有安杏果

有安杏果

有安杏果、
全国ライブハウスツアーは
“全部初日、全部千秋楽という
気持ちで丁寧にやっていきたい”

2018年1月にももいろクローバーZを卒業し、2019年1月から音楽家、写真家としてのアーティスト活動をスタートさせた有安杏果。同年3月に東京と大阪の2カ所で開催された『サクライブ2019〜Another story~』をもって、1年2カ月ぶりにステージに復帰した彼女が、この夏、全国6カ所13公演に及ぶ全国ライブハウスツアー『Pop Step Zepp Tour 2019』を開催する。活動開始から精力的なライブ活動を続ける彼女に話を聞いた。

――音楽活動や写真活動を始めた率直な心境から聞かせてください。

「マイペースに無理なくできているので、すごくありがたい環境でやらせてもらってるなって思います」

――活動開始前はどんな活動をしたいと思っていましたか?

「やる前からガチガチにこうしたいっていうのを決めてたわけでは全然なくて。漠然と表現したいなっていうふうに思っていたなかで、まずはやっぱりライブだなって思ったんですね。だから、春の『サクライブ』からスタートしたんですけど、ライブをやってみて……やったからこそ、『あ、こういうのをやりたいな』って、いろいろとやってみたいなと思うことが出てきました」

撮影:近藤宏一/取材:永堀アツオ
2018年1月にももいろクローバーZを卒業し、2019年1月から音楽家、写真家としてのアーティスト活動をスタートさせた有安杏果。同年3月に東京と大阪の2カ所で開催された「サクライブ2019〜Another story~」をもって、1年2ヶ月ぶりにステージに復帰した彼女が、この夏、全国6カ所13公演に及ぶ全国ライブハウスツアー「Pop Step Zepp Tour 2019」を開催する。活動開始から精力的なライブ活動を続ける彼女に話を聞いた。

――音楽活動や写真活動を始めた率直な心境から聞かせてください。

「マイペースに無理なくできているので、すごくありがたい環境でやらせてもらってるなって思います」

――活動開始前はどんな活動をしたいと思っていましたか?

「やる前からガチガチにこうしたいっていうのを決めてたわけでは全然なくて。漠然と表現したいなっていうふうに思っていたなかで、まずはやっぱりライブだなって思ったんですね。だから、春の『サクライブ』からスタートしたんですけど、ライブをやってみて……やったからこそ、『あ、こういうのをやりたいな』って、いろいろとやってみたいなと思うことが出てきました」

――改めて、「サクライブ」をふりかえっていただけますか?

「もう、すっっごい緊張しました(笑)。今までは、おこがましいかもしれないんですけど、100%ホームみたいな感じで、絶対にワーッて応援してくれてる雰囲気だろうなって思っていて。緊張感は持ちながらも、応援という部分では安心した上でステージに立ってたんですね。でも、サクライブはいろいろな報道があった直後のライブだったので、応援してくれてるファンの方の気持ちがどんなふうになってるのかなっていう不安もあったし、そもそも自分自身も久しくステージや人前に立っていなかったので、その面でもすごく緊張しました。そういう意味では、なかなかない不安や緊張を味わったライブでしたね。でも、その気持ちを抱えていたからこそ、実際にステージに立ってやってみて、泣いたり、笑顔になったり、一緒に歌ってくれたお客さん、ひとりひとりの顔を見ることができて、すごくやってよかったなって思ったし、もっと頑張りたいって思いました」

――ソロでのライブとなると、2017年10月の日本武道館以来、約1年半ぶりでした。

「そうですね。ソロではけっこう大きい会場でやらせてもらってて、最後は武道館だったので、ライブハウスはお客さんとの距離が近く感じました。昔はやらせてもらったことがあったけど、最近はなかなかなかったので、すごく近いなと思って。でも、大きくも感じたんですよね。ライブハウスってこんなに大きかったんだって思って」

——ライブハウスから始めたのは何か理由はありますか?

