【インタビュー】doa、デビュー15周
年を語る_前編「転機は“3人全員がリ
ードボーカル”」

メジャーデビュー15周年を迎えるdoaが、夏、秋、冬の3期に分けて三部作となるベストアルバムをリリースする。当初、オフィシャルサイトにて『doa 15th Anniversary BEST SONGS リクエスト投票』を実施。予想をはるかに上回る投票数と音楽的に多岐にわたる上位楽曲の結果を受けて決定したものだ。リクエスト上位曲から『ROCK』『MIDDLE』『BALLAD』をメンバー自身が選曲し、『doa Best Selection』は全3作、収録曲はそれぞれ19曲という大ボリュームでリリースされる。
BARKSでは、doaの15年間を紐解くヒストリーを前編と後編の二部構成でお届けすることをはじめ、メンバー個々の背景に迫る単独インタビューを実行。全5本のインタビューから、“3ボーカル”という道なき道を歩んできた彼らの軌跡を辿り、彼らの向かう先の光をみつめる特集をお届けしたい。その第一弾は、2004年の結成から2011年までの前期を振り返りつつ、ターニングポイントを明かす。また、本日7月10日にリリースとなった『doa Best Selection “ROCK COAST”』収録新曲「WINDOW」についても深く話を訊いた。

   ◆   ◆   ◆

■すごい人数の“Hey!”素材が集まった
■それを元に作った新曲が「WINDOW」

──doaのデビュー15周年を記念したベストアルバムが、全3枚というボリュームでリリースされます。

徳永:実は僕、ベストというのはあまり好きじゃないんですよね。自分達発信で“これがベストだぜ!”ということに違和感があるし、そもそも全ての曲についてベストだと思って作っているから。だけど、ファンの皆さんや僕らのスタッフが「せっかくの15周年だから」とおっしゃってくれるので、「集大成的な作品をお祭り的に出せたらいいね」ということを3人で話していたんです。ただ、ベストを作るにしてもシングル曲を集めたようなものは、今回は違うだろうという話になって。
──実際、デビュー10周年のときにリリースした初ベストアルバム『"open_door" 2004-2014』はシングル曲を網羅したものでしたし。

徳永:そう。だったら、“doaファンの方々はどの曲が好きなんだろう?”と思って、人気投票を募り、上位曲をセレクトした作品を出そうということになったんです。ところが、蓋を開けてみたら予想を遥かに超える応募数がありまして、集計してみたら曲調も多岐にわたっていたんですよ。だったら、3人編成の僕らは“3”という数字に縁があるし、3枚出したらいいんじゃないかということになって。アップテンポな『ROCK』を夏、『MIDDLE』を秋、『BALLAD』を冬と、順番にリリースしようということになりました。

大田:最初は「2枚組がいいんじゃないか」という話もあったんですけど、バラードとロックに分けると、doaはミドルテンポの曲がすごく多いから、収まりが良くなくて3つに。先ほどおっしゃられたように、10周年の時にもベストアルバムを出しているので、それと似ないようにしたいというのもあったし。当初はそれぞれ、10~12曲収録にしようと言っていたけど、集計結果を見て、これも入れたい、あれも入れたいとなり、結局19曲ずつ(笑)。さらに新曲も収録されているので、15周年にふさわしい作品になったかなと思います。

吉本:ここまで大ボリュームは初の試みだから楽しみですけど、3枚出すというのは今のところ、まだ予定ですよ(笑)。『MIDDLE』と『BALLAD』に収録する新曲は今のところ録っていないので、今後の制作が順調にいくことを祈っています(笑)。

──そこは順調にいっていただかないと困ります(笑)。それにしても話を聞いて思いましたが、doaファンの方は熱いですね。

吉本:僕らも感じました。投票するために、doaの音源を改めて聴き返してくれたと思うんですよ。そうじゃないと、ここまでいろんな曲は入ってこなかったはず。ほとんどライブでやってない曲も入ってましたからね。
──ベスト三部作は、ファンの皆さんへの大きなプレゼントといえますね。先ほど話が出ましたが、ベストアルバムには新曲が収録されることも発表されています。7月10日にリリースされる第一弾『doa Best Selection “ROCK COAST”』には「WINDOW」が収録されますね。

徳永:今年の始めくらいにアコースティックツアーをしたんですけど、その時に「ファンの皆さんの声を入れた曲を作りたいね」という話になったんです。たしか吉本君発案じゃなかったっけ?

