ROLLY

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あまりにも幸せすぎて
もうこれ以上望むことはない

1990年にデビューをして来年で30年を迎えるROLLYさんは音楽以外の活動もマルチに行なっていますが、何かまだやりたいことはありますか?

実を言うとね、あまりにも自分は幸せすぎて、もうこれ以上に望むことはないんです。だって、はじめは実家を継いで田舎の電気屋の店員で一生を過ごす予定だったのに、こんなにいい夢を見させてくれて、これ以上何を求めればいいんだろうって。最高です(笑)。

良い意味で人生計画が狂ってしまったと。

狂ったね。自分の人生を変えてくれたミュージカル『ロッキー・ホラー・ショー』の主役を5年間やって、古田新太さんが主役をやった時には音楽監督&ナレーター役をやって、好きで好きで仕方なかったティム・バートン監督のパーティーにも呼ばれた。まぁ、東京でのパーティーだから、家にまでは行ってないんだけどね(笑)。ミュージカルもロックも大体やったし、自宅の屋上にプールがあって、そこでシャンパンを飲みながら自分のアルバムを聴いたり夜景を見たりするのも、高層マンションの最上階に住むのもまた小さな夢なんだけど…自分のやりたいことを存分にできたから、もういい! 幸せすぎる。

今が夢の中ということですか?

そういうふうに言っておいたほうがいいんですよ(笑)。そうするとまた次に、より幸せにしてくれる誰かが現れる。“暗いと不平を言うよりも、進んで明かりをつけましょう”(マザー・テレサ)ってね。僕は“俺は満ち足りない”“俺はこんなんじゃねぇぜ”っていうのを音楽でやる気は毛頭なくて…だから、売れなかったんでしょうけど(笑)。だって、すかんちのデビューアルバム(1990年7月発表の『恋のウルトラ大作戦』)を今聴いてみると、モテないストーカー野郎みたいな主人公が活躍するんですけど、リアルなものじゃなくてお伽噺みたいなんですよ。僕が作った架空のROLLY…主人公の一雄(本名)がいろいろ変な体験をするっていう。来年デビュー30周年になるわけですけど、30年間に渡っていろんな物語の映画を作らせてもらった。自分は映画監督じゃないから、音楽で映画を作っているんです。

お母さんの話にもつながりますね。

あぁ、そうですね。そうやって音楽で映画作って、“もうこれで十分だろう”と思っていたら、また誰かがやらせてくれるんですよ。

まだROLLYさんの物語作りは続いていくのですね。

でも、その都度全てを出し切るので、しんどすぎてもう辞めたいんですよ(笑)。もうこれで終わりにしたい。アルバム『ROLLY'S ROCK WORKS』を作り終えたところなので、今もそう思ってますよ。でも、また誰かが“何かやれ”と言ってきたらやるんでしょうね。やっておいて、出来上がったものが最高で、嬉しくて泣くんです。ややこしいでしょ?(笑)。

取材:高良美咲

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OKMusic編集部

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