マイケル・ジャクソンを知らない世代へも贈るKUROの処女作

マイケル・ジャクソンを知らない世代へも贈るKUROの処女作

マイケル・ジャクソンを知らない世代
へも贈るKUROの処女作

マイケル・ジャクソンの歌詞を語る

小説『マン・イン・ザ・ミラー 「僕」はマイケル・ジャクソンに殺された』で描かれたのはマイケル・ジャクソンのインパーソネーターとして活躍する主人公ITTOの哀しくも美しい半生。
インパーソネーターとは日本でこそ馴染みはないが、特定の歌手や俳優などになりきって芸をする人・職業のことを言う。
モノマネタレントとは少々違い、周りの文化やその人自身を深く理解したうえで本物を思い起こさせるような力を持っているというのが特徴だ。
今回はそのインパーソネーターとして生きる主人公ITTOにスポットライトを当てた小説をリリースした、HOME MADE 家族のKURO(小説家名義はサミュエル・サトシ)にインタビューを敢行した。

2019年3月18日発売
▶マン・イン・ザ・ミラー 「僕」はマイケル・ジャクソンに殺された/サミュエル・サトシ 
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──小説、『マン・イン・ザ・ミラー 「僕」はマイケル・ジャクソンに殺された』の出版、おめでとうございます!本を読むのが5-6年ぶりの私でも本当に楽しく読み進めました!
KURO:ありがとうございます!

──主人公のITTOさんの心情に入り込んで読めるようでした。小説のタイトルにもなっているマイケル・ジャクソンの『Man In The Mirror』で歌われているようなことが小説を通しても伝わってきますが、意識された部分でした?
KURO:実は『マン・イン・ザ・ミラー』というタイトルは最後に決まったんです。書いている時に曲のことは頭になかったんですけど、ITTOくんの生き方を追っていったら知らず知らずのうちに"鏡"っていう言葉を使ったりしていたんですよね!
最終的に幾つかタイトルを挙げた中でも『マン・イン・ザ・ミラー』だ!って決まりました。僕も大好きな曲で、自分が死んで出棺するときには流してほしいくらいなんです(笑)。
なので自分にとってもこのタイトルはしっくりきていますね。

──確かに、作中での"鏡"を使った描写は印象に残っています。
KURO:小説の主人公であるITTOさんはマイケルに近づくことが唯一の正解で、小説の後半で鏡に映っているやつれた自分がマイケルに似ていないって思う瞬間があるんですよね。
自分でも書いていて切ないなって思った部分です。

──実は私自身、マイケル・ジャクソン世代ではなく『Man In The Mirror』も小説を読んだ後に初めて聴いたんです…。
KURO:すごいですね!それは嬉しいです!インパーソネーターを通してマイケルの魅力が伝わるといいなと思っていたので、マイケルを知らない世代が"マイケルってどういう人なの!?"って興味を持ってもらいたいなと。
『Man In The Mirror』はどうでした?!

──ひとことで言うと、カッコイイです!歌われていることも壮大で、マイケル・ジャクソンって見ている世界が違うなって。後半に進むにつれて音やコーラスが増えていく感じは音楽っていうものを超えた何かが伝わってくるような気がしますし、最後の「Make that change」というひとことで"自分にもできる!"って思わせてくれる魔法にかけられたような気がします。
KURO:はい、わかります!マイケルにハマりましたね!?

──これをきっかけにいろんな曲を聴いてみたいと思いました。
KURO:良かったです!

──タイトルに関しては意識して書き進めたわけではないということでしたが、KUROさんの視点で解釈したマイケル・ジャクソンの『Man In The Mirror』について伺いたいです。
KURO:僕、「As I,turn up the color on my favorite winter coat This wind is blowin' my mind」からのBメロの歌詞も好きなんです。
特に好きなのは「Pretending not to see their needs」っていう部分で、"あの子達の訴えを 見て見ぬ振りしているなんて"って言っているんです。
「Pretending」って"装う"って意味なんですけど、見て見ぬ振りをしているっていうワードにハッとさせられたんですね。見て見ぬ振りをしている人も罪なんじゃないかなって。
てっきり当事者とか加害者だけの問題なのかなって思っていたんですけど、この歌詞を始めて聴いた時に見て見ぬ振りをしている僕もダメだなって思ったんです。

