磯村勇斗がミュージカル『プレイハウ
ス』に初挑戦! 舞台にかける思いと
は、その素顔に迫る

連続テレビ小説『ひよっこ』やテレビドラマ『きのう何食べた?』など数々の映像作品に出演し、今、注目を集めている若手俳優の磯村勇斗が、この夏初めて、ミュージカルに挑戦する。出演するのは、根本宗子演出で、異色のアイドルグループ「GANG PARADE」の楽曲を使ったミュージカル『プレイハウス』。カリスマホストの聖夜役を演じる心境や、舞台への思いを語ってもらったほか、休日の過ごし方など、磯村の素顔に迫った。
幼稚園の頃が一番のモテ期だった
ーー今回、初めてミュージカルに挑戦されますが、率直にいかがですか?
初めての挑戦ということで、自分が今まで辿ってきた道ではない新境地になるので、すごく楽しみでもあり、挑戦の場でもあるなという思いでいっぱいですね。ただ、今までストレートプレイの作品しか経験してこなかったので、どういう風にやっていけばいいのか、不安な気持ちもあります。
ーー楽しみと緊張だとどちらの方が強いですか?
まだ楽しみの方が強いですけど、実際に稽古が始まって本番が近づいてくると、また緊張してくるんだろうなという感じはします。
ーーそもそもミュージカルについてはどんなイメージをお持ちですか?
そうですね、これまでも何回かミュージカルの舞台を観に行ったことがありますが、僕の中のミュージカルは、お芝居もありながら、主に歌で表現するというイメージですね。セリフと歌の掛け合いがあって、独特の演出や動きがあるかなと思っています。
 
ただ、今回の『プレイハウス』は僕がイメージしているミュージカルとはまた違うミュージカルになりそうな感じがします。GANG PARADEさんの曲を使った、ライブに近いような、新感覚の“快感ミュージカル”になるのではないでしょうか。なので、今まで自分が見てきたミュージカルというイメージにとらわれすぎないように、稽古には臨んでいきたいと思います。楽しみです。
磯村勇斗
ーー演出・脚本の根本宗子さんは役者と話しながら、当て書きのような本をつくると仰っていました。すでに磯村さんは根本さんと話されたそうですが、どんなエピソードが役に反映されそうだなと思いますか?
チラシに書いてある「人からちやほやされることしか経験せずに育った」というところですかね。これ、僕の幼稚園の頃の話を書いてあると思うんですよ。僕、すごく幼稚園の頃モテていたんですよ。僕の一番のモテ期と言っているんですけど、女の子を並ばさせて、一人ひとりにキスしていくっていう……エピソードを話した気がするので(笑)。​
 
その話を根本さんにお話しているので、この話が設定に反映された可能性はありますよね。まぁ今回、GANG PARADEさんを並ばせてキスさせるというシーンはないと思いますけど(笑)
すっかりGANG PARADEさんのファンです(笑)
ーーお話された時、根本さんに対してどんな印象をお持ちですか?
柔らかい方だなと思いました。話し方を含め、人を見る目の感じとか。でも奥深くに眠っているエネルギーみたいなものも感じましたし。しっかり人を捉えているというよりかは、いろんな角度から見られている気がしました。
 
それは演出家さんとしてなのか、根本さんが本来そういう方なのかは分からないですが……おそらく聖夜(也)​を作る上で僕を見ていたからだと思うんですけど、そんな目線で見られている気がしました。普通に目を見て話していますが、心の奥底を見られている気がして。
ーー根本さんの作品をご覧になったことは?
『クラッシャー女中』を拝見しました。​会話劇が巧みで、どの言葉も逃してはいけないなというぐらい、掛け合いのシーンは圧巻でした。演出も抽象的に見えて、抽象的ではないような、不思議な世界に引き込んでいく演出で、いい意味で掴み所のない舞台でした。
 
ただ『クラッシャー女中』は、今までの根本さんとは違う作品だと聞いたので、今回の『プレイハウス』ではどんなことするんだろう?と考える楽しみが増えました。
磯村勇斗
ーー演出の根本さんに望むことや期待されることはありますか?
うーん、なんでしょう......。まだ根本さんのことを深く知れてはないですし......うまくコミュニケーションをとりながら、GANG PARADEさんと一緒に、お互い足りない部分を補っていけるようなチームになりたいなと思います。根本さんに身を委ねて、引っ張っていただきたいなと思います。
ーーまだ脚本が出来上がる前ですが、どんなカリスマホストを演じたいと思いますか? 現段階の演技プランなどはございますか?
演技プランは台本が出来上がって、稽古に入ってからまた見えてくるものがあると思います。現段階では、大まかなあらすじや「カリスマホスト」といったキーワードでしか言葉を絞り出せませんが、カリスマということは人を惹きつける力が必要になっていくので、そこを演技でどう出すのか。研究したいです。
 
それから、聖夜​は表ではキラキラして見えると思うのですが、影の部分があると思うんです。影があるからこそ輝いているというか。表と裏、光と影の2つの顔を持っていると思うので、しっかりとバックボーンを作って、使い分けるように演じなくてはいけないかなと思います。台本によってまた全然変わると思いますけど、現段階ではそんなことを考えています。
ーー共演するGANG PARADEはもともとご存知でしたか?どんなイメージをお持ちですか?
今回の共演を知って、GANG PARADEさんのことを知りました。今ではミュージックビデオを見たり、音楽を聴いたりしていますし、先日は野音でのライブにいかせていただいて。本当にパワフルで痺れましたね。
 
