ロザリーナが「Over me」に込めた「からくりサーカス」の世界観とは?

ロザリーナが「Over me」に込めた「からくりサーカス」の世界観とは?

ロザリーナが「Over me」に込めた「
からくりサーカス」の世界観とは?

ロザリーナ「Over me」Music Video(アニメ ver.)▼

TVアニメ『からくりサーカス』は、藤田和日郎が「週刊少年サンデー」にて連載していた累計発行部数1,500万部を誇るコミックが原作。
莫大な遺産を相続した少年・才賀勝が命を狙われている中で、情に厚い青年・加藤鳴海や、懸糸傀儡(マリオネット)「あるるかん」を操る少女・しろがねと出会い、数奇な運命の歯車に巻き込まれていく姿を描く作品だ。
その最終クールのOP主題歌を飾るのは、シンガーソングライター・ロザリーナが本作のために書き下ろした「Over me」。
サウンドプロデューサーにTeddyLoidを迎えて制作された本楽曲は、キャラクターたちの背負ってきた残酷な運命や、その歩みを感じさせる1曲になっており、まさにクライマックスを飾るにふさわしい曲に仕上げられた。
第1クールのED主題歌も担当したロザリーナは、この楽曲にどのような意味を込めて制作したのか、歌の内容に迫っていく。
残酷な運命から逃げることはできない
楽曲は、その序盤から、運命の渦に巻き込まれ苦悩を続けるキャラクターたちの心情を歌詞で語っていく。
「迷わずにはいれないのか」というフレーズは、あるキッカケから自己の存在理由や、しろがね、フェイスレスを取り巻く秘密を知り、迷いながらも自分の意志で戦うことを決めた勝の心情を感じさせる。
また、「ただ好きな人達といたいのに」という言葉は、フェイスレスが仕掛けた戦いや難病「ゾナハ病」により大切な者を失った人々、誤解や記憶喪失によってすれ違いを続ける鳴海としろがねとの関係性などをイメージできるワードにもなっている。
記憶を引き継いで、様々な想いに触れていったキャラクターたち
作中に幾度となく登場するキーアイテム、生命の水(アクア・ウイタエ)。
それを飲んだ人間は、不死の存在である「しろがね」と化したり、生命の水に溶けた者の記憶を受け継いでいく。
そして、その記憶を通して多くの愛や涙に触れ、勝や鳴海の心は動かされていった。
また歌詞からは、多くの代償を払ってでもアンジェリーナやエレオノールからの愛を求め続け、記憶のダウンロードで勝を乗っ取ることも計画していたフェイスレスの姿もイメージさせられる。
それでも、大切なものを守るために戦う
残酷な運命を前にして、逃げてしまいたくなる日もある。
それでも、一度でも逃げてしまえば守れるものも守れない。
本楽曲のサビには、運命からも逃げずに、戦い続けることを選んだ勝や鳴海、そしてしろがねの想いが込められた。
普通の生活を送る自分たちでさえも、全てを捨てて逃げてしまいたくなるような日もあるだろう。
ただ、その苦悩さえも自分を育てる大切なものなのだ。
だから全てを受け入れて、現実と戦うしかない。
本楽曲は、『からくりサーカス』のキャラクターたちの苦悩を語りつつ、過酷な現実に気持ちが打ち砕かれた心を励ましてくれる一曲となっている。
気分が落ち込んで、どうしようも無い日には「Over me」を聴いて、現実と戦う力を借りたい。
▼ロザリーナ「Over me」ダウンロードURL

TEXT 松本 翼

UtaTen

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