──この曲がリリースされた1987年にいち早くこのことを訴えていたというのはすごいことですよね。
KURO:そうなんですよね。またサビも秀逸で、"自分から始めよう"とストレートに言わずに"鏡の中にいる奴と始めよう"っていう言い方をしているのが、よりメッセージが強く突き刺さりますよね!
歌詞を書いているのはSIEDAH GARRETTという女性なんですけど、とてもマイケルの歌っぽいんです。
マイケルはすごくピースな人なんで、その思想も反映されていてマイケル・ジャクソンのものになっているんです。

──マイケルが書いているのかと今の今まで思っていました!それと『Man In The Mirror』の歌詞で「A summer's disregard, a broken bottle top and a one man's soul」という情景描写というか表現がありますが、このイメージや感覚が掴めなくて…KUROさんはどう思われますか?
KURO:これはストリートのことを歌っているんじゃないですかね。黒人の子供たちが裸のまま外で遊んでいるようなそんなイメージも持ちます。
あと当時って、『Hotter Than July』というスティービーワンダーの曲があるくらい、夏にすごい暴動が起きたりしていたので「A summer's disregard (夏の戯れ)」だったり「a broken bottle top(割れた瓶の蓋)」っていうのは暴動にあった人のさまよう魂とかっていう表現をしているのかもしれないですね。

──鳥肌立ちました…。
KURO:ミュージックビデオを見るとそんな背景を感じるようなシーンも差し込まれているんです。
いろんな意味が込められている、本当に良い歌詞だと思います。

──素敵ですね。そして後半コーラスが増えて壮大になっていく感じはまさにITTOさんの人生のようです。孤独だったITTOさんがマイケルを通してかけがえのない存在が周りにいるようになってという。
KURO:特に「If you wanna make the world a better place Take a look at yourself, and then make a change」からの部分ですよね!
ここは有名なゴスペルシンガーの方がコーラスに入っていて、非常に教会チックなものも感じますし、唱和している感じやテンポ感もリズミカルになっているところがとてもかっこいい。

──『Man In The Mirror』はマイケルのライブではどういった立ち位置になる曲なんでしょう?
KURO:割とライブの最後の方にやる曲なんですけど、この曲の最高潮の部分でマイケルが感極まって高速スピンをするんです。小説の中でもそういう描写があるので見て欲しいです。
僕もライブ映像をよく見ていたんですけど、この高速スピンを真似したくて仕方がなくて(笑)。
本当にこの世のものとは思えないくらいにすごいスピードで回るんです!最後に崩れ落ちるんですけどそれが死ぬほどカッコよくて!

──やっぱりマイケルの話になるとKUROさんアツくなっていますね(笑)!
KURO:そうですね(笑)、僕自身もマイケルをすごく好きだったので。
人のことを書いた小説なんですけど、自分のことを書いているような感覚もありながらでした。

──確かに!フィクションも交えた小説ということだったので、小説の中であれだけ細かい情景描写がされているのに驚いたんです。
KURO:インパーソネーターのインパーソネーターみたいな(笑)。

処女作を振り返って…

──小説を書いている時間っていうのは、今振り返ってみてどうでした?
KURO:やっぱり楽ではなかったですね。音楽やっている時の方がノウハウがあるので楽でした。
小説はまるっきり素人だし、やり方がわからないので、白い原稿用紙を前に途方にくれる。みたいな(笑)。

──そうだったんですね。
KURO:音楽だとメロディーがあって、はめる言葉の数が決まっているじゃないですか。でも小説は好きなだけ書けてしまうというか、自分次第なので大変でしたし、みんながどう思うだろう?って考えましたね。
書くことは好きだったんですけど、小説を書くのって漠然と50代60代になってからだと思っていたんです。
それがKADOKAWAさんからお話をいただいて調子に乗っちゃったんですよね(照)。

──KADOKAWAさんの方からお話があったんですね!
KURO:書評サイトに投稿をしていたんですけど、そこを見てくださっていたんですね。
音楽以外のことで褒められることなんてなかったので、思い切って「やります!」って言っちゃいました(笑)。

──今回の小説の中では、情景や感情の描写がとても細かく表現されていて感情移入が非常にしやすくなっていますが、こういった書き方をされることにしたのは?
KURO:自分自身が渋谷AXや新木場Studio Coastに立ったことがあるというのが大きかったかもしれないですね。
ステージに立つ側の経験をしているから投影しやすかったり、自分もマイケル・ジャクソンのダンスを真似てみたことがあったので憑依しやすかったというか。

