宮野真守

宮野真守

【宮野真守 インタビュー】
オーディエンスへの感謝を
物語に乗せた壮大なる祝福の賛歌

大切な君がいるから
僕はヒーローになれる

それで通常2曲のカップリングが、今回は3曲なんですね。まず「ぼくはヒーロー」は『NHKみんなのうた』の2月・3月曲としてオンエアされていましたが、オファーを受けた時はどう思われました?

嬉しかったですね。誰もが知る番組ですし、『みんなのうた』で聴いていた曲って、覚えてるじゃないですか。自分の作品も誰かの記憶に残る曲になる可能性があると思ったら、責任感を感じながらも非常に嬉しくて。それで、『みんなのうた』のスタッフさんも交えた打ち合わせの中で“ヒーロー”というテーマになったんです。加えて、“ポップでコミカルな雰囲気の宮野さんを見てみたいです”という要望もあったので、主人公の男の子が大切なものを見つけていくストーリーに、今までヒーローをたくさん演じてきた僕自身が考えるヒーロー像をしっかりと注ぎ込んで。なので、リアルな熱い想いが子供たちにも伝わるように、楽しく、キャッチーに歌っていきました。

ポップでコミカルな宮野さんというのは、ファンも見たかったところですよ。音楽面ではあまり見せてこなかった一面ですが、間違いなくお持ちなのをファンは分かっていますし。

ありがとうございます(笑)。オンエア中は毎日誰かに発見してもらえて、改めて『みんなのうた』ってすごいんだなと実感しました。“子供が食い入るように観ます”“真似して歌います”“勝手に踊り出します”とか、お母さん方からの報告もラジオに届いたりして。

ちなみに、宮野さんがこの曲に注ぎ込んだヒーロー像というのは?

タイトルは“ぼくはヒーロー”ですけど、最後に1回だけ《きみはヒーロー》って出てくるんですよ。そこが僕にとって、この曲のテーマになっているんです。人間ってがむしゃらに頑張りすぎて、周りが見えなくなったり、大事なものが分からなくなったりもするけど、そんな時にふと身近にいるヒーローに気付いたりするんですよね。実は誰かに支えられているおかげで頑張れていたんだとか、守りたい君がいるから僕はヒーローになれるんだっていう意味での“ぼくはヒーロー”なんです。

ヒーローには戦う理由が必ずあって、その大半は誰かを守るためですもんね。

そうなんですよ! だけど、大切な人の存在って見失いがちで、それでピンチに陥ったヒーローも僕はたくさん演じてきましたし、そこを知ることによって強くなれるヒーローもいたので、自分よがりで生きていくのではなく、戦うことの大切さみたいなものが歌えたらなと。別にそれが今、この曲で子供たちに100パーセント伝わらなくてもいいんです。ただ“面白いな、この歌”って観ていた子たちが、いつかふと思い出してくれたら嬉しいです。それに、アニメーションのほうもNHKさんがすごくかわいく作ってくださって! 男の子がちょっと大人な女の人に恋をしちゃって…その人が折れた花に絆創膏を貼ってくれるシーンがあったり。大切な人に対する想いというのは報われる瞬間もあるんだよっていうことを、映像のほうでも表現してくださっているんです。それも含めてヒーローであること、子供たちが頑張っていくことへの、ちょっとしたエネルギーにこの曲がなってくれれば嬉しいですね。

対して、Jin Nakamuraさん作曲のR&Bラブバラード「Never Friends」は“カッコ良い宮野真守”が全開で、囁くようなヴォーカルがたまりません。

ありがとうございます。「アンコール」が想いのままに表現している曲なのに対して、この曲は想いを表現しすぎないというか、サラッと歌う中に本心があるような歌唱の仕方をしたかったんですよね。プロデューサーから“切ないバラードもまた歌いたいね”という話があって、それをJinさんにお願いできることになり、だったら今だからこそ歌える世界観がいいと思って、大人の物語にしたんです。そこで大事にしたかったのは…主人公の相手は、あくまでも真っ直ぐ想いを話している女性であるということ。それに勝手に惑わされているという物語にしたかったんです。弄んでいるわけではなく、無自覚の悪意というか。

なるほど、さすが“今だからこそ”のひと筋縄ではいかない世界観です。そして、ラストがツアーのために作った「FIRE」と。この曲は非常にアグレッシヴで、ラップもふんだんに盛り込まれた斬新な楽曲ですが、どういった経緯で作られたんでしょう?

