THE BEAT GARDEN 新たな自信と挑戦
がいっぱいに詰まった濃密なツアー開

THE BEAT GARDEN one man live tour 2019「Message」

2019年5月5日 TSUTAYA O-WEST
焦らされまくって1年8か月、THE BEAT GARDENのワンマンツアーが遂に始まった。2ndアルバム『メッセージ』が過去最高のチャート順位を更新した、まさにベストタイミングでの開幕だ。結成当初から掲げるEDR=エレクトリック・ダンス・ロックの強化に加え、バラードやミドルなど幅を広げた曲調、R&B的な歌心の深さと歌詞のメッセージ性を際立たせた『メッセージ』の世界が、ステージ上でどんなふうに表現されるのか。5月5日こどもの日、東京・TSUTAYA O-WESTのチケットは一瞬でソールドアウト済み。高まる人気にキャパが追い付かない、5月の若葉のように4人は今が育ち盛り真っただ中だ。
THE BEAT GARDEN 撮影=西槇太一  
「『メッセージ』ツアーへようこそ! 遂に来たね。みんな、楽しんで行こう!」
ここはライブハウスじゃなくてクラブか? 強烈なEDMビートの重低音が響く中、満面の笑みでUが叫び、REIとMASATOが客席を指さし煽りまくる。SATORUは機材を操るよりも、一緒に歌って踊って手拍子するのに忙しい。キックオフからいきなり全員で突進する、ディフェンス無視の超攻撃的フォーメーションにフロアがぶち上がる。「花火」の歌い出しでつまずいたUが、「ズレてるごめん!」と苦笑いしても誰も気にしない。踊れ、笑え、歌え、叫べ。ビートを止めるな、それが今日の合言葉だ。

THE BEAT GARDEN/U 撮影=西槇太一
THE BEAT GARDEN/MASATO 撮影=西槇太一
「全国ツアーは初めてになります。最高のスタートにしましょう!」
意気揚々とMASATOが声を上げ、「僕がここにいる誰よりも楽しもうと思ってます!」と付け加える。前回ツアーは大阪と東京のみで、今回は一気に6公演。初の本格的ワンマンツアーに賭ける思いは強い。が、満員のオーディエンスも負けちゃいない。イケメングループの殻をぶち破る問題作(笑)の「ダンシング・マン」では、SATORUも最前線に加わって暴れまくる4人に、ダンスと手ぶりと大声援で対抗して一歩も引かない。照れも見栄も捨てて騒がにゃ損損、フロアには見渡す限り笑顔しかない。
THE BEAT GARDEN/REI 撮影=西槇太一
THE BEAT GARDEN/SATORU 撮影=西槇太一
「まだまだ行けますか! 暴れて行こうぜ!」
タオル回しでバカ騒ぎもあれば、しっとり聴かせるバラードもある。せつないラブソングで静まらせたかと思えば、SATORUが仕切る日替わりお楽しみ企画で爆笑を取る。油断も隙もない、THE BEAT GARDENのライブは見るたびに進化している。楽しくアッパーな曲の中にぐっとエモい曲を織り交ぜ、心地よいビートに乗ってライブは後半へ。シングル「そんな日々が続いていくこと」のカップリング「本当の声で」は、サビのコーラス大合唱で会場全体が一つになる。すべてのBeemer(THE BEAT GARDENファンの呼称)へ愛を込めて贈るリリックが熱い「メッセージ」では、フロアも2階席も巻き込んで無数の拳が上がる。感極まったUの目が潤んでいるように見えたが、果たして?
THE BEAT GARDEN 撮影=西槇太一
「支えてくれるBeemer、スタッフ、いつもありがとう。でもまだ夢半ば、これからも一緒に歩んでください」
アンコールは、ラフなツアーTシャツ姿で賑やかに。特に耳に残ったのは、何と言っても新曲「ぬくもり」だ。TVドラマ『都立水商!~令和~』主題歌になったこの曲、ミドルからアッパー、EDMからロック、せつないメロディからサビで感情が一気に爆発する、THE BEAT GARDENのスタイルを凝縮した勝負曲。文句なしの盛り上げダンスチューンでありつつJ-POPとしてのキャッチーさに磨きをかけた、彼らの曲作りはここまで進歩した。目の前の扉をブレイクスルーしてより広い世界へ、この曲となら行けるかもしれないと胸が高鳴る。
「この気持ちを持ってツアーに行ってきます。行けない人も一緒に走ってください」
Uがグループを代表して語る抱負に応える、“頑張れ!”の思いを込めた拍手と歓声。『メッセージ』収録の新曲中心にやり切ったライブは、過去の代表曲に頼らずとも前に進む、4人の新たな自信と挑戦がいっぱいに詰まった濃密な時間だった。THE BEAT GARDENのターニングポイントになるだろうツアーは、このあと大阪、名古屋、岡山、仙台を回って高松へ。「ぬくもり」発売記念ミニライブ&握手会を入れると2か月以上ライブしっぱなしの旅は、きっと彼らをさらにたくましくする。見ておくべきだ。
取材・文=宮本英夫 撮影=西槇太一
THE BEAT GARDEN 撮影=西槇太一

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