有安杏果がライブについて語ったイン
タビュー到着 「全部初日で、全部千
秋楽という気持ちで」

――改めて、復帰ライブとなった『サクライブ』をふりかえっていただけますか?
もう、すっっごい緊張しました(笑)。『サクライブ』はいろいろな報道があった直後のライブだったので、応援してくれてるファンの方の気持ちがどんなふうになってるのかなっていう不安もあったし、そもそも自分自身も久しくステージや人前に立っていなかったので、その面でもすごく緊張しました。そういう意味では、なかなかない不安や緊張を味わったライブでしたね。でも、その気持ちを抱えていたからこそ、実際にステージに立ってやってみて、泣いたり、笑顔になったり、一緒に歌ってくれたお客さん、ひとりひとりの顔を見ることができて、すごくやってよかったなって思ったし、もっと頑張りたいって思いました。
――ソロでのライブとなると、2017年10月の日本武道館以来、約1年半ぶりでした。
そうですね。ソロではけっこう大きい会場でやらせてもらってて、最後は武道館だったので、ライブハウスはお客さんとの距離が近く感じました。昔はライブハウスでもやらせてもらったこともありましたが、最近はなかなかなかったので、すごく近いなと思って。でも、大きくも感じたんですよね。ライブハウスってこんなに大きかったんだって。
――ライブハウスから始めたのは何か理由はありますか?
武道館公演では弦が8人いて、ギターは2人いたんですけど、サクライブは今までで最小人数の4ピースバンドで、できることからやっていこうっていう気持ちで始めました。サクライブからスタートするにあたって、サクライブの前に本当はまずは一人でギター1本で3月15日の誕生日に路上ライブをやろうと計画していました。その準備を実はしてたんですけど、ああいった報道があった後だったので、なにかトラブルが起きたら、今後の活動に影響してしまうかもしれないっていうことで、直前で断念しました。でもいつかどこかで路上ライブもやりたいと思っています。
――アレンジも音源とは変わってました。
そうですね。CD音源だと弦や管が入ってたり、音数がめちゃくちゃ多いので、それを全部4人だけで演奏してもらって。バンドメンバーみんなで『音埋めてこ!』って言ってたりして(笑)。あと、今回は同期のオケなし、クリックなしでやったんです、全員。
――ブレイクしてボーカルだけになるところもみんなで息を合わせて?
そうです。そういうのを今までやったことなかったので、どうやって合図出したらいいのかわかんなくて(笑)。最初はめちゃめちゃダサかったんです。リハスタの鏡に映る自分があまりにもダサすぎて(笑)。そこに迷ったりはしたんですけど。
――アンコールではその日演奏した楽曲を遡っていく「逆再生メドレー」もありました。
自分でもやってて面白かったです。同じのを逆再生するだけじゃ面白くないからってことで、ちょこちょこアレンジを変えたりしながらやったら、ファンの方も喜んでくれて。アレンジを変えるだけで、こんなに雰囲気が変わるんだっていう曲もあって。しかも、20分くらいあるので、『逆再生メドレー』だけでリハ1日以上かかるんです(笑)。クリックもないし、あれアレンジもテンポ変わるので、ドラムが特に大変そうで(笑)。
――(笑)。いわゆるライブ映像のティザーで流れるダイジェストを生でやってるっていうことですもんね。これは恒例になるんですか?
恒例にしようと思ってます。だから、セットリストを変えたら逆再生も変わるんです(笑)。以前、東名阪ツアーの時に1ヵ所だけセットリストを入れ替えたところがあったんですよ。そしたら逆再生も変わるねってことで変えたりしましたね。
有安杏果サクライブ 2019 ~Another story~』
――ライブを終えて、どんなことを感じました?
すごく元気になりました(笑)。あのあと、2日間くらい、めちゃくちゃ元気で。まだライブできる!みたいな。それくらい元気でした(笑)。
――あははははは。それはどうしてですか。