──ITTOさんがマイケルのインパーソネーターとして活動し出す前のシーンも、とてもイメージが湧くものでした。実際にITTOさんの出身地である所沢に足を運んだとのことですが、やはりKUROさん自身に見えたITTOさんの背景ってありました?
KURO:やっぱりその場所に行くと想うことがあるので、楽するために行くというか(照)。
航空公園はこれまで行ったことがなかったですけど、本当に飛行機が(笑)!
当時のことを想像できたというよりは、家に帰ってから思い返して小説を描き進めるにあたって現場の風景が浮かぶのは違ったかなと思います。

──私は所沢が地元なのですが、ITTOさんのような素晴らしい方が所沢出身だなんて勝手に誇らしい気持ちになりました(笑)。
KURO:本当ですね!彼は世界一ですから!日本のインパーソネーターから神様のように思われている存在なので。

──航空公園のステージは私自身立った経験があったので航空公園のステージでのシーンはリアルに想像ができた部分でした。これから小説を読まれる方にも、読まれた方にも、是非リアルな現場に触れてみて欲しいですね。
KURO:そうなんですよ!実際に行ってみて欲しいですね!

シーンを振り返る(ネタバレ注意!)
──内容のお話に触れさせていただいたので、ITTOさんが人前で初めてマイケルのダンスを披露したバイト先での社員旅行のシーン、あの興奮はものすごく入り込んでしまいました(笑)!KUROさんにも重なるご経験が?
KURO:嬉しいですね(笑)。実はこのシーンは想像で書いたんですよ。
自分の過去のバイトの経験もそうですし、皆の前で一発芸をしなきゃいけなかったような経験ってある人は多いと思うんですけど、そういった自分の経験もミックスして書きました。
ITTOくんのモデルの方からは、バイト先でマイケルのダンスを披露したという話しか聞いていないんです。

──そこからあそこまで広げて書かれたんですね!
KURO:そうなんです(笑)。多分に自分の想像を広げて、憶測で書きました。
バイト先のお店も、埼玉近郊の店舗を調べて勝手に決めました。

──驚きました!あと、ものすごい臨場感でドキドキしたシーンで言うと、初めてITTOさんが蒲田のダンスパーティーに行くシーン。"ここにいる大人たちがみんなカッコよく見える。僕も早くこんな風に立ち回りたい"と表現されていますが、これはきっと多くのひとが感じたことのある感情なのではないでしょうか!?
KURO:キラキラして見えるんですよね!これは実話だったらしいんですよ。
『Shake Your Body』のリミックスが流れた時に皆踊らなかったらしくて、ITTOくんがフロアを掻き乱したのをきっかけに開花したんですよね。
すごく気持ちよかったでしょうね...。
この章には『Off The Wall』っていうタイトルが付いているんですけど、壁を背にしてポンとフロアに飛び込んでいくあの場面を表現しているんです。

──なるほど!マイケルの曲にも『Off The Wall』というタイトルがありましたよね!?それぞれの章のタイトルもマイケルの楽曲から取られたもの?
KURO:はい、わかる人にはわかるやつですね!『Thriller』はちょうどタチアナと破局を迎えるシーンだったり。

──タチアナさんとの恋はこの小説中で唯一のロマンスだったので、良いスパイスとして楽しめました。
KURO:本当はラブロマンスをもう少し長く書きたかったんです。でも、ITTOくんのモデルの話を聞いていたら結構エグい内容だったので(笑)、さらっとしておきました。
恋愛ものの小説ではないので、結果良かったのかもしれませんけど(笑)。

──タチアナさんがITTOさんの髪の毛を切った感じからすると、まだまだ背景に壮絶な出来事がありそうなことは想像できますからね(笑)!
KURO:なかなか髪の毛切ったりなんてしないですもんね…(笑)。

──恋愛でうまくいかなかったことについてもそうですけど、自分の恥ずかしい部分までKUROさんだからこそ話せた、とITTOさんのモデルになった方がご自身のブログでおっしゃっていましたが、ITTOさんのモデルの方とはどのくらいの時間をかけてお話をされたんでしょう?
KURO:書いたのは2〜3か月だったんです、毎週KADOKAWAの方と会うことになっていたので何か持っていかなきゃと尻を叩かれながらでしたけども(笑)。
取材を入れると半年くらいでしたかね。そして残りの半年が手直しの期間でした。
1回の取材では8時間から10時間と、だいぶ時間を使っていただいたなという感じですね。
ITTOくんのモデルだけでなく周りの方にも取材をさせていただいたので、みんなに協力して頂いてできた小説です。

