The Benjaminの4周年、そして花少年
バディーズの結成10周年

The Benjaminが令和初日にTSUTAYA O-WESTで4周年ワンマン公演を行なった。
The Benjaminの前身バンドであり、現在活動休憩中のバンド・花少年バディーズが今年結成10周年を迎えた。そのお祝いをと、The Benjaminは花少年バディーズ時代の楽曲をカバー演奏したアルバム『Before』を制作した。そして同作品を手に、この春全国ツアーを実施。そのファイナル公演<The Benjamin 4th Anniversary ONEMANTOUR Respect 10th HSB 『B4U-誰よりも幸せになってやる!-』 TOUR FINAL 『AFTER [B] HAPPINESS-スズランが咲いた日に-』>が、令和始まりの日となる5月1日にTSUTAYA O-WESTで行われた。この日は花少年バディーズが10年前に活動を始めた日。10周年と新たな元号の始まりが重ねる嬉しい記念日にもなった。

ステージに広がっていたのは、アルバム『Before』のCDジャケットをそのまま再現した舞台。そこへ現れたメンバーたちは、花少年バディーズのカバー曲「Balloon」からライブをスタートさせた。キラキラと眩しい光を放つ音符の一つ一つが身体へ差すたびに、ワクワクとした気持ちが膨らみだす。大きく膨らんだ笑顔でときめいた心は、そのまま彼らの演奏へ導かれてハートのバルーンとなって青空へ飛び立った。
The Benjaminの1stシングル曲「ベーゼ」も届けられた。花少年バディーズもThe Benjaminも、本質の部分では何も変わらないのがわかって嬉しい。勢いをさらに加速させるよう、The Benjaminは「ベイクドチーズ」を演奏。ボリューミーなロックンロールナンバーが、ハートを熱くさせる。パーティの熱気を全身で感じながらはしゃぎたい気持ちになってくる。

「The Benjamin、4歳になりました。今日は花少年バディーズの10周年のお祝いも兼ねてお届けします。今回のツアーの中でも、The Benjaminの4年間の集大成や花少年バディーズの10周年を伝えてきました。なにげに嬉しかったのが、「こんないい曲作ってたんですね」とみんなに言われたこと。今日だけしか聞けない花少年バディーズの曲もお届けします」

そんなミネムラ"Miney"アキノリ(Vo&G)の言葉に続いて跳びだしたのが、アルバムには未収録、今日のライブでのみ披露された花少年バディーズの「Blue Bad Boy」。ギターの音が鳴り出したとたんにフロア中から黄色い歓声が沸き、会場中の人たちが騒ぎだした。花少年バディーズナンバーは、まだまだ続く。心へ優しい歌声を注ぐよう、ツブク"Mashoe"マサトシ(Vo&B)が「ボールペン」を歌唱。彼の人柄が伝わるメロウでハートフルな歌声と楽曲が、火照った身体を歌の両手で優しく抱きしめてくれるようだ。
「ブギウギ」は、身体を熱く疼かせる花少年バディーズ流のディスコロックチューン。エモーショナルでソウルフルな楽曲を、酸いも甘いも知ったThe Benjaminのメンバーたちが演奏することで、楽曲に込めた甘い衝動が身体へ絡みつく。これぞ、大人のダンスロック。演奏は止まることなくThe Benjaminの「Brother」へ。ホットなディスゴビートをノンストップで繋ぎながら、火照った熱をさらに上げるように、The Benjaminはフロアの人たちを熱狂の宴へ溺れさせる。

ブルーズなウスイ"Tacky"タクマ(Vo&G)のギターリフが連れてきたのは、ワイルドな香りも滲ませる「ベルト」。心を火照らすビートの上で、ミネムラ"Miney"アキノリがエモーショナルに歌を届けてきた。少しばかり男の色気も滲ませながら、フロアの人たちの身体を揺さぶる。楽曲は「ブラウス」へ。イントロこそスリリングな雰囲気を描いていたが、歌へ突入したとたん曲はとても甘い様相を呈しだした。メロウで優男な表情を描いた歌も、今のアダルトなThe Benjaminにはとても似合う。
3人がそれぞれに歌をリレーしながら、なぜ自分たちがここで歌い続けるのかを「バトンタッチ」を介して提示。強い想いを優しく語りかける歌声が、胸に染み渡る。3人の本音を感じるたび、彼らと一緒に「ここにいる意味」や共に歩み続ける気持ちを誰もが再確認していた。と、ミネムラ"Miney"アキノリのギターの音を合図に、演奏はふたたび熱を持って駆けだした。抑えられない興奮を、「ブレーキ」を通しツブク"Mashoe"マサトシは「ブレーキは壊れてた」と表現。このまま「楽しい」という熱狂へ向かって駆けだしたい。