わかんないです。何なんですかね。アドレナリンがまだ出てるみたいな状態でしたね(笑)。でも、ライブでも言ったんですけど、次のZeppツアーに向けてソッコーやることリスト作って、仮のセットリストを組んでみたりとか、曲も何か作ってみようって思って作ってみたり、ギターのソロの練習をしてみたり、相変わらずやってました、終わったあとも。
――『サクライブ』の最後に6ヵ所13公演のZeppツアーの開催を発表しました。
サクライブは東京と大阪のみだったので、全国をまわりたいとは思っていました。今までこんな本数をひとりでやったことなかったので、最初に日程を見たときは「え、これやれるのかな?(笑)」とは思ったんですけど、いろいろかみ砕いて、今回は何よりも全国のみなさんの元に行きたい気持ちを最優先に考えたら、本当にすごく楽しみに思っています。
――ツアーのタイトルは『Pop Step Zepp Tour』にはどんな思いを込めてますか?
半分語呂もあるんですけど、『サクライブ』をやって次のステップっていうところで、ホップステップ。で、曲的にもポップなんで、ホップじゃなくてポップにしようと思って、『Pop Step Zepp』にしました(笑)。でも仙台公演だけ、Zeppじゃないので、『Pop Step PIT』にします(笑)。
――先ほど、セトリも考え始めてると言ってましたが、どんなツアーになりそうですか。
新曲をやりたいなって思ってます。『サクライブ』が終わってから、夏に向けて作った曲があるので、それができたらいいなって思ってます。もうすぐバンドリハがあるので、リハでやっていって、アレンジもどんどん出来上がっていくと思うし。安心感のある贅沢なバンドメンバーなので、音源のままのアレンジっていうのは1曲もないんですよね。リハしながら、どんどん意見を言ってもらって一緒に作っていく感じなんです。あとは、また楽器もいろいろやれたらなって思ってます。
――今回は、東京と大阪以外の公演もあります。
北海道にはひとりのライブで行ったことないし、仙台や福岡、名古屋も、2年くらいは行ってなくて。とにかく今回のライブの目的としては、北海道、東北、九州を始め色々な地方のみなさんのところでライブをしたいという気持ちが強いので、とても楽しみにしています。​
『ヒカリの声』
――8月13日の東京の追加公演ですが、ここだけタイトルが「『ヒカリの声』写真集出版記念」となっていますが、他のライブとは違うものになりそうですか?
これは……同じです!(笑)。ただ、『サクライブ』をやった時に、お客さんの年齢層が10代から最高で73歳までで幅広くて。70代の方もライブハウスに来て応援してくれてるので、スタンディングは厳しいというので二階席が人気あったりしたんですね。だったら追加公演は全部座席指定にした方が、ライブハウスに慣れていない若い子や年配の方も来やすくなるんじゃないかっていうことでそうする予定です。中身は本当に一緒ですね。
――では、ツアーを楽しみにしてるファンの方にメッセージをください。
私もすごい楽しみです。春は東京と大阪にしか行けてないので、全国の応援してくれてる方ひとりひとりの顔を見に行けるっていうのがすごく嬉しいし、ひとりひとりに届けられたらなって思います。でも、始まったらきっと、あっという間に終わっちゃうと思うんですよ。だから、クタクタになるまで1公演1公演、1曲1曲丁寧に歌いたいなって思います。これは昔から考えていることなんですが、全部の公演が全部初日で、全部千秋楽という気持ちで。1本1本丁寧にやっていけたらなって思います。2デイズの場所もありますが、同じ曲を歌ったとしても、同期もクリックもない生のバンドだからこそ、まったく同じにはならないと思います。そういうライブ感だったり、ハプニングも楽しめるくらいのものにできたら。あとはやっぱりライブハウスなので、お客さんとの近い距離感を楽しみたいなって思います。あと、ツアーではサプライズもいくつか考えているので、本当に楽しみにしていてほしいですね。

取材・文=永堀アツオ
有安杏果 ライフスタイル本 『Happy Holidays』

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