眉村ちあき「心はつながって」2千人の海に飛び込んだ新木場ワンマン

眉村ちあき「心はつながって」2千人の海に飛び込んだ新木場ワンマン

眉村ちあき「心はつながって」2千人
の海に飛び込んだ新木場ワンマン

過去最大キャパのワンマンライブ!
眉村ちあきらしさ全開のステージだった。次から次に味が変わる未知のミックスジュースのような予測不可能さと、弾き語りトラックメイカーアイドルとしての唯一無二の才能を存分に発揮してみせた。
「みんなの目を見て歌いたい」という本人の言葉もあったが、客席をサーフし、アドリブでコール&レスポンスを繰り返すパフォーマンスは「フルエンターテイメント」という言葉を実証するものだった。
弾き語りトラックメイカーアイドル・眉村ちあき。地上波バラエティーから人気に火がつき、5月7日に待望のメジャー1stアルバム『めじゃめじゃもんじゃ』をリリース!過去最大キャパとなるワンマンライブの会場は新木場STUDIO COASTだ。
眉村本人の場内アナウンスに続いて、会場のスクリーンに映し出されたのは見慣れた東京の風景。そこに現れた謎の巨大生物。
この日のために用意された特撮映像で期待感が高まったところに、恐竜(眉村新木場ザウルス)にまたがって眉村ちあきがステージに降臨!「『眉村ちあき3rdワンマンライブ~東京湾へダイビング~』にようこそ!キャハハハ」。

歌うのは「東京留守番電話ップ」。のっけからキラーチューンに沸き立つなか、「ブラボー」、「メソ・ポタ・ミア」と定番ナンバーをすかさず投入する。今夜はいつにも増して絶好調な眉村ちあき。恐竜に背中を降りてステージで跳ねまわる。
「今からこの恐竜と戦うからみんなの力を貸してくれますか(棒読み)」と言い「(私の)子どもーー!!」と呼ばれて入ってきた6人のキッズダンサーとニューアルバム収録「Queeeeeeeeeen!」、「ほめられてる!」を歌う。キックの効いた3連トラップビートに合わせてキレキレなダンスを披露し、会場をポジティヴな空気で満たした。

2千人のスクワット大会!
ワイヤーにつるされて地上10メートルの高さから歌う『ナックルセンス』。未発売曲の『スクワットブンブン』でゴムボートに乗ってセンターステージに移動すると、会場もいっしょにスクワット大会!クライマックスでスピードが倍になるドSな展開にも一糸乱れぬスクワットを見せる会場のマユムラーたち。
準備運動(?)も終わったところで、眉村ちあきによるヒップホップクラシック「MCマユムラ」では過去最大級の「スタン・ハンセン!」コールが起きる。アコギを手に「コカコ○ラのスリッパ壊れた」、憧れのおじさんへのハートブレイクを歌う「おじさん」では、客席もうって変わってその歌声に聞き入っていた。
アカペラの「ピッコロ虫」のアカペラ部分では即興で替え歌を披露。スタッフや友人への感謝や、客席に向かって「みんなのこと、友だちだと思ってる」、「こんな幸せなことこれからない」と思いのたけを歌に込めた。
常々、全米ビルボードチャート1位、さいたまスーパーアリーナ公演を目標として公言している眉村だが、1月の渋谷CLUB QUATTROから半年もたたないうちに3倍のキャパをもつ新木場STUDIO COASTを満員にしてみせた。

眉村ちあきの原動力であるアイドル愛を表現した「ピッコロ虫」だが、歌詞の「明日朝起きたら小松菜奈になってますように」の「小松菜奈」を「眉村ちあき」に言い換えて歓声を浴びた場面からは、現在の充実した心境が伝わってきた。

「心は離れたくないから、つながっていよう」
何が飛び出すかわからないライブは多彩なゲストを迎えて進行。「荻窪選手権」で「月が出た出た」のフレーズに合わせてステージ上方に登場したのは、日本が誇るソロスカムユニット「クリトリック・リス」ことスギム!
眉村とは対バンや対談で互いの活動をリスペクトしあうスギムだが、続く「I was born in Australia.」までまるまる2曲をパンツ一丁、MCなしの宙づり状態で暴れるパーフェクトなにぎやかしを完遂!

未発売曲「おばあちゃんがサイドスロー」では、杖をついたおばあちゃんの変装をしたダンサーと謎のサイドスローダンスを披露。
「スーパーウーマンになったんだからな!」、「ツクツクボウシ」などの定番ナンバーに新曲「開国だ」、「奇跡・神の子・天才犬!」を織り交ぜつつ、ゴムボートに乗って会場内を一周し、センターステージへ向かう。
「こんなに広いところにたどりつけたけど、それでも離れたくない。本当は一緒に住みたいって思ってるくらいで、ゲストハウスも真剣に考えている」と話す。
だが「その思いに反して売れたいじゃん!でも心は離れたくないから、つながっていようという意味を込めて」歌う「代々木公園」。一人ひとりの顔を見ながら歌いあげるとボートに乗って去って行った。
初披露の新曲「緑のハイヒール」を演奏!
アンコールではジャージにサンダルという格好で再登場。「書き下ろし主題歌」に続いて未発表曲「緑のハイヒール」を弾き語りで演奏した。
口笛を交えた軽快な曲調と切ない歌詞は名曲オーラ満載だ。
「大丈夫そう?これでメジャー?」と笑いながら、「もうこれは何も説明しなくていいや。思い思いの受け取り方をしやがりください」と言って「大丈夫」を歌った。客席で曲に合わせて歌い肩を揺らせる姿から、一人ひとりにとって大切な曲になっていることが窺われた。

「バイバイしたくないからつくった」という「本気のラブソング」をセンターステージから届けると、最後は1階フロアを練り歩きながら「ビバ☆青春☆カメ☆トマト」でぶち上がり、クイーン「伝説のチャンピオン」(Queen「We Are The Champions」)に送られてステージを降りた。
と思いきや、そのまま東京湾(プール)に飛び込むサプライズで最後の最後まで楽しませてフルエンタテイメントショーは幕を閉じた。
弾き語りトラックメイカーアイドルとして未踏の荒野を進む眉村ちあき。『東京湾へダイビング!』というタイトルどおりの首都東京にありったけの愛を届けた2時間。いよいよ眉村ザウルスが列島を震撼させる。
Text 石河コウヘイ
▶︎渋谷CLUB QUATTROライブレポート

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