そして演奏は「BumbleBee」へ。気持ちを無条件にアゲるゴキゲンなロックナンバーをぶち噛まし、The Benjaminは会場中の人たちをふたたびロックンロールなパーティへ連れ出した。空気をもっと熱するように、The Benjaminは花少年バディーズのナンバー「ベーコンレタスチーズバーガー」を突きつけた。疾走するパンキッシュなロックンロールナンバーを、観客の口に投げ込んでいくメンバー。観客もその熱い衝動を思いきり頬張りながら、騒ぎ続けていた。ガツガツとしたガレージナンバー「Boycott」を突きつけ、The Benjaminはフロアに生まれたパーティへ、さらに熱した音楽のアルコールを注ぐ。彼らはゴキゲンな演奏を通し、“もっとThe Benjaminの音を浴びて酔ってしまいなよ”と観客たちの拳を高く突き上げさせる。
そんな火照った気持ちを上昇気流に乗せ大空へ連れ出すように、The Benjaminは「SORA」を届けてきた。これはとても爽やかな楽曲だ。ツブク"Mashoe"マサトシの歌声も優しい。終盤を彩ったのは、花少年バディーズのナンバー。「ブランコ」では誰もが“ラブ”な気持ちに。「Bonjour」ではそれまでの熱狂を夢の中へしまいこんで大切な宝物にするかのよう。絶対に忘れたくない興奮と楽しさを、The Benjaminは一緒に心の宝箱へ永遠に閉じ込めようと歌いかけてきた。「Bonjour」は夢を閉じ込めた箱を開けるための鍵かもしれない。この曲へ触れるたびに、この日の感動を心から引っ張り出せるだろう。

「僕たち3人が出会って15年近くになりますけど、その間にバンドが3つ変わってます。どれも、丸5年を迎えたことがないんですよ。何時だって“このバンドが最後だから”と命がけでやってきたんですけど。何が足りないのかわからないけど、これまで5周年目まで辿りつくことが出来ませんでした。だからこそThe Benjaminは、なんとしても5周年に繋げます。10周年、20周年とこのバンドを続けます。僕たちと君たちが出会える時間は、長いようで、実は限られています。僕らは一生やっていくけど、君たちと出会える機会は限られている。だからこそ1本1本のライブを本気で伝え続けたい。これから会えるライブも、君たちが幸せになるライブへ必ずしていくので、その言葉を信じてついてきてください」(ミネムラ"Miney"アキノリ)
アンコールは、これからのThe Benjaminの未来への歩みを指し示すように、新曲の「望遠鏡」からスタート。スリリングでシリアスさを抱きながらも、その中へ秘めた優しさを感じられる楽曲だ。これまで以上にアダルトな色を持った曲だが、その中からは彼ららしい優男な心模様が垣間見える。きっと彼ら自身が自分たちの心を覗き込んで、何かを遠くに発見したのかもしれない。この歌が、今後どんな表情を持って形を成すのか楽しみになってきた。

そして眩しい青春時代へ連れ戻すように、The Benjaminは「バスストップ」を演奏。メロウで温かいポップロックチューンに触れていると、自然と笑みが浮かぶ。ミネムラ"Miney"アキノリの歌に合わせ「楽しみだ、楽しみだ」と歌うたびに、まだ見ぬ未来へ期待する気持ちが膨らむ。最後はフロア中をぐちゃぐちゃに掻き回すThe Benjamin流ダンスロックチューンの「バーバラ」だ。フロア中の人たちが全力で暴れれば、メンバーもテンションマックスでロックンロールの熱に溺れていた。この楽曲は触れた人たちを無邪気な少年少女に塗り替える最高のパーティロック曲。その熱狂を存分に身体へ染み込ませ、この日のパーティは幕を閉じていった。

「今、すごく幸せなんだよね、君たちのおかげです。The Benjaminはもっともっと格好よくなります、観ててね、よろしく!」と、ライブを終えた直後にミネムラ"Miney"アキノリは語っていた。この熱狂の続きは、またライブハウスで味わおうか。

文◎長澤智典
編集◎BARKS
写真◎米田光一郎

セットリスト

1.Balloon
2.ベーゼ
3.ベイクドチーズ
4.Blue Bad Boy
5.ボールペン
6.ブギウギ』
7.Brother
8.ベルト
9.ブラウス
10.バトンタッチ
11.ブレーキ
12.BumbleBee』
13ベーコンレタスチーズバーガー
14.Boycott
15.SORA
16.ブランコ
17.Bonjour
-ENCORE-
1.望遠鏡
2.バスストップ
3.バーバラ


<The Benjamin Respect 10th HSB ONEMAN SHOW『謝花-The Thankful Flower-』>

The Benjaminメンバーの前身バンド 花少年バディーズの結成10周年を記念したツアーの追加公演。
無期限活動休憩した6月1日に全曲を花少年バディーズの楽曲で披露。これが本当の10周年記念のファイナル。
入場無料。

公演日:2019年6月1日(土)
会場:池袋CYBER
出演:The Benjamin

開場/開演:17:00/17:30
料金:Free *1DRINK別途

入場方法:
当日15:00より会場入り口にて入場券配布。
入場整理番号ランダム。
お一人様1枚まで。

入場順
番号順:入場整理番号

主催/企画/制作:BadeggBox
問い合わせ:会場

<BadeggBox presents『BEGINNING BUR
NING SUMMER TOUR 2019』>

公演日:2019年7月12日(金)
会場:HOLIDAY NEXT NAGOYA
出演:The Benjamin/天照/ギャロ

公演日:2019年7月13日(土)
会場:大阪FANJ
出演:The Benjamin/天照/ギャロ

公演日:2019年7月21日(日)
会場:渋谷DESEO
出演:The Benjamin/天照/ギャロ/KING

■3公演共通
料金:adv. ¥3,800 door ¥4,800 ※1DRINK別途

■チケット
一般発売日
2019年5月18日(土)
プレイガイド:e+
チケットNo.No.B001~
購入URL:後日発表

入場順:チケット番号順A→B→当日

主催/企画/制作:BadeggBox
問い合わせ:会場

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