりとりを行ないながら、お互いの気持ちを重ね合うシーンは、回を重ねるごとにAKiのライブで重要な武器となっていった。
“とてもいい声をありがとう”と感謝を告げるAKi 。“まだまだ暴れ足りないんじゃないですか? 心配しなくても、一人ひとり愛し抜いてやるから!”。そんな粋な言葉でフロアを煽ったあと、最新曲「Monolith」を投下。間奏、めちゃくちゃカッコいいベースソロで観客のハートを思いっきりぶち抜いたあと“いくぞ新宿!”と叫んで、サビを歌い出すと、舞台に向けて腕を掲げるオーディエンスの熱量がひときわ高まっていった。
「Brave New World」でその熱量をさらに加速させ、“でっけー声で歌って下さい”のコールに応えて「The Inside War」では満場のシンガロングが広がり、歌詞通りに“君の作るこの世界”をリアル世界に実現。そして“ラスト! 暴れちまえー!”という叫び声を合図に、ニューシングルに収録したメロコアチューン「All Through The Night」ではフロアのあちこちにサークルモッシュが広がり、新しい景色を生出したところで本編は終了。
アンコールで始まったMCでは、その新しい光景に対してAKiは“なかなかの暴れっぷり。ステキでした”と素直に観客を讃え、“今回のツアーがみんなの“夏の思い出”になって欲しい”と付け加えた。また、そのMCのなかでツアー中にあった最大のトピックとして“いい年したこの青年4人で、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに遊びに行きました”と告白。絶叫系が大の苦手というAKiとYOUSAYが、頑張って絶叫マシンに乗ったときのエピソードで場内を和ませていった。そうして“このツアーも次で最後。だけど俺たちのSTORYはずっとずっと続いていくから”とAKiが叫び、このツアーのラストナンバーとして彼のロックアンセム「STORY」をアクト。会場の温度を最後の最後に再び絶頂まで高めていき、ステージとフロアの想いがさらに強く、一つに重なったところでライブはフィニッシュ。“また必ず会いましょう! 最高でした。愛してるぞ”といって、投げキッスをおくった後、AKi は名残惜しそうにフロアを見渡しステージを後にした。
『Monolith』に収録した曲たちをライブの重要な場面に配置することによって、歌い手として、ベーシストとして、ロックバンドとして、ソングライターとしても人々を魅了するAKi、そのすべてを見せつけるライブのあり方を探り出し、その結果、男らしいロック感と華やかで目を引く妖艶なオーラが同居するAKiの個性までが際立つようになっていった本ツアー。
9月からは、シドとしての全国ホールツアー『SID TOUR 2019 -承認欲求-』が控えている。AKiでのツアーが今後のソロだけではなく、シドにもどのようにフィードバックされるのか大きく期待したい。『SID TOUR 2019 -承認欲求-』は各プレイガイドにてチケット受付中とのこと。こちらも是非チェックして頂きたい。
客電が消え、場内に情熱的で妖艶なムードをまとったスパニッシュなSEが流れだすと、今回のツアーメンバーであるYOUSAY(Gu)、加藤貴之(Gu)、宮上元克(Dr)とともにAKiがステージオン。“AKi!”と連呼する歓声を受け、センターに構えて高らかにベースを掲げて流れ込んだオープニング曲は、「FREAK SHOW」だった。冒頭から、AKiはこのツアーでさらに説得力を増したベーシストでありながらフロントマンとしてセンターで歌う姿を見せつけ、灼熱のステージに火をつけていく。そこがライブハウスであろうがアリーナであろうが、変わらずフロア左右に目配せしてさりげなく観客に合図をおくる演者意識の高さは、さすがである。
「Be Free」の間奏ではローポジションから繰り出すベースソロでオーディエンスのさらなる熱狂を呼び起こし、本人こだわりのツインギターがバンドサウンドを炸裂させていった「Fahrenheit」、オーディエンス一丸となったコール&レスポンスが場内に響いた「ミッドナイト/狂騒/DARLING:」と続け、会場はすでにこの時点でクライマックス級の熱気に包まれる。
“怒涛のスケジュールのなか、無事ツアーファイナルを迎えることができました。ちょっとカッコよくなって戻ってきたでしょ? 俺たち”と最初の挨拶を告げるAKiの表情は、今回のツアーの充実ぶりを表すようにじつに晴れやか。それを証明していたのがニューシングル収録曲「LIVE TO DARE」のアクト。デジタルを融合させながらも、歌が始まるとロックでファンキーなグルーヴに合わせてフロアを踊らせ、曲間の長めのベースソロでは威勢のいいビートを奏でてバンドをドライブさせるなど、ここでは歌・ベース・バンドのグルーヴが三位一体となってベーシストのAKiだからこそ作れる圧巻のライブ空間を作ってみせた。
そこから弾けるように始まった「libido」のアップリフティングな盛り上がりは、いうまでもない。さらにライブ中盤、うねるベースプレイだけではなく、歌声までダンディーなエロティシズム満載の声色にシフトして、歌うときに首筋に浮かぶ血管で女性ファンをたっぷり魅了していった「ジウ」、そこからインスト曲「Swag」に突入すると、今度は男くさいロッカー然としたオーラをまとい、鋭い目線でメンバーの出音と駆け引きしながら華やかにスラップを弾き、男性ファンをいっきに釘付けにしたシーンなども、このツアーで表現や魅せ方にさらに磨きがかかった部分といえる。
