【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#104
音楽プロデューサー・川瀬泰雄の言葉

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

世界中の色んなジャンルの音楽を知らな
いまま育っちゃって、こんな世界でいい
のか?

より

このインタビューでは、伝説の音楽プロデューサー・川瀬泰雄と邦楽ディレクター・吉田格の二人が、アレンジャーの重要性と共に、音楽業界の若い世代に向けて熱いメッセージを送っている。今回の名言は、川瀬の「何年か前から、売れているアーティストはAKB48とかモーニング娘。で、日本国内だけで売れていく。でも、世界からしたら『それしかないの?』っていう感じじゃないですか」という言葉に続けて発せられた。川瀬はそれを、音楽ビジネスが低迷している理由のひとつとしてとらえているようだ。一方、吉田は、「安上がりだから全部打ち込みでやろう、ということ自体が音楽じゃないよなって気がするんですよね」と語っている。今の日本の歌謡界に生きる、すべての音楽家に読んで欲しい記事である。

川瀬泰雄 (かわせやすお)
1947年生まれ、神奈川県横浜市出身。音楽プロデューサー、ミュージシャン。1969年、東京音楽出版(ホリプロ)に入社。和田アキ子井上陽水、モップス、愛奴、山口百恵榊原郁恵片平なぎさ堀ちえみ、エコノミック・アニマルズなど、40組以上の音楽プロデュースを手掛ける。キティ・レコードに移籍した後は、岩城滉一吉永小百合姫乃樹リカ、西邑理香とカミングスーン!、松田良、原江梨子など、約10数組を担当。独立後は、松田聖子岩崎宏美などの音楽制作に携わっている。現在までに音楽制作に関わった曲は1600曲以上。ビートルズ研究家としても有名で、著書に『真実のビートルズ・サウンド』(学習研究社)がある。CD『ビートルズ・マニアック・コピー・シリーズ』も制作している。『プレイバック 制作ディレクター回想記 音楽「山口百恵」全軌跡』(学研教育出版)、『真実のビートルズ・サウンド完全版 全213曲の音楽的マジックを解明』(リットーミュージック)など、著書多数。 ビートルズやパブ・ロックなど、複数のバンドでプレイヤーとしても活動している。

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