──私は小説読み終わってからマイケルの作品を見て、それからITTOさんのモデルになった方のパフォーマンスを見ようと決めていたので、読み終わってからITTOさんのモデルの方を知ったのですが、イメージよりイケメンでした(笑)!
KURO:いいですね!そうなんですよ、いい男なんです。今ブログやYouTubeのPV数が動いているそうなんですよ!

──小説のおかげですね!
KURO:そうだといいんですけど(照)。今後解禁されるライブの情報もあるようなので、注目して欲しいですね!
気に入っているシーン

──KUROさんご自身が、ちょっと"ドヤ"っとできるような表現をしたシーンってありますか?
KURO:それこそさっきのバイト先の社員旅行のシーンで、ビンゴをやってるんですけど、"酔った勢いでみんなこの大きな空間に自分の声も響かせたいようなニュアンスが含まれている"っていう表現はよく出たなって思いますね(笑)。
そういえば僕も同じような雰囲気に対してそういう風に思ってたと思って。

──KUROさんご自身は作中のITTOさんと同じように客観的に空間を見ているタイプか、まさにその大衆の中にいるタイプかでいうとどちらですか?
KURO:両方やってました(笑)。若いときは僕も叫んでたし(笑)。この描写はできてよかったなって思います。

──シーンは飛ぶんですが、KUROさんの表現で気になったところがありまして。
オパさんのお葬式の後、ITTOさんが現実をまだ受け入れられずにいるとき"現実はいつだって乾いているのだ"という表現があって、その少し先のシーンで「オパちゃん、会いたいよ」と言った後に"乾いた世界に水の膜が降りた"という表現がありますよね。愚問かもしれないんですがこれって、涙の事ですか…?
KURO:はい、涙っていう言葉を使わずに涙を表現したかったのと、世の中って今日誰かが死んだとしても明日も動いていくじゃないですか。
でも誰かにとってはそうじゃないのに、現実って淡々としている、淡白で乾燥しているっていうことも言いたかったんです。

──"乾いた世界に水の膜が降りた"という表現は、それこそメロディーがあるわけじゃないので文字数の縛りもないわけじゃないですか。この表現をされたのってKUROさんの中でどう言った感覚があったのでしょうか?
KURO:この箇所はすごく考えたとか計算したというわけではなくスッと出てきたんですよね。
僕は小説家が本職ではないので、歌詞を書くように小説を書いていた部分があったのかもしれないです。
読みやすくてリズム感のあるものにしたかったんですよ。なので"乾いた世界に水の膜が降りた"っていうのは音楽的に出てきた部分なんだと思います。

──確かに、私は普段活字は全く読まないんですけど、『マン・イン・ザ・ミラー 「僕」はマイケル・ジャクソンに殺された』は2回も読めちゃいました(笑)。
KURO:嬉しいですね(照)。結構ぶつぶつと口に出して書いていた箇所もあって、読みやすいかな?とか口に出しやすいかな?とか考えました。
音楽をやってきた人間が小説を書くときに、難しい言葉を使った言い回しとか、小説的な表現をするノウハウが僕にはなかったので、それよりは音楽を武器にしてパンチラインが入ってくるような読み物にというのは意識しましたね。

──他、お気に入りのシーンや表現があれば聞かせていただけますか?
KURO:"彼らの光は夜空ではなく、深海で輝く。"と本編の最後の方に書いたんですけど、この世界にはスポットライトの外側にも光っている人間がいて、みんながそれぞれスターなんだっていう風に受け取ってもらえたらと思っています。

──悩みがちですよね、そういうことって。
KURO:そうなんですよね、今ってSNSやネットが普及しているから他人の生活が見れて、隣の芝が青く見える事っていっぱいあると思うんですけど。
見えているものだけが全てじゃないし、自分だって主役だという風に意識を向けられたらすごく豊かに楽しく生きていけるんじゃないかと思います。
ITTOくんだってこの世界に名前が残るのかといったら商標的に残らないと思うんです。今回初めて小説という形になりましたけど。

──これだけ深海で輝いている人のことを知らずにいるのもなんだか苦しいですね…。
KURO:そうやって思うと出会った人との付き合い方も変わりますよね!
この人はすごい人だから付き合おうっていうのではなくて、みんなそれぞれその道のステージに立っている人だと考えたらリスペクトを持って人と付き合えると思うし。

──そうやって人生って豊かになっていくんですね!
KURO:本当にその通りだと思います!