AKiが放つ華やかで妖艶な部分と男らしいロック感、その人間的な魅力で会場を揺さぶったあとはソングライターとしてのAKiの魅力が爆発。珠玉のメロディーがつまったバラード「tonight.」を気持ちをたっぷり込めて届けたあと、回るミラーボールの光がフロアに降り注ぐなか、彼らしい希望感溢れるキャッチーな「Skyfall」を披露すると、オーディエンスは熱量がたっぷりこもった歌声をステージに返していった。ロックなサウンドを体で浴びながらも、そのなかに歌いたくなるメロディがどこかにある。これはAKiが作る楽曲の最大の特徴でもある。ライブ中こうしてステージと客席が歌でエネルギーのやりとりを行ないながら、お互いの気持ちを重ね合うシーンは、回を重ねるごとにAKiのライブで重要な武器となっていった。
“とてもいい声をありがとう”と感謝を告げるAKi 。“まだまだ暴れ足りないんじゃないですか? 心配しなくても、一人ひとり愛し抜いてやるから!”。そんな粋な言葉でフロアを煽ったあと、最新曲「Monolith」を投下。間奏、めちゃくちゃカッコいいベースソロで観客のハートを思いっきりぶち抜いたあと“いくぞ新宿!”と叫んで、サビを歌い出すと、舞台に向けて腕を掲げるオーディエンスの熱量がひときわ高まっていった。
「Brave New World」でその熱量をさらに加速させ、“でっけー声で歌って下さい”のコールに応えて「The Inside War」では満場のシンガロングが広がり、歌詞通りに“君の作るこの世界”をリアル世界に実現。そして“ラスト! 暴れちまえー!”という叫び声を合図に、ニューシングルに収録したメロコアチューン「All Through The Night」ではフロアのあちこちにサークルモッシュが広がり、新しい景色を生出したところで本編は終了。
アンコールで始まったMCでは、その新しい光景に対してAKiは“なかなかの暴れっぷり。ステキでした”と素直に観客を讃え、“今回のツアーがみんなの“夏の思い出”になって欲しい”と付け加えた。また、そのMCのなかでツアー中にあった最大のトピックとして“いい年したこの青年4人で、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに遊びに行きました”と告白。絶叫系が大の苦手というAKiとYOUSAYが、頑張って絶叫マシンに乗ったときのエピソードで場内を和ませていった。そうして“このツアーも次で最後。だけど俺たちのSTORYはずっとずっと続いていくから”とAKiが叫び、このツアーのラストナンバーとして彼のロックアンセム「STORY」をアクト。会場の温度を最後の最後に再び絶頂まで高めていき、ステージとフロアの想いがさらに強く、一つに重なったところでライブはフィニッシュ。“また必ず会いましょう! 最高でした。愛してるぞ”といって、投げキッスをおくった後、AKi は名残惜しそうにフロアを見渡しステージを後にした。
『Monolith』に収録した曲たちをライブの重要な場面に配置することによって、歌い手として、ベーシストとして、ロックバンドとして、ソングライターとしても人々を魅了するAKi、そのすべてを見せつけるライブのあり方を探り出し、その結果、男らしいロック感と華やかで目を引く妖艶なオーラが同居するAKiの個性までが際立つようになっていった本ツアー。
9月からは、シドとしての全国ホールツアー『SID TOUR 2019 -承認欲求-』が控えている。AKiでのツアーが今後のソロだけではなく、シドにもどのようにフィードバックされるのか大きく期待したい。『SID TOUR 2019 -承認欲求-』は各プレイガイドにてチケット受付中とのこと。こちらも是非チェックして頂きたい。
photo by 西槇太一
text by 東條祥惠
【セットリスト】
1. FREAK SHOW
2. Be Free
3. Fahrenheit
4. ミッドナイト/狂騒/DARLING:
5. LIVE TO DARE
6. libido
7. ジウ
8. Swag
9. tonight.
10. Skyfall
11. Monolith
12. Brave New World
13. The Inside War
14. All Through The Night
<ENCORE>
En1. Wait for You
En2. HEADZ UP
En3. STORY
text by 東條祥惠
【セットリスト】
1. FREAK SHOW
2. Be Free
3. Fahrenheit
4. ミッドナイト/狂騒/DARLING:
5. LIVE TO DARE
6. libido
7. ジウ
8. Swag
9. tonight.
10. Skyfall
11. Monolith
12. Brave New World
13. The Inside War
14. All Through The Night
<ENCORE>
En1. Wait for You
En2. HEADZ UP
En3. STORY