吉本:そうでしたっけ? よく覚えていないです(笑)。

徳永:ははは。そういう話が出て、ツアー全公演でお客さんに、曲もなにもない状態だったんですけど、“パンッ・パッパッ・パン「Hey!」”みたいに言ってもらったものを録っておいたんです。いろいろな会場で録ったから当然音も違うし、すごい人数の「Hey!」素材が集まった。それを元に作った新曲が「WINDOW」です。最初はベスト用ではなくて、新曲作りの一環だったんですけど、みんなで合わせた声が、我々おとな世代の応援歌みたいな感じがして。夏のパワー的なイメージが湧いてきたので、ベストアルバム第一弾となる『doa Best Selection “ROCK COAST”』に収録することにしました。

──合唱をフィーチュアした曲というとパワフルなロックチューンをイメージしがちですが、「WINDOW」は爽やかで、少し哀愁も香るというdoaらしい曲です。

徳永:そうなんですよ。「Hey!」とは言っているものの、“みんなで力を合わせよう”みたいなことは全然歌ってなくて、描いたのは1人で黙々と仕事をがんばっている姿。その主人公の心の叫びを「Hey!」で表している感じです。

大田:最初に聴いた時は南米を感じましたね。徳永君が歌詞を書いているので熱いんですよ(笑)。LINEで歌詞の内容説明が送られてくるんですけど、“サラリーマンだって、会議室で戦っているじゃないですか”みたいなことが書いてあって、“どうしたんだろう? その熱さ、すごいな”みたいな(笑)。レコーディングの時も「1人4本ずつコーラスを録るか」とか言うんですよ。壁みたいな分厚いコーラスにしたいんだと。そんな感じもあって「WINDOW」はとにかく“熱い”という印象(笑)。でも、楽曲自体はおっしゃるとおり、爽やか。

吉本:僕も大田さんと同じですね。メキシカンハットとサボテンが思い浮かびました。

徳永&大田:それ中米じゃん(笑)。

吉本:いや、中南米です(笑)。一時期、僕はスペインに住んでいたこともあって、ラテン系音楽のノリは大好きなんですよ。だから、「WINDOW」のラテンっぽいテンポ感はすごくいいと思ったし、着地点はdoaらしいウエストコーストだから、ラテンが香るウエストコーストロックというのは面白いですよね。

徳永:ラテンとウエストコーストといえば、イーグルスの代表曲「ホテル・カリフォルニア」はスパニッシュとかラテンの要素が入っていますよね。レゲエっぽさも含んでいるし。そういうハイブリッドな曲を「WINDOW」でやってみたいと思った、ということもありました。
■2人はB’zのサポートメンバーだったので
■ただdoaのメンバーに誘われたかな(笑)?

──さて、今回の特集はdoa15周年を記念したもので、15年間を前期と後期に分けてお話をうかがいたいと思います。まずはその前期から。doaはどんなふうに結成されたのかを、改めて話していただけますか。

徳永:“全員が歌えるロックバンドを作りたい”と僕が思ったことが始まりです。具体的に言うと、元々イーグルスが好きだったこともあって、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングみたいに、みんなでハモるロックバンドをやってみたかったんです。僕は表舞台に立つようになる前は、いわゆる裏方の作曲家だったので、1人で多重録音をしたり、スタジオにこもったりすることがメインだったんですよ。そういう活動では絶対にできないこと……たとえば“ステージに立って、3人でハモったりできたらいいな”と漠然と思っていたところ、吉本君と出会って、具体的に結成へ動き始めたんです。

──吉本さんとは、どんなふうに知り合ったのでしょう?

吉本:大阪ミナミの引っかけ橋で、徳永さんにナンパされました(笑)。

徳永:はははは!……それでいいのか?

