ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦
楽団が来日記者会見~ネルソンス「と
ろけるような気持ちになります」

来日中のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が、5月28日(火)午前、都内のホテルで記者会見をひらいた。登壇者は、同楽団第21代カペルマイスターであるアンドリス・ネルソンス、今回のツアーに帯同しているヴァイオリニストのバイバ・スクリデ、同楽団ジェネラル・マネージャーのアンドレアス・シュルツ、KAJIMOTO代表取締役社長の梶本眞秀の4人。ネルソンスは2018年2月にカペルマイスターに就任したばかりであり、ゲヴァントハウス管との組み合わせでの来日は初めてとなる。
ネルソンス「ゲヴァントハウス管弦楽団の第21代カペルマイスターに就任して、夢が叶ったような気持ちですが、同時に責任やミッションを痛感しています。この楽団のカペルマイスターは、オーケストラの伝統と音を大切にし、それを未来に受け継いでいかなければなりません。ゲヴァントハウス管弦楽団の音は柔らかく、温かく、彼らを指揮すると、蜂蜜に触れるような、とろけるような気持ちになります」
ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番を共演する、ネルソンスも、スクリデも、ラトヴィア出身である。
ネルソンス「二人はラトヴィア出身で、同じ学校に通っていました。ショスタコーヴィチの協奏曲第1番は、バイバと何度も共演しています。彼女とは、言葉なしに、感じたままで演奏することができます。私にとって、ショスタコーヴィチの音楽はDNAの一部のように感じられます」
スクリデ「千パーセント信頼できるマエストロと共演できるのがうれしい。ラトヴィアのソ連式の教育システムは厳しかったですが、良いところもあったと思います。少女時代、ポップスを聴くことが許されず、感情が込み上げてきたときはショスタコーヴィチを聴いていました(笑)。それくらい、私にとって、ショスタコーヴィチは重要な存在です」
ネルソンス&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管は、現在、ブルックナーの交響曲全集の録音を進め、また、チャイコフスキーの交響曲の映像収録にも取り組んでいる。今回のツアーでは、ブルックナーとチャイコフスキーの二つの「第5交響曲」が演奏される。
ネルソンス「ゲヴァントハウス管も私もブルックナーが大好きです。ゲヴァントハウス管には、彼の交響曲第7番を世界初演したなど、ブルックナー演奏の伝統があります。また、ライプツィヒはワーグナーの街(注:ワーグナーが生まれた街)なので、ワーグナーとの関係においてもブルックナーは重要なのです。
ブルックナーの交響曲第5番は、最も複雑で、取っつき易い作品ではないのですが、理解が増すと、素晴らしく偉大な作品であることがわかります。ベートーヴェンの交響曲第5番のように、第1楽章冒頭のピッツィカートによる拍には、“運命”が感じられます。第2楽章は、ブルックナーらしい、美しく、深い宇宙。第4楽章は、二重フーガの主題が20分も続き、複雑で理解しにくいかもしれませんが、私は、大人のLEGOのように感じます。1ピースずつ積み上げていって、巨大な建築物を作り上げていきます。それと同時に感情も表現されているのが素晴らしいのです。
ベートーヴェンの第5番を知っていたチャイコフスキーの交響曲第5番も、“運命”が感じられます。運命の動機が毎楽章現れ、夢と絶望、美しさと悲惨さ、人生のすべてが描かれます。チャイコフスキーの第5番は彼の人生を映し出しています。
「第5」とは、そういう象徴的な意味を持っていると私は思います」
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンサートは5月28日(火)サントリーホールでの公演を皮切りに、兵庫、大阪でも行われる。

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