神戸が一番熱くなる日!COMING KOBE
を君たちは知っているか

15周年のチャリティー音楽イベント『C
OMING KOBE19』に潜入。

2019年も間もなくやってくる夏を前に、いよいよフェスシーズンに突入。ライブやサーキットイベントとは違う、あの音楽フェスの空気に魅了されているフリークも多いはずだ。一足先にフェス初めするべく、ぼくが降り立ったのは神戸の地。15周年のチャリティー音楽イベント『COMING KOBE19』に潜入した。

COMING KOBE(カミコベ)とは?

COMING KOBE、通称カミコベは、2005年に誕生したチャリティー音楽フェスティバル。毎年春に兵庫県神戸市で開催されている。「神戸」「チャリティー」というキーワードから連想できるとおり、背景にあるのは、1995年に起こった大災害「阪神・淡路大震災」だ。COMING KOBEはその復興支援に対する被災地からの恩返しとしてスタートした。

2005年当時、「GOING KOBE」だった名前は、「COMIN’KOBE(2010~2017年)」、「COMING KOBE(2018年~)」と年を追うごとに変わってきた。その変遷に復興の足音を感じる。「神戸が進む」から「神戸に来てもらう」へ。ネーミングに込められたメッセージを想像して、胸が熱くなった。
阪神・淡路大震災直後のパネルを展示したブース『減災ヴィレッジ』
会場内のいたるところで募金活動もおこなわれる

日本全国、歴史を振り返っても、これだけの規模で繰り返されるチャリティー音楽フェスティバルは他にない。COMING KOBE18で集まった募金の総額は、約930万円。例年、これらの義捐金は、全国の被災地へと寄付されている。
全国の被災地から集まるチャリティーブース

なお、カミコベは、WEB登録で発行されるチケットさえあれば無料で入場することができる。スポンサー収入とグッズ売上が主な収入源だ。会場内にはボランティアらしき学生スタッフも多くいた。カミコベ公式サイトにある収支報告を見ると、なんとほぼ毎年が赤字。年度によっては900万近いマイナスを計上している。「赤が出ようが、意地でも続ける」このチャリティーイベントに寄せる運営の熱い想いを感じずにはいられない。

いざ、COMING KOBE19へ!

当日は雲ひとつない晴天。まさにフェス日和といった天気だった。最高気温は28度。午前中の会場には、まだ長袖を着ている人もちらほらいた。ボルテージはこれから気温とともに上がっていく。「祭りの前」を感じさせる雰囲気が、まるで遠足前夜みたいだ。名古屋から長袖を1枚羽織って向かったぼくは、会場に着くなり、半袖になった。

今年は、15回目の開催。キリがよく、ひとつの区切りともなる数字だ。会場では「15th anniversary」という文字も頻繁に見かけた。だけど、今年のカミコベは例年と一味違う。「15」という記念すべき数字によるお祭り感のほかに、また特別な空気をまとっていた。

カミコベは、GOING KOBEとして誕生した2005年以来、あるひとりの男を中心に運営されてきた。彼の名前は松原裕(まつばらゆたか)。1979年、兵庫県姫路市に生まれた39歳の男だ。だけど、カミコベがこれから先、何年続こうとも、彼の年齢が39より増えることはない。COMING KOBE19開催の約1か月前、かねてから患っていた腎臓がんによって、松原氏は帰らぬ人となった。

迎えるCOMING KOBE19は、松原氏を失って初めて開催されるカミコベだ。会場には、松原氏を追悼するエキシビションが数多くあった。けれども、そこに松原氏の死を悲しむだけの雰囲気はない。お客さんも出演者も運営も、彼の性格や生き様をだれよりよく知っている。「辛く苦しいことほど、笑いながら楽しく乗り越えよう」そんな特別な空気が会場全体にあった。
関係者エリアのなかに用意された、仏壇を模したエキシビション。左手前には戒名を意識したとおもわれるネームプレートが置かれている。手を合わせる人、写真を撮る人、いっしょに写真に収まる人。それぞれが思い思いのかたちで、このエキシビションに向かっていた。これこそカミコベの楽しみ方といった部分を垣間見たような気がする。
こちらはみんなで作り上げるトリビュートアートウォール。来場したお客さんが絵を中心に寄せ書きをしていくエキシビションだ。パッと見てもわかるとおり、後ろを向いたメッセージはほとんどない。これが彼が作り上げてきた「カミコベ」というカルチャーだ。
公式からはタイムラプス動画も公開されている。ぼくが動画内のどの時間で写真を撮ったのか、ぜひ探してみてください。
会場内には露店もたくさん。「腹が減っては戦ができぬ」とぼくはまずグルメ系を物色。
博多からやってきた牛すじ丼、高菜丼に、京都のブランド豚を使った塩豚丼。中東の料理であるケバブのお店に、アメリカンダイナー的な肉料理のお店も。麺系グルメも充実していて、富士宮やきそばなんかもあった。

「ん?神戸がない?」

神戸に来たからには神戸のものが食べたいと息巻いていたぼく。全国、さらには世界からいろんなグルメが集まっているのに神戸がない! 何を食べようか悩んだ挙げ句、牛カルビ丼を食べることにした。きっと「神戸牛」のはず……。(価格はリーズナブル)
ぼくが食べた『温玉キムチ牛カルビ丼』。美味でした。
食後のマスカットサイダー。復興つながりの岩手県陸前高田市で製造されている。

お腹を満たしてうろうろしていると、KiUの露店を発見。KiUは、「大人の外遊びを応援する」をコンセプトに掲げるレインウェアブランドだ。フェスと言えばKiU、KiUと言えばフェス。フェス好きのなかにもKiUの製品を持っている人がたくさんいるのではないか。かく言うぼくもKiUのレインポンチョを持っている。
KiUの露店では、輪投げの遊びもできた。4つなげて2つ以上入れば、KiUのグッズがもらえるらしい。ぼくも挑戦してみたものの、1つしか入らず残念な結果に。あまりの悔しさに投げた後の写真は撮り忘れました。

神戸が一番熱くなる日!COMING KOBEを君たちは知っているかはミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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