吉本:いや(笑)。僕と徳永さんの共通の知り合いが紹介してくれたんです。最初は「バンドをやろう」みたいなことではなくて、普通に徳永さんを紹介されたんですけど、えらい男前やなという印象でしたね。その時は徳永さんが何をしている人なのかよくわかっていなかったんです。

徳永:お互いにそうだったよね(笑)。その頃の僕はクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングをカバーしたデモを作っていたんですよ。吉本君はオーストラリアで育ったと聞いていたので、「英語で歌える?」「もちろん」というやりとりがあって、実際に歌ってもらったらすごくいいわけですよ。それがきっかけで、doaにつながっていきました。

──お2人の共通の知り合いに感謝ですね。吉本さんはそれまで、音楽活動はされていたのでしょうか?

吉本:その頃はレーサーとして全国をまわっていたので。元々音楽は好きだから、遊びでバンドをやったりしたことはありましたけど、音楽歴はそれくらい。本格的に音楽と関わるようになったのはdoaが初めてで、徳永さんに誘われた時は“本当に自分でいいのかな”と思いましたね。

徳永:吉本君は歌も上手いしルックスもいい。ぜひ一緒にバンドをやりたいと思ったよ。

大田:吉本君は今や主演男優だしね(笑)。

──は? そうなんですか?

吉本:いや、先日「WINDOW」のミュージックビデオを撮ったんですけど、ドラマ仕立てというか、演技するシーンが結構あって。まだ、どんな仕上がりになるのかはわからないけど、今までのミュージックビデオとは全然違う。今は出来上がりを見るのが楽しみなような、怖いような……という気持ちです(笑)。
大田:レースをやめてほしいとか、違うメンバーを探そうみたいな考えは一切なかったですから。で、僕自身の前期の転機を挙げるとすれば、歌詞を書き始めたことですね。「君だけに気づいてほしい」(2005年8月発表)という曲で初めて歌詞を書いたんです。歌詞を書くのは難しい作業だし、元々書くつもりはなかったんですけど、徳永君が作詞で悩んでいる姿を見て、「俺もちょっと手伝おうか」と言ったら、「それはぜひ」ということになって。歌詞を書いてみると、メロディーに対してどういう符割りで言葉を乗せるかを理解してもらうために、自分で仮歌を歌うことになるんですね。それを聴いたメンバーが「大田さんもリードボーカルをとれるんじゃないか」と思ってくれたみたいで、その頃から僕がリードボーカルの曲が出来始めた。つまり、「君だけに気づいてほしい」をきっかけに自己表現の場が一気に広がったんです。

徳永:僕のターニングポイントは、「あるアニメのタイアップを」という話をいただいて、納品前日に、ほぼ完成形まで作り込んだんですよ。でも、プロデューサーのところに持っていったら、その日の夜に、曲ごとボツになった。「楽曲自体はいいけど、アニメとのマッチングがよくない」ということで。でも、納期は翌日昼だったから、大急ぎで新たな曲を作らないといけないということで、夜中から曲を作り出したんですけど、“あ、吉本君がいないぞ”と(笑)。彼はボーカルレコーディング後に、ヨーロッパへ帰ってしまったんですよ。

──なるほど。どうしたんですか?

徳永:“doaはボーカルが3人いるんだから、この曲は自分で歌ってみよう”って曲を作り直して、自分で歌ったデモを翌日提出したら気に入ってもらえたんです。それがシングル「心のリズム飛び散るバタフライ」(2006年12月発表)。シングル曲で僕がリードボーカルを取ったのは初めてだったんですけど、有線で年間賞をいただいたり、結果も残せた。こういう方向性もありだなと思えたということも含めて、doaのターニングポイントだと思います。
■ベストアルバム第1弾『doa Best Selection “ROCK COAST”』

2019年7月10日(水)発売
GZCA-5292 3,000円(+税)
01. 英雄
02. HERO
03. WINDOW (新曲)
04. 火ノ鳥のように
05. 青い果実
06. 白の呪文
07. ゼロの気持ち
08. FREEDOMxFREEDOM
09. 見えない海
10. RIDE ON
11. FLY HIGH
12. 危険なカーブ
13. コンビニマドンナ
14. GIMME FIVE
15. Run to you
16. SATURDAY NIGHT FEVER
17. どしゃぶり PaperDriver
18. 自由という名のブランド
19. テキサスホールデム

【Musingオリジナル購入特典】
Musingにて2019年7月10日リリースのベストアルバム「doa Best Selection “ROCK COAST”」をご購入いただくと、大田紳一郎 サイン&メッセージ入りA5サイズカード(※)をプレゼント。
※特典はなくなり次第終了となります。
※CD1枚ご購入ごとに特典を1つお付けいたします。
※サインは直筆となりますが、メッセージ部分はプリント(印刷)となります。
http://musing.jp/shop/item/GZCA-5292

