兄貴、パイセン、先生、仲間! 男性
アイドルに男性プロデューサーも熱く
燃えた! 『THE IDOLM@STER SideM 4
th STAGE ~TRE@SURE GATE~』DAY1レ
ポート

『THE IDOLM@STER SideM 4th STAGE ~TRE@SURE GATE~』5月11日「DAY1:[SMILE PASSPORT]」@さいたまアリーナ
2005年のアーケード版誕生以来、様々な派生作品を生み出しながら2次元アイドルコンテンツの代表格として今なお存在感を示す『アイドルマスター』シリーズ。その人気はゲームのみに留まらず、アイドルを演じるキャスト陣によるライブイベントも活発に行われ、アリーナやドームクラスの会場も満員にするほどの盛り上がりぶりだ。
そんなシリーズの中で唯一「男性アイドル」をメインに扱っているタイトルが、2014年のサービス開始から2018年7月で四周年を迎えた『アイドルマスター SideM』だ。
巷では「男性アイドルもの」=「女性向け」というイメージが強いが、意外にも従来の『アイドルマスター』シリーズの男性プロデューサー(=ファン)にも人気が高く、ライブに足を運ぶ人も多いという。自分も『アイドルマスター』自体はアーケード版の頃から遊び続けてきたが、『SideM』はTVアニメ版に触れただけという超ビギナー状態。そんな男性客でも『SideM』の世界は楽しめるのか? そんな視点から5月11~12日にさいたまスーパーアリーナで開催された『SideM』最大規模のライブコンサート『THE IDOLM@STER SideM 4th STAGE ~TRE@SURE GATE~』の初日「DAY1:[SMILE PASSPORT]」の様子をレポートしよう。
■男子も女子も等しく「笑顔」で楽しめるのが『SideM』のライブ
開場前のアリーナ周辺や開場後の場内は、多くのプロデューサーが楽しげに醸し出すライブ前の高揚感に満ちていた。その多くはグッズでデコレーションしたバッグや、担当アイドルの名前が書かれた自作ウチワなどを携えて準備万端な女性プロデューサーだが、いつもの『アイドルマスター』のライブで見かけるような男性プロデューサーの姿も数多く見かけられた。そして緑のコンサートライトで場内が埋めつくされる中、協賛企業の名前を声を合わせて読み上げ、315プロダクション事務員・山村 賢からのライブ中の諸注意に全員が「はーい」と応える『アイドルマスター』ライブのお約束でもある光景を経て、いよいよ公演初日の幕が切って落とされた。
「最高の景色を315プロダクションのアイドル達とともに! 辿り着いたその場所にはたくさんの笑顔が待っているはずです!」
山村 賢のナレーションを受けて、スクリーンにはセピア色の世界地図と空を飛びながら様々な国を訪れる気球が映し出される。やがて空を駆ける色とりどりの星が集まっていき、照らし出されたステージには総勢30名の出演陣が揃い踏み、オープニングナンバー「MEET THE WORLD!」がスタート。様々な煌めく世界へとプロデューサーを共に誘うという、今回のライブのコンセプトを体現するような内容を迫力満点に歌い上げる幕開けと、ライブ衣装をまとった今日の出演アイドル全員が揃った集合イラストがスクリーンに映し出されると、会場のテンションは一気に最高潮に。
「さいたまスーパーアリーナのプロデューサーたち、待たせたなー!」
DRAMATIC STARS・天道輝役/仲村宗悟の熱いシャウトと共に出演陣の自己紹介がスタート。二番手を務めたJupiter・伊集院北斗役/神原大地は、北斗の定番の挨拶で会場を盛り上げる。
「会場、そしてライブビューイングの全国のエンジェルちゃーん! エンジェルくーん! 今日は最高の夢を見せて上げるよ、チャオ!」
(c)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
女性ファンを「エンジェルちゃん」男性ファンを「エンジェルくん」と呼ぶ北斗の定番ムーブに、女性と男性それぞれが呼びかけに応えて大歓声を返す。その熱気とボリューム、そしてテンションの高さはほぼ同等で、この光景は「男性アイドルだから女性向け」といったカテゴライズは『SideM』では意味が無いことを実感させてくれた。この会場に集った多くのプロデューサーは、みんなが『アイドルマスター』という世界が生み出したアイドル達のプロデューサーなのだ。
■ダチかアニキか先生か! 男性プロデューサーでも親しめる315プロダクションのアイドル達
ライブタイトル「TRE@SURE GATE」というフレーズ通り、今回披露された全23曲の楽曲は「宝物のように素敵なものを見つける旅」を感じさせるものが揃えられていた。
スペイン、アメリカ、フランス、フィンランド、カナダなど各国をモチーフにした曲をユニットを超えて組んだアイドル達が唄う「WORLD TRE@SURE」シリーズや「和」の芸能や文化を盛り込んだナンバー、そして様々な職業を経て新たな道を見出したアイドル達による『SideM』ならではの個性豊かなユニット曲の数々は、どれも新たな出会いや発見から生まれる「希望」や「未来」を歌い上げるものばかりだ。
そんな心地の良い楽曲を歌うアイドル達も、弁護士・警察官に高校教師などの様々な仕事を経験して酸いも甘いも噛み分けた大人達や、現在進行形で今を突っ走る10代男子達など、男の目から見ても友達や兄貴分になってほしいと思わせる等身大の魅力を秘めたアイドルぞろい。
そんな彼らの姿を、実力派の声優陣達が歌・ダンス・トークなどのパフォーマンスを通して体感させてくれるのだから、面白くないわけがない。元格闘家トリオのユニット「THE 虎牙道」による6曲目「RAY OF LIGHT」では、ステージ上に炎が吹き上がる中で格闘戦をモチーフにした見事な殺陣が繰り広げられ、元ヤンキー高校生の二人組「神速一魂」による9曲目「RIGHT WAY,SOUL MATE」では骨太なロックに合わせて互いに腕をクロスさせたりメンチを切り合うなど、男心をくすぐる少年マンガ的な熱いテイストのパフォーマンスも満載。「男性アイドル物だから」と手を出していなかった人も多いだろうが、むしろそんな人達の心にも刺さる男性アイドルの可能性に満ちているのが『SideM』の世界なのだ。