「武道館では弦が8人いて、ギターは2人いたんですけど、今回、再スタートするにあたって、本当はまずは一人で3月15日の誕生日に路上ライブをやろうと思ってたんですよ。その準備を実はしてたんですけど、ああいった報道があった後だったので、なにかトラブルが起きたら、今後の活動に影響してしまうかもしれないっていうことで断念したんですね。だから、今回は、今までで最小人数の4ピースでできることからやっていこうっていう気持ちで始めました」

——セットリストはどう考えてました?

「久しぶりのライブだったので、今まで聴いたことない新曲だけでやるのではなく、私がステージに立ってなかった時にも聴いてくれてたであろう今までの楽曲をパワーアップした状態で見せたいっていうところに重点を置いてました」

——1曲目は「Another story」でした。

「武道館の最後の曲が『Another story』だったので、この曲で今回のライブを始めるっていうのは決めてたんですね。ただ、当日は左足がずっとガクガク震えてて。こんなに震える?みたいな(笑)。『Another story』は今までギターを弾いてなくて、今回、初めて弾いたんですけど、結果、ギターを弾いてなかったらもっと緊張してたんじゃないかって思って。エフェクター踏んだりとかやったことなくて初めてだったんですけど、自分を紛らわせられたっていうか、分散できたなって思いましたね」

——アップテンポの曲ですけど、お客さんは涙を流してました。

「めっちゃ泣いてましたね。それにつられないように抑えながらやって……もうぐっちゃぐちゃでした(笑)」

――(笑)。「おかえり」という声もたくさん上がってましたね。

「みんなが“おかえり”って言ってくれるだろうかっていう不安があったので、私も自分から胸を張って“ただいま”とは言えないなって正直思ってて。だから。ああやって言ってくれて本当に涙が出るくらい嬉しかったです」

――先ほど、4ピースバンドという話がありましたが、アレンジも音源とは変わってました。

「そうですね。CD音源だと弦や管が入ってたり、音数がめちゃくちゃ多いので、それを全部4人だけで演奏してもらって。バンドメンバーみんなで『音埋めてこ!』って言ってたりして(笑)。あと、今回は同期のオケなし、クリックなしでやったんです、全員」

――そうなんですね。そのせいか、ジャズコンボ感がありました。とくに「遠吠え」とか「愛されたくて」はジャズヴォーカル感が強くて。

「うんうん。『色えんぴつ』もクリックなしでやったことなかったんですよ、歌い出しの部分とか。だけどリハの時からすごいみんなが寄り添ってくれて、めちゃくちゃ安心感があって」

――ブレイクしてヴォーカルだけになるところもみんなで息を合わせて?

「そうです。そういうのを今までやったことなかったので、どうやって合図出したらいいのかわかんなくて(笑)。最初はめちゃめちゃダサかったんです。リハスタの鏡に映る自分があまりにもダサすぎて(笑)。そこに迷ったりはしたんですけど」

――アンコールではその日演奏した楽曲を遡っていく「逆再生メドレー」もありました。

「自分でもやってて面白かったです。同じのを逆再生するだけじゃ面白くないからってことで、ちょこちょこアレンジを変えたりしながらやったら、ファンの方も喜んでくれて。アレンジを変えるだけで、こんなに雰囲気が変わるんだっていう曲もあって。しかも、20分くらいあるので、『逆再生メドレー』だけでリハ1日以上かかるんです(笑)。クリックもないし、あれアレンジもテンポ変わるので、ドラムが特に大変そうで(笑)」

――(笑)いわゆるライブ映像のティザーで流れるダイジェストを生でやってるっていうことですもんね。これは恒例になるんですか?

「恒例にしようと思ってます。だから、セットリストを変えたら逆再生も変わるんです(笑)。以前、東名阪ツアーの時に1ヵ所だけセットリストを入れ替えたところがあったんですよ。そしたら逆再生も変わるねってことで変えたりしましたね」

――また、東京公演では最後に新曲「虹む涙」を披露しました。

「もともと『サクラトーン』っていう、今回のライブに向けて作った、春っぽい曲があって。新曲はそれだけの予定だったんですね。だから、もう1曲作るつもりもなければ、ライブでやるつもりもまったくなかったんです。でも、『サクライブ』をやるって発表して、普通に電車に乗って街を歩いてる時に、パッてフレーズとメロディが一緒に出てきて。普段はなかなかそういうことはないんですよ。作るぞ!っていう感じで作っちゃうんで。で、“この感覚、もったいないかもしれない”って思って、ガーっと勢いでそのまま作ったんですね。だから、今までとは違う作り方で作ったんですけど、自分としては、本当にその時の自分の気持ちとか温度感とか、それがすごい詰め込むことができたなって思ってます。3年に1回くらいかもしれないです、こういう曲は(笑)」

