【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>ジャ
パハリネット「全身全霊であなたたち
を楽しませたい以上に、僕らも楽しみ
たい」

12時ジャスト、高らかに、そして誇り高くSEが鳴り響いた。<SATANIC CARNIVAL>Hに4年連続出演のジャパハリネットの登場だ。バンドロゴの入ったタオルを掲げる城戸けんじろ(Vo)、笑顔の鹿島仁行(B)、腕をSEに合わせて上げ続ける中田衛樹(G)。気合いの入った表情のりょういち(Dr)。ステージに揃った4人が、思いをひとつにして鳴らし始めたのは「青が濁ったナイフ」。彼らが生んだ名曲のひとつだ。夢に向けて走り始めたとき、そこに待ち受ける理想から程遠い現実、それでも消えない思い。諦めない気持ちや生きる力を与えてくれる言葉の数々と、エモーショナルに響く楽曲がそこにあった。オーディエンスも次第にジャパハリネットが放つ言霊に引き込まれ、客席前方で拳を上げながら曲に入り込んでいく。
「こんにちは、ジャパハリネットです。僕ら全力でサタニック、楽しんでいきまーす!」と短い挨拶を挟み、去年発表したアルバム『RE/JAPAHARINET』からの「PEOPLE×PEOPLE」へと続く。結成20周年ではあるものの、2007年に一度解散しているジャパハリネット。解散後はそれぞれの人生を歩み始め、普段は理学療法士として病院に勤務するメンバーもいる。様々な人と関わりながら人生経験を積むことで、バンドの音楽もさらに豊かなものになっている。今、目の前にいる若者たちに向けた人生の応援歌のように彼らの曲は響いた。
「EVIL STAGE、一番早い時間に集まってくれてありがとう。ジャパハリネット、今年、トップバッターを務めさせていただきます。僕ら結成20周年なんよ。明日の大トリ、ロットン(ROTTENGRAFFTY)も20周年。今年のサタニックは20周年のバンドで始まって、20周年のバンドで締めくくる。全身全霊であなたたちを楽しませたい以上に、僕らも楽しみたい。いい1日にしようね」
変にこねくり回さないストレートさがジャパハリネットの魅力で、たとえ曲を知らなかったとしても身体が自然に反応してしまう。次から次へと曲が続くなかで、オーディエンスの反応も徐々に激しいものへと変わっていった。それに、往年の楽曲の数々は、青春期に誰もが感じる葛藤や武者震いのような気持ちなどを描く。ジャパハリネットの曲や歌に、身も心も射抜かれていくオーディエンスだった。

「愛媛、松山から来たジャパハリネット。最後に愛媛の歌を歌いたいと思います」
そう言って彼らが最後に用意していたのは、2004年に発表したメジャー・デビュー曲「哀愁交差点」だった。地元の松山に胸を張って帰るために、東京で必死で頑張る自分たち自身を描いた曲だ。夢に向かって一歩踏み出せないときに勇気になり、そして力にもなる曲でもある。それを全身で浴びながらオーディエンスは、もう黙っちゃいられないとばかり、次々にクラウドサーフを巻き起こす。その盛り上がりに笑顔もこぼすメンバー4人。曲のエンディングに合わせて、城戸はバック転も決めた。インディーズ時代から四国地方最強のロック・バンドと異名を取っていたジャパハリネット。結成から20年経った今でも変わぬパワーを見せつけてくれた。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎半田安政(Showcase

【ジャパハリネットセットリスト】

1.蒼が濁ったナイフ
2.PEOPLE×PEOPLE
3.鼓動の矛先
4.ステレオロンダリング
5.贈りもの
6.哀愁交差点


■<SATANIC CARNIVAL'19>

6月15日(土) 幕張メッセ国際展示場9-11ホール
6月16日(日) 幕張メッセ国際展示場9-11ホール
・物販開始 BOOTH AREA 開場 9:00
・LIVE AREA 開場 10:30 / 開演 12:00

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