ITTOのモデルになったBluetree
──この小説全編を通してITTOさんのリアルな人生だから、映画やドラマのようにハッピエンドでもバッドエンドでもなく繰り返し波がある感じが私は好きです。同時に、ITTOさんのモデルになった方がこれからも元気に頑張ってほしいなと願うばかりです…。

KURO:そうですね、あれだけステージですごい人なのにすごく謙虚で、こんなに自分を殺すか!?って思ったんですよ。
それである日「ITTOくんは結婚したほうがいいよ。誰かいい人いないの?」って聞いたら「気になる子がいて…」ってその子とのLINEを見せてくれて。
本人は「からかってるだけなんだと思う」って言ってたけど、明らかに誰が見ても両想いの関係だったんで「告白しなさい!」って言ったらその翌日に告白したんですよ(笑)!

──翌日ですか(笑)!
KURO:翌日(笑)!それで付き合ってすぐ結婚になったんです。
僕は割といい加減に言ったところもあったんですけど、2人の結婚の証人にまでなりました(笑)。

──すごい…(笑)。
KURO:ハッピーエンドで良かったですよ(笑)。
そうだ、作中のオパちゃんとコングくん、どっちに魅かれます?

──魅かれるですか…私はオパちゃんみたいな人間でありたいなと思うけど、魅かれるという意味で言うとコングさんかもしれないです。
KURO:なるほど。これ結構周りの人に聞いているんです。
アーティストとして美しいのって魅力的だけど破滅的じゃないですか、でも2人とも愛情は一緒で、どちらも正解だからその2人の間でITTOくんは成長していくんですけど。
読者の方はどっちだろうなって気になっています。

──KUROさんはいかがですか?
KURO:僕自身も結構苦悩しながら書いたんです。僕も音楽をやっていて、芸を研ぎ澄ましたいって思う反面、ちゃんと生活をしていかなきゃいけないからやりたいことをするためにもお金は必要になるし…って。
なので小説の中では答えを出していないんです。

──だからこそ、今まさに夢を追っている人や、これから世間に出て行く中学生なんかにも読んで欲しいですね。夏休みの読書感想文とかに向いてるかもしれない(笑)。
KURO:本当にそうなんです!中学生のバイブルになって欲しいなとも思っていて。
自分が中学の頃にもしこの本に出会っていたら、もっとダンスに一生懸命になっていたんじゃないかとか、好きなことにもっと一生懸命になれていたのかなって思うんです。
だから中学校の図書館とかに置いてもらえたりしたら嬉しいですね!

──エモい…。今回小説家として初めての作品でしたが、書き終わってみて執筆意欲みたいなものは増しました?
KURO:ありますあります!すぐに次に取り掛かりたいなと思っていて、少しずつですけど動き始めているところです。

──楽しみに待っています!それでは最後になりますが、インタビューを読んでくださった読者の方にメッセージをお願いします。
KURO:マイケルを知らない世代も生まれてきている中で、あの頃のマイケルの熱量とか、空気を感じることができるものになったと思います。
是非マイケルの時代を覗いてもらって、そこから音楽を聴いてもらったり作品を観てもらったりとマイケルの素晴らしさを知ってもらえたら嬉しいです!

──最後にもう一つ良いですか!?KUROさんがマイケルの曲の中でも"歌詞が好きな曲"ってなんですか?
KURO:いっぱいありますけど、『It's the Falling in Love』っていう曲もキュンキュンするような良い歌詞なんです。
この曲は小説中のダンスパーティーのシーンで、タチアナがITTOくんの手を引っ張って戻った時に流れている曲なんです。
2人の恋が始まった時にちょうど『It's the Falling in Love』が流れているという。
──曲を知っていればそういう部分でも楽しめるんですね!マイケルを勉強してからまた読みたいと思います!ではインタビューは以上です、ありがとうございました!
KURO:ありがとうございました!
Text 愛香
Photo 片山拓
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