——待っていてくれたファンに対する気持ちを込めた曲ですよね。

「はい、もちろん。新曲を弾き語りで披露するって今までやったことなくて。しかも、ただでさえ滑舌が悪いから、歌詞が伝わらないと、どんな曲だったんだろうで終わっちゃうだろうなっていう心配があったので、ちゃんと歌詞がみんなに伝わるといいなって思いながら歌っていました。ライブが終わったあとにSNSをみたら、みんなが『虹む涙』の感想を書いてくれてて。とりあえず伝わる人には少しは伝わったのかなって少し安心しました。これからもっともっと育てていきたい大切な曲だなって思ってます」

――ライブを終えて、どんなことを感じました?

「すごく元気になりました(笑)。あのあと、2日間くらい、めちゃくちゃ元気で。まだライブできる!みたいな。それくらい元気でした(笑)」

――あははははは。それはどうしてですか。

「わかんないです。何なんですかね。アドレナリンがまだ出てるみたいな状態でしたね(笑)。でも、ライブでも言ったんですけど、次のZeppツアーに向けてソッコーやることリスト作って、仮のセットリストを組んでみたりとか、曲も何か作ってみようって思って作ってみたり、ギターのソロの練習をしてみたり、相変わらずやってました、終わったあとも」

――短い期間で次のツアーを決めた理由はありますか?

「深い理由はないんですけど、前回は2回だけだったので、来れなかったファンの方もいるんじゃないかっていうのもあって。そこで、1年後とかじゃなくて、来れなかった方にもまたすぐ伝えたいなっていうのもあったし、『サクライブ』は全国から来てくれてたので、なるべく自分の足で各地に行って、ライブをやりたいなっていうのもありました。あと、夏休みっていうのもあってこの時期になりましたね」

――6カ所13公演のZeppツアーが決まったことに関してはどんな心境でしたか。

「正直、『え、大丈夫?』とは思いました。今までこんな本数をひとりでやったことなかったので。だから、最初に日程を見た時は『え、これやるの?』とは思ったんですけど、いろいろかみ砕いて考えていったら今回は何よりも全国のみなさんの元に行きたい気持ちを考えたら、本当にすごく楽しみです」

――ツアータイトルの『Pop Step Zeppツアー』にはどんな思いを込めてますか?

「半分語呂もあるんですけど、『サクライブ』をやって次のステップっていうところで、ホップステップ。で、曲的にもポップなんで、ホップじゃなくてポップにしようと思って、『Pop Step Zepp』にしました(笑)。でも仙台公演だけ、Zeppじゃないので、『Pop Step PIT』にします(笑)」

――(笑)先ほど、セトリも考え始めてると言ってましたが、どんなツアーになりそうですか。

「新曲をやりたいなって思ってます。『サクライブ』が終わってから、夏に向けて作ったラブソングがあるので、それができたらいいなって思ってます。もうすぐバンドリハがあるので、リハでやっていって、アレンジもどんどん出来上がっていくと思うし。安心感のあるバンドメンバーなので、音源のままのアレンジっていうのは1曲もないんですよね。リハしながら、どんどん意見を言ってもらって一緒に作っていく感じなんです。あとは、また楽器もいろいろやれたらなって思ってます」

――8月13日の東京の追加公演ですが、ここだけタイトルが「『ヒカリの声』写真集出版記念」となっていますが、他のライブとは違うものになりそうですか?