今回のツアーは“ヒーロー”がテーマなんです。なので、盛り上がる熱いライヴにしたいとタイトルも“BLAZING!”にしましたし、そのテーマを打ち出す楽曲が1曲あってもいいんじゃないかっていう話になって。昨年の10周年ツアーを経て、今回のツアーで何を打ち出すかをと考えた時に、実は迷ったんです。昨年は10周年というだけで大きなテーマがあったけれど、今回はその時点で出来上がっていたシングル3曲を並べた時に、ステージングをする上で何をテーマに作っていけばいいのか非常に悩んでしまって。そこで浮かんだのが“ヒーロー”だったんです。「ぼくはヒーロー」に込めた想いって僕の活動の中では大事なものだったりするし、何より“ヒーロー”って分かりやすくてカッコ良いじゃないですか。きっと個性的な絵作りができると。そこからはスムーズにライヴ作りが進んでいきましたね。

10周年ツアーでこれまでの10年を振り返り、“今、自分はどんな想いでこの活動をしているのか?”を表すには、非常に上手いテーマですよね。

結果的にそうなって良かったなと思います。で、せっかくだからライヴで初披露して驚かせようと、この曲はラジオとかでも発売まで一切流してないんですよ。ツアー2日目がCD発売日なので、初日は誰も知らないままこの曲を聴くことになるんですけど、あまりにも攻めすぎている曲なんで、みんなびっくりするんじゃないかな(笑)。

そもそも今回は台湾・上海を含む初のアジアツアーですからね。現地の方からも“待ってました!”という声が届いているのでは?

ほんとに熱い想いを届けてくださってます。海外の方って感情表現がすごく情熱的なんですよね。台湾で初めての海外公演をやった時も、会場がライヴハウスだったのに、何万人もいるんじゃないかってくらいの歓声がしたので、今回も楽しみです。

どんな“ヒーロー”が登場するのか、こちらも楽しみにしています。ちなみに、宮野さんご自身が一番憧れていたヒーローってどなたですか?

ずっとテレビっ子だったんで、テレビ界のヒーローとしては志村けんさんです。もちろん特撮は余すところなく観ていました。そういう意味では、宇宙刑事シリーズに仮面ライダー、ウルトラマンはセブンって言っとくべきなんでしょうけど、再放送でやっていたのはタロウでした(笑)。

取材:清水素子

シングル「アンコール」2019年5月29日発売 KING RECORDS
    • KICM-1947
    • ¥1,400(税抜)

『MAMORU MIYANO ASIA LIVE TOUR 2019 ~BLAZING!~』

5/28(火) 神奈川・横浜アリーナ
5/29(水) 神奈川・横浜アリーナ
6/08(土) 新潟・新潟県民会館
6/16(日) 福岡・福岡サンパレスホテル&ホール
6/22(土) 台湾・TICC台北国際会議中心
(TAIPEI INTERNATIONAL CONVENTION CENTER)
7/13(土) 岡山・倉敷市民会館
7/14(日) 岡山・倉敷市民会館
7/20(土) 宮城・ゼビオアリーナ仙台
7/21(日) 宮城・ゼビオアリーナ仙台
8/10(土) 上海・国家会展中心(上海)虹館EH
(National Exhibition and Convention Center Hong Arena)
8/17(土) 兵庫・ワールド記念ホール
8/18(日) 兵庫・ワールド記念ホール
8/25(日) 愛知・愛知県芸術劇場 大ホール
9/08(日) 神奈川・横浜アリーナ

宮野真守 プロフィール

ミヤノマモル:『DEATH NOTE』『機動戦士ガンダム00』『ポケットモンスター ベストウイッシュ』『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE』シリーズ『ちはやふる』などのアニメ作品に加えて、『ファンタスティックビーストと魔法使いの旅』などの吹き替えにも出演する人気声優。2008年よりアーティスト活動をスタート。声優、俳優の現場で培った豊かな表現力と類い稀な歌声、そしてダンスを駆使した高いライヴパフォーマンス力を武器に、独自のエンターテインメントを追求し続け、日本武道館やさいたまスーパーアリーナでの単独公演も成功させている。宮野真守 オフィシャルHP

「アンコール」MV

OKMusic編集部

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