BMS(BEATER Monthly Selection) Vo
l.2~MV風味絶佳~

ミーティアで紹介しているローチケ内のライブハウス情報ページ「BEATER」がマンスリーでお届けするアーティストセレクション。毎日のようにライブハウスを駆け巡る担当者が自信を持っておすすめするバンド・アーティストをご紹介します!第2回目となる7月は、MVがセンス抜群のアーティストたち!

メロウな音楽をさらに引き立てる極上の
MVを結集

あなたが新しい音楽に出会うとき、まずはどこへ探しに行きますか? 例えば、タワレコやHMVなどのCDショップをはじめ、ストリーミングサービス、フェスのようなライブ会場…などなど。音楽を知るための選択肢が無限にある昨今ですが、YouTubeで再生するミュージックビデオを介して、新しい楽曲に触れる機会はとても多いのではないでしょうか。

今や、音楽とミュージックビデオは一心同体の関係といっても過言ではありません。The Bugglesがリリースした「Video Killed The Radio Star」から始まったMTVから、音楽にビデオ=映像をつけて表現する文化は脈々と受け継がれてきました。例えば、マイケルジャクソンの「Thriller」やジャミロクワイの「Virtual Insanity」なんかも、曲名を聞いただけでみんなパッと映像が頭に思い浮かびますよね。
また、最近ではMVから人気に火がつく、という流れも決して小さな動きではありません。岡崎体育が「MUSIC VIDEO」と題して数々のあるあるモチーフを集めていくなど、MVが楽曲に与える要素がかなり大きいことがよくわかります。
そこで、今回は洗練されたMVを配信しているアーティストたちを4組集めてご紹介します。もちろん音源だけで聴いても洗練されている楽曲をさらに際立たせるMVが揃い踏みですよ。

眩しさとノスタルジックを感じるローフ
ァイ・ビデオ!
「The Songbards/太陽の憂鬱」

The fin.FIVE NEW OLDなど、音楽のシーンが熱い土地として注目されている神戸。そして2017年3月に結成された4人組バンド、The Songbardsもまた神戸で活動をスタートさせたバンドです。軽快なメロディとリズムに少しノスタルジックなリリックを乗せて歌い上げる彼らの音楽には、太陽で視界がホワイトアウトする時に感じる、逃げ場のないまぶしさのような、どうしようもないやり場のなさがあります。
全体的にVHSっぽい、ローファイな質感の映像と、お父さんが慣れないカメラを回している時のホームビデオのような画面の揺れ具合。そこにはなんともいえない懐かしさが滲んでいます。彼らがちょうど幼かった頃でもある1990年代の「平成」な映像とどこかリンクしている部分もありそうです。

The Songbards公式サイト
公式Twitter
The Songbardsチケット情報

時間の軸を越えて重なる「歩く」映像。
「Ghost like girlfriend/fallin’」

次に、シンガーソングライターの岡林健勝によるソロプロジェクト、Ghost like girlfriend。ウィスパー混じりのボーカルが特徴的ですが、彼の楽曲「fallin’」MVは、実は私が気になって仕方ないMVの手法のひとつでもある「歩く系(勝手に名付けました)」なんです。
けものの「めたもるセブン」や東京事変「キラーチューン」など、例を挙げればキリがないのですが、「歩く系」MVの代表格といえば9年前にリリースされたサカナクションの「アルクアラウンド」。夜道を歩きながら歌う山口一郎と、様々なギミックで映し出される歌詞を何度見返したかわかりません。「fallin’」がどんどん歩いていく様子に合わせて華奢なフォントの歌詞を載せているのも、リリックのなめらかな文脈を際立たせているのではないでしょうか。さらに、MONDO GROSSOと満島ひかりの「ラビリンス」のように街歩きをするモチーフに、朝夜と時間の軸を変えた2人が歩いてカットが重なっていくという流れもまた美しいです。

Ghost like girlfriend公式サイト
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誰もが恋した2010年代最後のラブストー
リーを随所に。「SIRUP/LOOP」

続いては、シンガーソングライターKYOtaroによるソロプロジェクト、SIRUP。グルーヴィなリズムに載せてソウルフルに歌い上げる彼の名前の由来は「Sing & Rap」なのだそう。そんな彼の、メロウで甘い一曲、LOOPのMVをどうぞ。
そう、気づいちゃったのですが、このMVを何度も見ているうちに映像が醸し出すロマンチックなムードには、要素として「ピンク」「サングラス」「コーヒー」「コインランドリー」に凝縮されているのではないでしょうか。サングラスをかけた主人公が、コーヒーショップの店員とコインランドリーで恋に落ちるピンクのアートワークの作品といえば、2017年に上映された映画「ベイビー・ドライバー」。ベイビーとデブラの甘く濃密な関係とMVが、私にはオマージュのように重なって映りました。

SIRUP公式サイト
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レトロ×シティポップ=ディスコ!「Si
jima/Discotheque」

最後に、2018年4月に結成されたバンドSijimaのDiscothequeのMVをどうぞ。映像には、女性のマネキンやドレス、ハイヒール、ジュエリーなど、きらびやかなモチーフが数々散りばめられています。全体的に80年代のバブリーっぽさがあるモチーフが集められていますが、青みのある絶妙なホワイトバランスと光の加減、さらに彼らの楽曲と演奏する姿が重なることによって、2010年代のシティポップな邦楽ロックに落とし込まれています。
Sijima公式サイト
公式Twitter

https://l-tike.com/artist/000000000805891/

いかがでしたか? 音と映像を同時に体感すると、アーティストの魅力が多面的に楽しめるんですよね。
ネクストブレイクの発掘も洒落たMV探しからスタートすると、思わぬところに出会いがあるかもしれませんよ!
次回のBMSもお楽しみに!

BEATER [ローチケ ライブハウス情報サイト]

BMS(BEATER Monthly Selection) Vol.2~MV風味絶佳~はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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