【ライブレポート】JESSE主催、希望
を届けるフリーライブ<戸越の日>1
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JESSE(RIZE、The BONEZ:戸越出身)を発起人としたライブイベント<- Bring The HOPE Project - 戸越の日10TH ANNIVERSARY>が5月4日、品川区・戸越公園で開催された。
ハイチ地震の直後、「ただ義援金を送るのではなく、各々が復興を願い希望を届けるライブをしたい」という想いから2010年5月4日を「とごしのひ」と命名し、アコースティックギターを片手にわずか数十人の前からスタートした同イベント。一切の事前告知が無いにも関わらず徐々に規模が拡大し、昨年には約1400名の観客が集まった。個人と地元有志と共に続けてきた10回目の今年は、品川区や小学校などの行政や地元商店街からサポートを受け 「しながわ文化プログラム」にも認定。出演者はすべてサプライズという中でプロアマ問わず多くのパフォーマーや児童館のキッズバンドが登場し、老若男女問わずファンと地元の住人とで笑顔と希望が溢れるイベントとなった。

開催に際し、JESSEからはハイチでの震災や東日本大震災、その苦難な状況の度に希望を持ち続けたことで10回目を迎えられたこと、また続けてきたことで戸越の誇れるイベントになったことに感謝を伝え、ステージがスタート。アコースティックギターを手にしたJESSEのパフォーマンスは、開催当初と変わらないスタイルで、フリースタイルによる繰り広げられるリリックには、地元やイベントのエピソードも織り交ぜられ、一気に会場を沸かせた。

トップバッターには戸越小学校の子供達を中心に結成された「児童館子供バンド」のthe crazy’s。会場からは祝福ムード満載の拍手で迎えられ、プレッシャーを微塵も感じさせることなく、全3曲を堂々と披露した。

そして開始早々から急遽出演が決定したという、SPYAIRからIKEとUZが登場すると大きな歓声で溢れる。究極のフリーイベントでありながらも、いきなりのこのアナウンスには“さすが戸越の日!”と思わされる。アコースティックギターとボーカルという最小編成で「サムライハート」を演奏し、全ての友達に向けられた「My Friend」では手拍子が沸き起こり、イベントに大きな花を添えるステージを見せた。

多彩な顔ぶれが次々と出演する中でヒューマンビートボクサーのKAIRIのステージではJESSEもフリースタイルで参加。“俺は戦争を起こす気は無いから武器は持たない。武器は音楽だ!”というフレーズが、このイベントの意義でもある希望と音楽が持つ希望が重なって、一人ひとりの胸の奥に届けられた気がした。

次に、デビュー前から旧知の仲でもあるというエピソードを交えてステージに呼び込まれたAIと、別のステージがあるにも関わらず駆けつけたCharが登場。2人の作品でもある「Breathe」、温かく力強い歌声で“この戸越の夜も”と歌われた「ハピネス」を観客と共に熱唱し、祝福ムードでステージを後にした。

多国籍な面々で今日1番の大所帯のDef Techは「RIZEなくしてDef Techなし、The BONEZなくしてDef Techなし!」と、Microから発起人でもあり長きに渡る友人でもあるJESSEへの愛に満ちた言葉からスタート。「Catch The Wave」では会場中の手が波打ち、「My Way」ではShenがステージを降り、正に観客と一体となってパフォーマンス。最後まで会場中を踊らせてステージを後にした。

続いて、渋谷龍太からの「楽しい音楽をやってるからっていう理由だけで来た!」という宣言でライブの口火を切ったSUPER BEAVER。アコースティックセットで臨んだステージにも関わらず、熱い想いが詰まった演奏に観客も惹き込まれていく。「音楽とあなたの人生が、最高のものになりますように」と歌われた「証明」。このイベントを通して、独りきりではないということに背中を押してくれるような、力強いメッセージで深く心に響かせてくれた。
大トリにはThe BONEZが登場し「なぜこのバンドをやってるかを証明する!」と宣言し、バンドから奏でられたのは「Friends」。彼らがいつも魅せる人間力には、このイベントのように人に恵まれて、支えられているからだと伝えてくれる。常に仲間を大切にしてきた彼らだからこそ、令和の前に亡くなった友に向けて制作され、急遽YouTubeで公開された「“Good”Bye Song」のような楽曲が作り上げられるのだ。「素晴らしい時代を共に過ごし、生まれてきてくれて死なないでここにきてくれてありがとう」と感謝を込めて披露された「LIFE」は、とてつもないポジティブさを会場に浸透させていた。

予定曲が終わった後、会場にいる少年がステージに上がり、リクエストで急遽演奏された「Leaf」では、“希望を持つことの意味や重要さとはこういうことなんだ”と音楽を通して教えてくれていた。ラストは恒例の“戸越締め”で10回目の終わりを告げたが、希望を持ち続けている限り、来年もまた、そして2110年5月4日(戸越の日)までも続いていくイベントとなるだろう。
撮影◎OKUTO

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