【「doa Best Selection “ROCK COAST”」ライブ会場購入特典】
(1). doa 15th Summer Live “open_door” 2019 各ライブ会場にて、「doa Best Selection “ROCK COAST”」をお買い上げの方に、先着でdoa Best Selection “ROCK COAST”告知用B2ポスターをプレゼント(ランダムでメンバーの直筆サイン入り)。
(2). doaの旧譜CD・DVDを合計3,000円以上お買い上げの方には、先着でメンバー直筆サイン入りオリジナル色紙をプレゼント(doa Best Selection “ROCK COAST”は対象外となります)。


■「WINDOW」配信情報

配信スタート:6月12日より先行配信中
※テレビ東京系6局同時ネット他『じっくり聞いタロウ~スター近況(秘)報告~』7月度エンディングテーマ
※毎週木曜日 深夜0:12〜放送/7月4日(木)放送分より
※『doa Best Selection “ROCK COAST”』収録曲
・アルバムリリースに先駆け、2019年6月12日(水)よりダウンロード配信&サブスクリプション配信スタート。
・各配信会社他、Apple Music・Spotify・AWA・KKBOX・LINE MUSIC・dヒッツにてサブスクリプション配信中。
・楽曲「WINDOW」は、上司と部下の間に挟まれた中間管理職が、がむしゃらに生きる姿を描いたミドル世代への応援歌。「現状を変えてやる!新しい世界を切り開いてやる!…それをミドル世代がやらなくて誰がやる!!」といった反骨精神を表現した。


■ベストアルバム第2弾『doa Best Selection “MIDDLE COAST”』

2019年9月11日(水)発売
GZCA-5293 3,000円(+税)
01. THIS LIFE
02. I wish
03. CATCH(新曲)
04. SMILE
05. YOU&I
06. 君だけに気づいてほしい
07. 終わらないYESTERDAY
08. 拳
09. Siren
10. ハレ
11. TAKE IT EASY
12. FRONTIER
13. Amazing Days
14. サザンライツ
15. Route 26
16. 大人ラプソディー
17. HOME SWEET HOME
18. 無人島
19. 僕は君を壊したりしない


■<doa 15th Summer Live “open_door” 2019>

07月14日(日) 東京・赤羽 ReNY alpha
open16:00 / start16:30
(問)ディスクガレージ 050-5533-0888
07月15日(月祝) 愛知・NAGOYA ReNY limited
open17:00 / start17:30
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
07月21日(日) 長野・LIVE HOUSE J
open17:00 / start17:30
(問)doarock 06-6110-0116
08月12日(月祝) 愛媛・松山サロンキティ
open16:30 / start17:00
(問)doarock 06-6110-0116
08月18日(日) 大阪・梅田 Banana Hall
open17:00 / start17:30
(問)サウンドクリエーター 06-6357-4400
09月02日(月) 兵庫・神戸VARIT.
open18:30 / start19:00
(問)サウンドクリエーター 06-6357-4400
09月24日(火) 埼玉・西川口Live House Hearts
open18:30 / start19:00
(問)doarock 06-6110-0116
09月25日(水) 神奈川・新横浜 NEW SIDE BEACH!!
open18:30 / start19:00
(問)doarock 06-6110-0116
10月05日(土) 北海道・札幌Space Art Studio
open16:00 / start16:30
(問)doarock 06-6110-0116
10月14日(月祝) 福島・郡山CLUB♯9
open16:30 / start17:00
(問)doarock 06-6110-0116
10月19日(土) 岡山・livehouse IMAGE
open16:30 / start17:00
(問)doarock 06-6110-0116
10月27日(日) 福岡・DRUM SON
open17:00 / start17:30
(問)BEA 092-712-4221
▼チケット
前売:6,000円(税込 / 全自由 ※整理番号付)
当日:6,500円(税込 / 全自由 ※整理番号付)
※6歳未満入場不可
※開場時間より整理番号順の入場
※ドリンク代別途必要
※開場・開演時間は変更となる場合がございます
一般発売:2019年6月15日(土)朝10時より各プレイガイドにて

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