(c)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
ライブ終盤では元高校教師ユニット「S.E.M」による力強いボーカルとダンスが会場を沸かせた「∞ Possibilities」や、「THE 虎牙道」「神速一魂」と歌舞伎役者・落語家・茶道家という日本の伝統芸能と縁の深いトリオによるユニット「彩」による日本の祭りをモチーフにしたジャパネスクポップ「笑顔の祭りにゃ、福来たる」では、プロデューサーも「ワッショイ!」「エイヤサッ!」と元気に合いの手を入れるなど会場が一体になって盛り上がる中、ライブもいよいよフィナーレに。
今日のライブが「SMILE PASSPORT」というタイトルに合わせて、聴いてくれるプロデューサーを笑顔にするような曲をそろえていたことを受けて、
「みなさんの最高の笑顔で、僕たち315プロダクションのアイドルたちを次のステージに連れて行ってほしいなと思います!」
というメッセージとともに始まったラストナンバーは、ライブ前日にリリースされたばかりのCD「THE IDOLM@STER SideM 4th ANNIVERSARY DISC」に収録されたアニバーサリーソング「LIVE in your SMILE」。もちろんライブではこれが初披露だ。
自分達の曲を聴いて声援を送ってくれるプロデューサーを笑顔にするために、これからも挑戦をし続ける……そんな315プロダクションからのプロデューサーへの感謝の気持ちが込められた熱い歌に、客席からは笑顔と熱く暖かい声援が送られ、ライブはいったん締めくくられた。
■アリーナを包み込んだプロデューサーとアイドルが「笑顔」で繋がる一体感
(c)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
万雷の拍手でアイドル達を見送った客席からは、即座に大きな「アンコール!」の声が巻き起こる。そんな声援に応えるように、会場にオープニングを飾った「MEET THE WORLD!」のメロディが流れ出すと、自然にプロデューサー全員がそれに合わせて歌を口ずさむ。大合唱が会場を包み込む。その合唱が終わると同時にTVアニメのOP主題歌「Reason!!」のイントロが流れ出し、ステージ上にはそれぞれのユニットカラーのライブTシャツを身につけた出演陣の姿が!
「アンコールありがとうプロデューサーさん! まだまだこっから盛り上がっていこうぜ!」
オープニング同様に天道輝役/仲村宗悟のゲキと共に繰り広げられたステージの、熱いパフォーマンスで、客席のテンションも再び最高潮へと達した。
(c)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
「みなさんが「MEET THE WORLD!」の音楽に乗せて気持ちを届けてくれたおかげで、僕たちはまたパワーをチャージして出てくることができました! ありがとうございます!」
プロデューサー達の気持ちのこもった合唱への感謝を伝え、そして出演陣一人一人による挨拶へ。
「最初のリリースイベントはライブハウスで200人くらいから始まって、今こんなにデカイ景色が見られているかと思うと本当に感動します!」
仲村は、これまでで最大規模となった今回のステージから見える景色への感動とともに昔を振り返り、応援してくれたプロデューサーへの感謝とDRAMATIC STARSの3人が揃う明日のライブへの意気込みを述べた。そして出演陣それぞれが個性的な挨拶で笑いを誘いながらライブ2日目への期待を語っていった。そしてライブはいよいよ本当のフィナーレへ。
「最後にここにいるみんなで、楽しくあの曲を歌って明日へのバトンを繋ぎましょう! タイトルを一緒にお願いします!」
そして会場内に大きく響いたタイトルコールが告げた曲は「DRIVE A LIVE」。『アイドルマスター SideM』の始まりの曲だ。
(c)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
歌いながらステージ上に広がり、さらにトロッコに乗ってアリーナを巡りながらプロデューサーの近くまで会いに行く出演陣…いや、アイドル達。そしてプロデューサーは共に歌ったり「We Are 315(サイコー)!」コールでそれに応える。そして最後の曲が終わった後に待っていたのは、
「最後に恒例のかけ声でシメたいと思います! プロデューサー! これからもアイマスですよ!」
「アイマスー!」
やはり『アイドルマスター』シリーズのライブといえば、最後のシメはステージと客席で交わされるこのコール&レスポンスなのだ。そんな伝統をしっかり受け継ぎながら、男性アイドルだからこそできるパフォーマンスでプロデューサーとともにライブを作りあげていく『SideM』は、これまでの『アイドルマスター』に心惹かれた男性ファンなら間違いなく楽しめるものだと、この四年間の集大成といえるライブで心底実感させられた。
2019年7月にはいよいよ5周年を迎え、ゲームや音楽、そしてライブイベントでさらに世界を広げていく『アイドルマスター SideM』。765プロや『シンデレラガールズ』のプロデューサーをしているけど、『SideM』はまだ未経験の男性プロデューサーは絶対に体験しないともったいない! 彼らの活動に触れて『アイドルマスター』の世界を広げていけば、きっとプレイ中の『アイドルマスター』シリーズをより深く楽しめる様になるはずだ。
取材・文:斉藤直樹

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