「これは……同じです!(笑)。ただ、『サクライブ』をやった時に、お客さんの年齢層が10代から最高で73歳までで幅広くて。70代の方もライブハウスに来て応援してくれてるので、スタンディングは厳しいというので二階席が人気あったりしたんですね。だったら追加公演は全部座席指定にした方が、ライブハウスに慣れていない若い子や年配の方も来やすくなるんじゃないかっていうことでそうする予定です。中身は本当に一緒ですね」

――では、ツアーを楽しみにしているファンの方にメッセージをください。

「私もすごい楽しみです。春は東京と大阪にしか行けてないので、全国の応援してくれてる方ひとりひとりの顔を見に行けるっていうのがすごく嬉しいし、ひとりひとりに届けられたらなって思います。でも、始まったらきっと、あっという間に終わっちゃうと思うんですよ。だから、ヘロヘロになるまで1公演1公演、1曲1曲丁寧に歌いたいなって思います。これは昔から考えていることなんですが、全部の公演が全部初日で、全部千秋楽という気持ちで。1本1本丁寧にやっていけたらなって思います。2デイズの場所もありますが、同じ曲を歌ったとしても、同期もクリックもない生のバンドだからこそ、まったく同じにはならないと思います。そういうライブ感だったり、ハプニングも楽しめるくらいのものにできたらと思います。あとはやっぱりライブハウスなので、お客さんとの近い距離感を楽しみたいなって思います。
あと、ツアーではサプライズもいくつか考えているので、本当に楽しみにしていてほしいですね」

撮影:近藤宏一/取材:永堀アツオ

【リリース情報】
ライブアルバム『有安杏果 サクライブ 2019 ~Another story~』配信中!
■配信URL:https://linkco.re/f8P124mC

【ライブ情報】
■『有安杏果 Pop Step Zepp ツアー 2019』
7月15日(月・祝) 北海道・Zepp Sapporo
7月17日(水) 宮城・チームスマイル・仙台PIT
7月18日(木) 宮城・チームスマイル・仙台PIT
7月22日(月) 東京・Zepp Tokyo (※)
7月23日(火) 東京・Zepp Tokyo (※)
7月29日(月) 大阪・Zepp Osaka Bayside
7月30日(火) 大阪・Zepp Osaka Bayside
8月06日(火) 愛知・Zepp Nagoya
8月07日(水) 愛知・Zepp Nagoya
8月09日(金) 福岡・Zepp Fukuoka
8月10日(土) 福岡・Zepp Fukuoka
8月14日(水) 東京・Zepp Tokyo (※)

■『Pop Step Zepp Tour 追加公演 ~ヒカリの声~ 写真集出版記念』
8月13日(火) 東京・Zepp Tokyo (※)

<バンドメンバー>
福原将宜(Gu)/ 山口寛雄(Ba)/ 玉田豊夢(Dr)/ 宮崎裕介(Key)

(※)チケット情報ページ:http://bit.ly/2RpbEoq
有安杏果
ライブアルバム『有安杏果 サクライブ 2019 ~Another story~』

【ライブ情報】

■『有安杏果 Pop Step Zepp ツアー 2019』
7月15日(月・祝) 北海道・Zepp Sapporo
7月17日(水) 宮城・チームスマイル・仙台PIT
7月18日(木) 宮城・チームスマイル・仙台PIT
7月22日(月) 東京・Zepp Tokyo (※)
7月23日(火) 東京・Zepp Tokyo (※)
7月29日(月) 大阪・Zepp Osaka Bayside
7月30日(火) 大阪・Zepp Osaka Bayside
8月06日(火) 愛知・Zepp Nagoya
7月07日(水) 愛知・Zepp Nagoya
8月09日(金) 福岡・Zepp Fukuoka
8月10日(土) 福岡・Zepp Fukuoka
8月14日(水) 東京・Zepp Tokyo (※)

■『Pop Step Zepp Tour 追加公演 ~ヒカリの声~ 写真集出版記念』
8月13日(火) 東京・Zepp Tokyo (※)

<バンドメンバー>
福原将宜(Gu)/ 山口寛雄(Ba)/ 玉田豊夢(Dr)/ 宮崎裕介(Key)

(※)チケット情報ページ:http://bit.ly/2RpbEoq
ライブアルバム『有安杏果 サクライブ 2019 ~Another story~』配信中
写真集 『ヒカリの声』7月下旬刊行
    • 予定価格:本体¥2,000+税
ライフスタイル本 『Happy Holidays』7月下旬刊行
    • 予定価格:本体¥1,800+税

OKMusic編集部

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