女性アイドルは「可愛い!」「きゃー!」みたいな存在のイメージがありましたが、ギャンパレさんはもちろん可愛いんですけど、それよりも僕は格好良くて、クールでエネルギッシュなイメージです。応援したいなと素直に思います。すっかりファンになりましたね(笑)
磯村勇斗
舞台に立つ時は、「自分にものすごく魂を集める」
ーーここ1年ぐらいで区切っても、ドラマや映画たくさん映像作品に出られています。映像作品に出演するときと、舞台作品に挑む時、ご自身の中で何か違いはありますか?
ありますね。映像にもリハーサルはありますが、やはり舞台は長い稽古期間があって、みんなで作り上げていく感じがします。また、舞台の本番はお客さんが実際目の前にいらっしゃって、その中で2時間だったら2時間、集中して、失敗できない状況で演技をしなくてはいけない。そう考えると、精神的に強くないと舞台に立てないなと感じるので、自分にものすごく魂を集めますね。​
舞台の本番が終わったら、最終的に魂はなくなっちゃうんですけど(笑)、それぐらいがちょうどいい。エネルギーをみなさんに届けられたなと感じます。どんなことが起きても耐えられる精神力が必要ですよね。それから毎日公演をするわけですから、体力も含めて。
ーー本格的なデビューをされる前に小劇場で舞台に出演されて、少し期間をおいて、昨年再び舞台に立たれました。舞台に対する想いの変化はありますか?
ドラマも映画もどちらも成長する場でもあり、挑戦する場なのですが、舞台はそれをより強く感じる場所。稽古をして、一つの台本を何回も試行錯誤しながら作り上げていくことは、俳優としてアイディアを生む時間も多いですし、みんなとディスカッションして、一番いいところを見つけていくという作業は映像ではなかなかできないので。​
 
舞台は稽古で試せるし、いろいろなアイディアや「こういうやり方があるんだ」という発見があります。それは俳優にとってすごく大事な時間だなと思います。
磯村勇斗
ーー映像作品でキャリアを積んできたことをまた舞台にフィードバックしたりもするのでしょうか?
どうでしょうね。それはまだ感じたことはないかもしれません。もしかしたらそれを意識せずにできている可能性はあるかもしれませんが。逆に、舞台で得たものが映像で生きているというのは感じたことはあるかもしれないです。
 
人前で何かをすることや自由に動くことに対して、恐怖心なくできる。それから、自分だけかもしれないですが、台本を入れる作業が、舞台をやっていたからこそ、スッと入って来やすいと感じています。
ーー映像でも舞台でも普段の役作りは、生活が変わってしまうほどのめり込むタイプですか?
生活スタイルまで変わっちゃうぐらいのめり込むタイプなんですけど、タイミングによりますね。一つの作品に集中できるときはそれができますが、なかなかそうはいかないタイミングだったりするので。いくつもスイッチを持って、うまく切り替えをしたいです。
ーー映像と舞台、ご自身の中ではどちらを重点的にやっていきたいという思いはありますか?
特にないですね。舞台も映像もどちらもそれぞれの良さがあるので、頂いたタイミングでその作品に挑戦していくというスタンスです。​
磯村勇斗
“遊び人”としてぜひ『プレイハウス』を見に来て!
ーー爽やかな役からヒールな役まで役幅が広い印象なのですが、ご自身としてはどちらの方が演じやすいというのはあるのですか? 今後やってみたい役は?
ないんですよね。どちらもやっていて楽しかったですし、どちらが得意/不得意というのもなく。
これをやってみたい! という役はないのですが、今年27歳になるんです。そろそろ男臭い、泥臭い役はやってみたいなとは思います。ハードボイルな感じの、ヒゲが似合うというか、ボサボサが似合うというか……ジルベール(※『きのう何食べた?』の磯村の役名)じゃないですよ?(笑)。それとは違った男らしさに挑戦してもいいかなと思いますね。
ーー目標にしている俳優はいますか?
目標にしている人はいないですけど、松田優作さんにはすごく刺激を受けました。彼の影響で「男臭い役を演じたい」と思っているのかもしれないですが、自分がデビューする前に松田さんの作品を見ていて、生き様や、俳優への取り組み方、すごく命を削りながらやっている気がして、すごく痺れたんです。映像を見ていてもそれが伝わって来ましたし、格好いいなぁと思っていました。
ーー映像も含めて、いろいろとご出演が続きますが、ご自分の時間ができた時、プライベートの時間は何をされているのですか?
いろいろなところで言っているのですが、今、サウナにはまっています。そればかりですね。申し訳ないぐらい(笑)
 
サウナが今一番のリラックス方法です。多いときは2日に1回、最低でも1週間に1、2回は絶対に行かないと。100度以上のサウナだったら8分サウナに入って、水風呂に入って、休憩をする。それを1セットとして、3回繰り返します。サウナは心の整体と言われるぐらい、精神にいいもので、無になりますね。基本は自分と向き合う大事な時間です。
ーー最後に、この作品をどんな方に見てほしいか、メッセージをお願いします!
根本さんの演出と脚本のもと、今までに見たことがないようなミュージカルが出来上がると思います。お客様というより、みなさんには“遊び人”(※GANG PARADEのファンは“遊び人”と称されている)として見に来ていただくといいかもしれません。また新たな舞台の見方をこの『プレイハウス』で知ることになるのかなと思うので、ぜひたくさんの方に来ていただきたいです。
磯村勇斗
取材・文=五月女菜穂 撮影=早川達也

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